2011/12/14

そして、ひたちなか海浜鉄道

↓(前回のつづき)最新の高級列車の後は、勝田から昭和の香りムンムンの気動車へ。ひたちなか海浜鉄道に乗りました。今年に入って3回目の訪問です。ゴロゴロという古い気動車のエンジン音と揺れがここちよく体に響きます。

このツアーでは、ひたちなか海浜鉄道の撮影スポットである中根駅周辺での撮影と、車輌見学&自由行動の2つのコースがありました。私たち夫婦は後者のコース。撮影班は途中駅の那珂湊駅で下車、私たちはそのまま列車に乗って阿字ヶ浦駅まで往復。再び那珂湊駅に戻ると、駅のホームで昼食のアンコウ鍋。大きな鍋から一杯ずつよそってもらいます。最後にアンキモを一つのせてくれます。しょうゆ味で具だくさん。体の芯から温まってとてもおいしかったです。行列を待つ間に、アンコウのつるし切りを見せてくださいました。何キロくらいあるんだろう。立派なアンコウです。板前さんが手際よくさばいていきます。立派なキモにびっくり。胃袋からは丸飲みしたイカが出てきました。
そうこうしているうちに撮影班が乗る列車がやってきました。私は数人の友人達とそれを見送り、アンコウ鍋を肴に大洗の地酒を飲みながらホームでダラダラ。ケハ601の見学会のあともダラダラ(応援団の方から焼き芋をいただきました!)。団体旅行の参加者はホームに居られるということもありますが、この那珂湊駅、おそろしく居心地がいいのです。空気が穏やかと申しましょうか、時間がゆったりと流れていくと申しましょうか、駅猫がいつくのもわかる気がします。

そう、那珂湊駅にはノラの駅猫がいるのです。服なんか着せずにノラらしくしているところがいいです(^^)。カレンダーやらマグカップ、エコバックなぞのグッズもあって、いくつか買って帰りました。ひたちなか海浜鉄道の卓上カレンダーも旅情あふれる写真が多くてとてもすてきです。

日が傾き始めた頃に撮影班が帰ってきました。主催の旅行会社から、吉田社長さんから、応援団の団長さんから挨拶がありツアーは現地で解散となりました。
応援団の方のお話しでは、これから沿線に菜の花や桜を植えていくとのこと。沿線に色とりどりの花が咲いて、季節になれば桜のトンネル…なんてステキなことでしょう。絵になるよー。先を見すえた活動に頭が下がります。何年先になるかわからないけれど、お花見列車が走るようになれば乗りに行くよー。

ツアーが終わる頃、気が付くと東の空に大きな真ん丸なお月さまがぽっかりと浮かんでいました。

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2011/12/12

「なごみ」に乗りました。

10日。『鉄道写真家 広田 泉さんと行く なごみ&ひたちなか海浜鉄道の旅』というツアーに参加しました。東京(品川)から勝田までJR東日本の列車「なごみ」に乗り、勝田からは、ひたちなか海浜鉄道に乗って鉄道写真家広田泉さんと一緒に写真を撮ろうというもの。
「なごみ」はお召し列車にもなる新しい車輌です。ハイグレード車輌です。お召しで走るときは間に御料車を入れるのですが、今回は一般人が乗る団体列車なので御料車はなし(^^)。それでもめったに乗れるものではなく非常に貴重な体験となりました。とってもお高いツアー旅行などで使用されることはあるようですが、そう簡単に手が出る金額ではないので…これが最初で最後になるかもしれんなー。

ハイグレード車輌といっても内装に華美なところはなく地味です。地味だけど細かいところにまで行き届いていて、非常に居心地がいいです。乗客も自然とお行儀がよくなる感じ。
私が乗った2号車は1+2の3列シートで、横幅はさほど広いとは思いませんでしたが前後の間隔がゆったり。リクライニングもスムーズです。座席にはディスプレイが一台づつセットされていて、TV、ゲームの他、先頭車および最後尾からの映像を見ることができます。また位置情報の画面もあって、私たち夫婦は、先頭車からの映像と位置情報の画面を並べて楽しみました。位置情報には標高も表示されます。列車が坂を上ったり下ったりするようすがわかってとても面白かったです。また画面から車内販売へ注文もできるのですが、案内の放送が入ったとたんにみんな一斉に注文するので、受付が一時休止になってしまいました(笑)。車内販売もあったんだけどねー。
また3号車はもうワンランク上の車輌になっていて、シートは革張り。個室も併設されていますが今回は施錠されて窓にはカーテンがひいてあるので中の様子はわかりませんでした。床は絨毯で、川の水流を表しているような。枯山水といったところ?

品川を出発した列車は山手貨物線を新宿方面に向かって走り、池袋から上中里へ。ここでスイッチバックをして田端の操車場の中を走り三河島から常磐線に入りました。先頭車からの映像でポイントを通過する様子をみるのが面白い。

とにかく居心地がよくて楽しく(コーフンして居眠りもできなかった)3時間半の旅もアッという間でした。一度乗るとクセになりますが、そう乗れるものではないのが残念。

同乗されていた、ひたちなか海浜鉄道の吉田社長さんがおっしゃっていましたが、最高級の車輌から、今度は一気に古い車輌へ。勝田からはゴロゴロというディーゼルエンジンの音がすてきなふるーい車輌に乗り換えます。

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2011/06/29

ひたちなか海浜鉄道営業運転再開の一番列車に乗ってきた。


25日。震災で運休となっていたひたちなか海浜鉄道が、一駅だけですが営業を再開するというので、その一番列車に乗るツアーに参加しました。友人がこのツアーの企画者で、実現に至るまでの話しを聞いていると、これはぜひ乗りにいかねば!と思ったのです。
ツアーの中身はこんな感じ。

上野駅で集合→特急フレッシュひたちに乗って勝田へ→貸切の代行バスで那珂湊駅へ→ひたちなか海浜鉄道社長さんと、応援団の会長さんの挨拶→一番列車になる三両編成の列車に乗車→入れ替え体験→車輌の掃除(雑巾でふきふき。網棚、蛍光灯の笠も拭いたよ)→車輌撮影会(気動車8両連結)→ケハ601等保存車輌の見学→貸切車輌内で昼食→一番列車出発!→復旧工事現場の見学・・・は急に降り出した雨のため中止→那珂湊駅にて自由行動→貸切列車で中根まで往復→撮影会(車輌6両顔並べ)→挨拶・解散

とにかく取材の人が多くて(社長さんに密着取材しているテレビ局もありました)注目度の高さを感じます。我々ツアー客も少しは賑やかしになったのではないでしょうか。
ひたちなか海浜鉄道の若い社長さんは、公募で選ばれた方らしく、直接お話しをすることはありませんでしたが挨拶の言葉に誠実な人柄が感じられます。また応援団の会長さんはじめ、メンバーの方々も情熱があって、社員の方々も皆さん感じがよく、この鉄道が再開できたのは何よりもこの、人の力なんだろうと思いました。
一番列車が発車するときは、ホームから車内から歓声と拍手がわき起こって、みんな笑顔だし、まわりの空気がフッと一つの塊になったような気がしました。
来月早々には那珂湊から勝田までつながります。前途洋々とはいかないでしょうけれど、ここまでこぎつけた鉄道会社、サポーターの方々の努力に敬意を表しつつ、これからの困難を乗りこえてくれることを祈ります。私は少しでも乗って応援したいです。
上野から勝田まで特急で1時間半。近いのよ。

さて。当日はホームでのんびりする時間が結構ありました。風に吹かれてぼーっとしている時間がうれしい。築100年という駅舎もいい感じ。私たち夫婦は2度目の乗車はパスして、待合室にあった町の案内図を手に少し歩きました。反射炉があるのね。所々に古い建物も残っていて、歴史を感じさせます。幕末の水戸藩といえば吉村昭の「天狗争乱」を読んだくらいだなぁ。

ツアーが終わったあとは友人達と魚市場に行って回転寿司を食べました。ネタが大きくてお刺身みたい。おいしかった。

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2011/06/13

南部縦貫鉄道通年公開

なななんと。
青森新幹線開業に合わせて、南部縦貫鉄道の車両が通年公開されているそーです。→こんなかんじ
知らなかったでありますよ。七戸十和田駅からタクシーで行けるし、JR東日本パスも発売中だし、日帰りで見学も可能ですなー。→参考までに
青森行きたい度がまた増えてしまいました。(来月行くけど)

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2010/11/24

南部縦貫鉄道レールバス!

うわわ。懐かしや南部縦貫のレールバス!→ここ
七戸駅も変わっていません~。
もともと、七戸駅あたりは湿地帯だったそうで、廃線後、しばらくしてから訪ねたときは、駅の構内を出ると地面から水が出ていて、ゆっくりと自然にかえっていくんだなぁとしみじみしました。

青森新幹線の開業を記念して、イベントが行われるそうです。→ここ
新幹線の駅は、営農大学校前と盛田牧場の間あたりなのね。

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2010/11/15

『御料車 知られざる美術品』@鉄道博物館

14日。夫と久しぶりに鉄博に行きました。お目当ては開催中の企画展『御料車 知られざる美術品』。鉄博へは、新幹線とニューシャトル、入場券がセットになったお得切符を使いました。往復新幹線に乗れるのがいいですな。

昼過ぎに着いたのでさっそくお昼ごはん。企画展に合わせた限定駅弁を買いました。2千円もした。鉄博には中で飲食できる車輌(本物)がいつくかあります。展示用の車輌でも、中で駅弁を食べるとそれなりの雰囲気があるから不思議。

御料車というのは天皇皇后両陛下や、皇太子殿下が乗られる車輌のことで、明治の初めから何台か造られました。そのうちのいくつかが鉄博や明治村でも展示されていて私も見たことがありますが、ガラスケースに収められた車輌を外から眺めるだけで、中の様子はよくわかりません。その車輌の中に収められた調度品や車輌内部を飾る工芸品の数々を本邦初で公開するというので、以前から楽しみにしていました。

壁や天井は綴織りなどの織物で埋め尽くされ、いたるところに(釘隠にまで)螺鈿細工や七宝焼き、木彫、金細工が施されています。それが決してけばけばしくなく品よくまとまっているのがいいところ。とにかく細部にまで手を抜かない仕事ぶりにびっくりです。宮中に収めることになるんですからお金云々じゃないですよね。職人さんたちの気合いも感じられました。
今の御料車も模型が展示されていましたが、一見質素に見えるけれど実はいろいろと手が混んでいるんですね。
パネルを使っての御料車の説明もあり、じっくり見学してたっぷり1時間かかりました。

そのあとヒストリーゾーンで展示中の御料車を見に行きました。常設展示なので何度も見ているのに、見方が変わります。明治の初めに造られた1号御料車は、その保存のよさに改めてびっくり。

他の展示品の見学はそこそこに、お土産を買って帰りました。

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2010/10/20

「全国鉄道絶景パノラマ地図帳」@集英社

20011019__
仕事帰りに立ち寄った書店で見つけて思わず買ってしまいました。奥付では10月19日発行とあるから、出たばかりなんかー。
「週刊鉄道絶景の旅」に掲載されたパノラマ図の総集編らしいです。なので、車窓が楽しめる現役の路線を中心にした編集になっています。鉄ちゃんにはものたりないかもしれませんが。

そもそも私の頭の中の鉄道路線図は時刻表の地図が元になっているので、方位とか土地のつながりなどが、ずれているのであります。それを頭の中で調整しながら、行ったことのある土地、乗ったことのある路線を辿っていくのが楽しいです。
それにしても日本は本当に山だらけですね。鉄道を敷くというのは、どうやって峠を越えて山の向こうの町へ行くか、その挑戦でもあると思いました。

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2010/09/06

ヒコーキ→スカイライナー→雲南料理

日暮里においしい雲南料理を食べさせる店があるという話しからみんなで食べに行こうという話しになりました。日暮里集合なら、成田空港から新型のスカイライナーに乗ろうじゃないか、成田空港まで行くのなら飛行機も見よう!・・・というわけで、成田でヒコーキを見てスカイライナーに乗って雲南料理を食べるというオフになりました。こんなかんじ。

・第1部 成田空港第一ターミナル屋上からのヒコーキ撮影
・第2部 航空科学博物館見学
・第3部 新型スカイライナーに乗る
・第4部 日暮里で雲南料理を食べる

4日。みんなの都合がよかったのか、のべ18名の参加となりました。その日の昼過ぎに海外出張から帰国する友人もいました。久しぶりに会う人も多くて楽しいヒトトキでした。

ヒコーキ好きの友人たちは朝の9時過ぎから空港にいたようです。お目当ては世界最大というオール二階建て飛行機A380。私たちはスカイアクセスに乗ってのんびり11時半頃に行きましたが、それから12時頃までの30分ほどの間にシンガポール航空、この日が就航初日のエールフランスのA380の離陸を見ることができました。ぼってりと太っていて、体が随分と重そうでした。小さめのヒコーキは滑走路の中間くらいでひょいと飛ぶのに、A380は向こうの方まで走ってグググと浮き上がっていきました。ごくろうさま。
出発ラッシュで貨物機を含めて次から次へとヒコーキが飛び立って行くのを見ているのはとても面白かったです。キーンというエンジン音も、なかなかよろしゅうございました。

昼食後、バスで航空科学博物館に移動。最上階の展望台では係員の説明を聞きながら離陸したばかりのヒコーキが真上を飛んでいくのを見ることができます。展示の中にジャンボのコックピットがあって興味津々。1970年のアメリカ映画『大空港』を思い出しちゃったよ。ここにはDC-8のフライトシミュレーターがあります。当日のメンバーが10名だったので、幹事が前もって予約してくれました。本物のDC-8コックピットに後部にYS-11の座席がついています。操縦席にはKさんと私が座らせてもらいました。一応計器の説明と離陸と着陸方法を簡単に教えてもらいました。感想は「操縦席は狭い」「エンジンレバーは重い」「逆噴射のレバーはもっと重い」「動き出すと操縦桿が重くなる」「計器がいっぱいあっていろいろ見ないといけないので大変」です。いい経験をさせてもらいました。ありがとう。

成田空港に戻って本日のメインイベント京成スカイライナー乗車。わくわく。成田空港から印旛日本医大までの新線区間は在来線最速の160キロでぶっとばします。手持ちのGPSで時速が計測できるという友人が、ずーっと何キロで走っているかチェックしていました。とにかく速い。「京成もやればできる」という声があがりました。傾いた日射しの中、印旛沼付近の景色がとてもきれいでした。稲刈りも始まっていました。ずーっと記憶に残る風景でした。
日本医大から北総線に入るとガクンとスピードが落ちたような感覚になります。それでも130キロ出ているので、普通の特急のトップスピード並みなんですが。高砂付近から本線に入ると普通のスピードになります。その落差が(^^)。でも40分で日暮里に着いちゃうんだから速い。座席のシートピッチは広く、固めの座面は座り心地がよろしい。とにかく京成の社運をかけた新型特急ですからねー。気合いが入ってます。

雲南料理店ではよく食べよく飲みよくしゃべりました。数年ぶりに会う友人も多かったけれど、まるで数日前に別れたような感じでスッと話しが続いていきます。それでもかわいい子供の写真がまわってくるところが今までと少し違う(^^)。
みんな忙しくて昔みたいにそろって会うことは少なくなったけど、機会があればまたこうして集まれればいいなー。

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2010/08/29

麻生釣駅への道

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CSの衛星放送では、毎月「男はつらいよ」を2,3作ずつ放送していて、今月は第21作目の『寅次郎わが道をゆく』(1978年)。マドンナは木の実ナナで、今はなき松竹歌劇団(SKD)のスタアという設定。他に寅さんを頼って九州から出てきた青年役の武田鉄矢が、別のSKDの少女に恋をします。

で、この頃の寅さん映画の冒頭は、旅先で居眠りをしている寅さんの夢をショートストーリーに仕立てていて、これが当時の流行ものをうまく取り入れていて結構面白いのです。この回は映画「未知との遭遇」がテーマ。UFO→駅のホームで列車待ちの高校生が持っているカセットテープから流れているピンクレディの「U.F.O.」というつながりになっています。
それで問題はですね、寅さんと高校生たちがいる駅のホームなのですよ。
高原のホームしかない小さな駅で、景色と言えば遠くに見える山並みだけ。かろうじて読める駅名標が「あそづる」。1984年に廃止となった宮原線(みやのはるせん)の麻生釣駅であります。

宮原線の廃線跡は比較的きれいに残っています。数年前に2度、友人たちと廃線跡をめぐりました。1回目はどうしても見つける事ができなかった麻生釣駅跡も、2度目の探訪でついに発見。写真は宝泉寺から麻生釣へ向かう廃線跡であります。あぁ、いかにも線路跡(笑)。このあと遭難するかという思いをするのですけど、それはそれ。麻生釣駅は今ではすっかり藪に覆われていて、映画の中のような、スッキリとした景色ではありませんでした。ホームと、駅へ向かう階段は残っていました。
泣きそうな思いをしてたどり着いたのに、実は車道から結構楽に入れることもその後に判明。
3年前に行った時は、線路跡がなかり壊されていましたから、近いうちにまた行ってみたいです。
北里で常夜鍋も食べたいしねー。

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2010/08/09

内田百けん『立腹帖』@ちくま文庫

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往復の通勤電車の中は貴重な読書タイム。借りていた本は図書館に返しちゃったし、買って読みたい本もないし・・・で、目に付いた文庫本をカバンに入れて出かけました。久しぶりに読む百鬼園先生の随筆。

数年前にちくま文庫から「内田百けん集成」が出ました。全20巻だったかな。毎月買って読むのが楽しみでした。いろんなテーマでまとめられていたなかで、第2巻の『立腹帖』には阿呆列車以外の鉄道にまつわる随筆が収められています。全巻の中でも特に好きな一冊。

百鬼園先生は鉄道好きで、有名なのは阿呆列車シリーズですが、私は何気なく書かれた随筆の中に出てくる鉄道の風景も好きです。特に『立腹帖』の中には好きな随筆がいっぱい入っているので、どこから読んでも面白いし何回読み直しても楽しい。
上りの特別急行列車の食堂車での出会いを書いた『車窓の稲光り』、旅先の青森で宮城検校との思い出『旅愁』、他にも『偽物の新橋駅』、『千丁の柳』などなど、どれも味わい深いです。中でも『時は改変す』では、鉄道八十周年を記念して東京駅の名誉駅長になった百鬼園先生が、大好きな特急「はと」の出発を見送るのが切なくつらく、ついに駅長の職務を放擲し、「はと」に飛び乗って熱海に行ってしまう顛末が書かれていて面白いです。

キリリとエッジの立ったきれいな文章にはユーモアが漂います。百鬼園先生が真面目になればなるほど面白い。そして文章の端々に、心の底を針の先でツンツンつつくような鋭さもあって、読後感が何ともいえません。
感受性豊かで癇癪持ちでわがままで常にプンプン怒っていて借金だらけで、でも百鬼園先生が一流の文章家としていられたのも、高度成長までの日本だったからで、だんだん窮屈になっていく今の時代に百鬼園先生がいたら、アッという間に潰されてしまうだろうなぁとも思いました。

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