2012/04/17

落語の鉄人@お江戸日本橋亭

14日
朝からしとしと雨降り。夫と駅前のマクドナルドで朝ごはん食べたあとお江戸日本橋亭へ。桂しん吉さんと古今亭駒次さんの落語会「落語の鉄人」第三回目。二人とも私が注目している噺家さんで、鉄道ファンということもあるけれど、いい雰囲気があるんだ。
古典と鉄道ネタの新作を一席ずつ。

駒次 「締め込み」
しん吉 「くっしゃみ講釈」
(仲入り)
対談
駒次 「都電物語」
しん吉 「みどりの窓口」

駒次さんの古典は初めて聴いたかも。高座に漂う空気がやっぱり古今亭。駒次さんの「厩火事」なんてのもいいかもね。
しん吉さんの「くっしゃみ講釈」は上方版で、前半が東京で聴くのとはちと違う。もっちゃりしてるのが上方風。
東京の落語と上方の落語。せめぎ合うというのではなくてうまい具合に混じり合ってます。

仲入り後は二人の対談。もちろん鉄ネタ中心で地味におかしい。駒次さん、頭の回転がはやいねー。

「都電物語」は昭和40年代のはじめ、都電がなくなる頃を舞台にしたラブストーリー。出てくるのが都電一系統なので、日本橋で聴くのもぴったり。
「みどりの窓口」はしん吉さんが志の輔師匠にお稽古をつけてもらった一席。舞台を大阪に変えてありあす。おもしろかったー。「都電物語」も「みどりの窓口」もやってる噺家さんの好きな世界なので臨場感があります。頭の中で想像しているやってるのとは違うのよねぇ。何をするにも愛がなけりゃね。

駒次さんは一度お呼びして自分で落語会をやりたいよ。


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2012/01/30

菊之丞独演会@池袋演芸場

27日。先日の玉椿の会でチケットを買いました。18時開演で少し迷ったのですが、同僚が行くというので、私もつられてしまいました。
17時には退勤するつもりで仕事をしていたのに、こんな時に銀行から電話。結構込み入った話になってしまって、電話を切ったら17時をまわっていました。それからあわてて出て池袋についたのが18時。演芸場についたらもう菊之丞師匠は高座に上がっていました。

  愛宕山
  芝浜
  らくだ

トリネタ三席。やる方も聴く方も体力勝負であります(笑)。でも調子がよかったのか三席ともとてもよかったです。初演という「芝浜」では一瞬息が止まるような間違いもありましたけど、終わってみれば全然気になりませんでした。

「愛宕山」は菊之丞師匠で生で聴くのは初めて。雰囲気にぴったりで安心して聴いていられるというか、リラックスして聴けました。登場人物みんなに色気があるのね。
「芝浜」は全体にサラッとしていてそこが私はよかった。必要以上に湿っぽくすることないと思うんだ。あぁよかったと、気持ちよく終わればそれでいい。まだまだ手を入れて今年の後半は結構聴けるんじゃないかなぁ。
「らくだ」はね〜。後半がスゴイ。菊之丞師匠の剛直なところが見られる噺だと思います。市馬師匠では結構聴いているのですが、これがまた違う雰囲気なんだなぁ。テキストはほぼ同じなのに。菊之丞師匠は噺の流れ全体に、市馬師匠は登場人物それぞれに、重きをおいているよーな。
池袋演芸場ははじめてという同僚も楽しんでくれたよーで、ヨカッタ。

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2012/01/23

特撰落語会市馬・白酒二人会@深川江戸資料館

22日。落語会の前に近くの銭湯に寄ってさっぱり。何か腹ごしらえとたまたま見つけた「ハネカフェ」なる店へはいりました。ここは飛行機がテーマのカフェで、ポスターや飛行機の模型なぞがたくさん飾ってあります。好きな人にはたまらないだろうなぁ。お手洗いの中もちょっとすてき。コーヒーが普通においしかったです。

  (開口一番)市助 「間抜け泥」
    白酒   「甲府ぃ」
    市馬   「二番煎じ」
    (仲入り)
    市馬   「厄払い」
    白酒   「付き馬」

普通に楽しい四席。市馬師匠は季節感あふれる二席。白酒師匠はスピード感たっぷり。特に市馬師匠の「厄払い」は久しぶりに聴いたけど与太ちゃんのおとぼけぶりが相変わらずで何度聞いてもおかしいよ。大好きな噺です。市馬師匠以外では聴いたことないなぁ。
「甲府ぃ」は生で聴いたのは初めて。どうってことない噺なので(サゲが全て)噺家さんに聴かせるだけの力がないと難しい噺だろうなぁと思いました。

今年もまたいい落語がたくさん聴けますように。

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2011/11/26

最近きいた落語

今月は2回だけ。仕事が忙しくてあらかじめチケットをとっていた会以外は行けなかったのだ。とほほ。

・15日「市馬落語集」@鈴本演芸場

6時開演なんて間に合わないよーと遅刻。『宗論』の途中から。

  市馬 『宗論』
  市馬 『大工しらべ』
 (仲入り)
  めおと楽団ジキジキ
  市馬 『夢金』

『大工しらべ』はサゲまで。先日横浜にぎわい座でも聴いたけど、市馬師匠の『大工しらべ』は棟梁の啖呵が単なる早口言葉になっていないところが好き。きちんと息つぎをして言葉もくぎって話し言葉になっているところ。そりゃそうだよね。早口言葉で負かせてやろうと思って啖呵を切るわけじゃないもん。だからとっても聴きやすい。そして与太ちゃんが可愛らしくてたまらん。
『夢金』も二度目。吹雪の大川が目に浮かんできて市馬師匠の雰囲気にあっている噺だと思いました。
この日は客席からの雑音が多くて残念。気にすると気になって、それが悔しいので気にしないようにしているんだけど、やっぱり気になる。

・19日「白酒むふふふふふふ」@練馬文化センター小ホール

 (開口一番)扇 『牛ほめ』
  白酒 『火焔太鼓』
  ゲスト 東京ボーイズ
 (仲入り)
  白酒 『木乃伊取り』

東京ボーイズは初めて。一度聴きたかった(見たかった)のよー。芸協の人なので寄席で見る機会がなかなかないのだけれど、やっぱり寄席とか狭い舞台で見たいと思いました。
白酒師匠はいきなり『火焔太鼓』。相変わらずパワフルな一席。仲入りでたまたま会った友人夫婦と「次はなにやるかねー」と話していたら(私は少し早めに『富久』『宿屋の富』、それに『明烏』なんぞを期待していたのですが)おっと『木乃伊とり』でした。そんなに笑いが多い噺ではないけれど、白酒師匠に合ってるねー。よろしゅうございました。吉原で居続けをする若旦那が妙に印象に残りました。

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2011/11/24

訃報:立川談志

23日。今日は秩父宮ラグビー場で大学ラグビーの早慶戦。そのあと南青山の銭湯「清水湯」に行ってロビーで汗を拭きながらフルーツジュースを飲んでいたら、ツイッターを見ていた夫が「えっ。談志が死んだ」と一言。
もうずっと体が悪かったようだし、お歳だし、いずれは…と思っていたけれど、実際に訃報を聞くとさみしいというかなんというか。ふと談志も死ぬんだな…なんて事が頭に浮かびました。

肌に合う合わないは別にして、落語ファンで立川談志が嫌いだという人はまずいないと思います。文句のつけようがないほどうまいもん。最近は高座自体が少ないところにチケットがとりにくいので、一度生で聴きたかったなぁという落語ファンが多いと思います。幸い私は何度か聴く事ができました。特に印象に残っているのは20年近く前に浅草の5656会館の独演会。確か夫が「今夜、浅草でやるから行ってみようか」といって行ったのです。当時は当日券でも入れたのだ。その時は「ねずみ穴」を聴けました。最初の病気の後だったのか声の調子が悪いことをしきりに気にしていたことと、口演中に携帯電話の着信音がして客席が一瞬凍り付いたこと、それをサラッと噺の中に入れてよどみなく噺を続けた事を覚えています。もちろん落語はすごくよかった。いいモノが聴けたとホクホクしながら帰りました。それでも若い頃の談志を知っている人は「昔はそんなもんじゃないヨ」って事になるんでしょうけどね(^^)。

落語に限らず何でも、特に「芸」と呼ばれるものは、自分がやっていることが好きだって事が大切だと思います。自分が愛情を持てないのに、赤の他人を笑わせたり泣かせたり感心させたりできるでしょーか。立川談志という人は落語が好きで好きで、もう訳がわからなくなるくらい好きだったんだと思います。落語のためなら何でもするっていう気持ち。そういうのがすてきだね。

「立川談志死去」なんてニュースを見つつ、これで「平成の名人」なんて言われるようになるのかなーなんて思う。ふん。
落語はやっぱりライブ。いいときも悪いときもあるけれど、見て感じないとわからない。ここんとこ仕事が忙しくてなかなか落語を聴きに行けないけれど…また行こ。

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2011/10/16

市馬落語集@日本橋社会教育会館

14日。蒸し暑くて小走りで会場に着いたら汗だくの季節はずれな人になってしまいました。

  市楽 『芝居の喧嘩』
  市馬 『二十四孝』
  市馬 『風呂敷』
 (仲入り)
  市馬 『不動坊』

市楽さんの高座は、一歩一歩という感じ。がんばれー。
ちなみに『芝居の喧嘩』は以前、鈴本で菊志ん師匠で聴いたことがあります。これがスピーディーでファンキーな一席でした。また聴きたいよー。

市馬師匠で『二十四孝』『風呂敷』を聴くのは初めて、『不動坊』は二回目かな。いずれにせよ珍しい噺を聴けました。
どれもサラッと軽く普通の噺なのがうれしい。なんつーか「あそこで落語、やってるなー」という、ぼやーっとした存在感がいいのだ。古典落語なんて噺の筋だけで面白いんだから、それを普通にやって面白がらせてくれればじゅうぶん…と思うんだけど、それが難しいんだろうなぁ。
私は『風呂敷』がとてもよかったです。風呂敷を被せられた酔っぱらいの亭主以外は、噺の中の登場人物も噺家さんも客席も、みんなニンマリというのがすてき。
この噺、どっかで聴いたなぁと思ったら、鈴本で志ん五師匠で聴いた事があるのでした。体が大きい師匠がやると、風呂敷を被せるところにリアリティがあっていいです。

『不動坊』は好きなのよー。銭湯の場面、一升瓶のあんころ、ちんどん屋の「うすどろ」とか、くだらなくて笑っちゃう。

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2011/09/19

9月中席7日目@鈴本演芸場

201109
↑今月の鈴本演芸場のパンフレットの表紙。弁天小僧だわ。
17日。夫の会社の人と4人で出かけました。若手中心で、力のこもった高座が続きました。

  落語  志ん公 『転失気』
  太神楽曲芸 翁家和楽社中
  落語  馬石  『堀之内』
  落語  はん治 『モーツァルト』
  三味線漫談 紫文
  落語  菊志ん 『紙入れ』
  落語  文左衛門 『笠碁』
 (仲入り)
  漫才  遊平・かほり
  講談  琴調  『小政の生い立ち』
  奇術  アサダ二世
  落語  白酒  『抜け雀』

びっくりしたのは文左衛門師匠の『笠碁』。ここで『笠碁』が聴けるとは。ご隠居二人の意地の張り合い、老人の寂しさがよく出ていてとてもよかったです。大好きな市馬師匠の『笠碁』とはまた違った雰囲気でした。夫の会社の人も「よかった」と印象に残っていたようでした。
はん治師匠の高座ではモーツァルトがかかるし、馬石師匠の『堀之内』は、登場人物がみんな愛らしくてかわいいし(馬石師匠の滑稽噺は嫌みがなくてとてもいいといつも思います)、スピード感たっぷりの菊志ん師匠の『紙入れ』はますますパワフルで(おかみさん、最高!)、白酒師匠の『抜け雀』は安心して聴けます。
色物さんもバラエティー豊かで、こういうのが寄席の楽しみですね。

このあと近くの居酒屋でごはん。れんこんの料理がたくさんあって、れんこん好きにはたまりませんぜ(^^)。
以前、たまたま入って結構よかったので、また行ってみました。お料理はもちろんですが、接客してくれた若いあんちゃんがとても気持ちよくて、それだけで評価120%アップ。また来ようと思いました。飲食店はお店の人の雰囲気、態度も大切ですね。最近「はぁ?」とびっくりする接客にあうことが多いので余計にそう思います。

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2011/07/07

鈴本演芸場7月上席夜の部四日目と五日目

4日
  落語  扇遊  『浮世床』
  落語  小燕枝 『親子酒』
 (仲入り)
  太神楽 仙三郎社中
  落語  歌武蔵 漫談
  粋曲  小菊
  落語  市馬  『青菜』

5日
  落語  扇遊  『蜘蛛駕籠』
  落語  雲助  『お菊の皿』
 (仲入り)
  太神楽 仙三郎社中
  落語  歌武蔵 『大安売り』
  粋曲  小菊
  落語  市馬  『船徳』

雲助師匠の『お菊の皿』がうれしー。くっだらなーい。
市馬師匠は若旦那が出てきたのでもしや・・・と思っていたら『船徳』だー。聴きたかったんだよん。
四万六千日の暑苦しさより、大川の川面を吹いてくる涼しい風を感じるような高座でした。さらりと気持ちいい。

6日の日経夕刊文化欄の演芸評に市馬師匠が取り上げられていました。

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2011/07/05

鈴本演芸場7月上席夜の部三日目

3日。久しぶりに最初から。

 (開口一番)歌る美  『真田小僧』
  落語  市楽  『松山鏡』
  奇術  ダーク広和
  落語  一九  『ガマの油』
  落語  権太楼 『代書屋』
  紙切り 正楽
  落語  扇遊  『子ほめ』
  落語  雲助  『臆病源兵衛』
 (仲入り)
  太神楽 仙三郎社中
  落語  正蔵  『悋気の独楽』
  粋曲  小菊
  落語  市馬  『笠碁』

落語を聴きにきたぞーという人と、寄席はあまり知らないという人が程良く交じっていて、客席も適当に空いていていい感じ。高座もトリの市馬師匠まで、少しずつ盛り上がりながらとてもいい雰囲気で流れていきました。これが寄席のいいところ。ダーク広和さんが、いつになくすっとぼけていておかしかった。

権太楼師匠の『代書屋』は、もー何度聴いてもおかしいし(「夢中だったから覚えていない」とか「天皇賞をとった」とか)、扇遊師匠の『子ほめ』は、前座全員よーく聴いておくようにと言いたくなるようなお手本のような『子ほめ』で(うまい真打ちのやる前座噺って、なんでこんなに面白いんだろ)、雲助師匠で『臆病源兵衛』は初めて。くっだらないよねぇ(笑)。正蔵師匠の『悋気の独楽』は定吉はもちろん焼き餅焼きのおかみさんがかわいい。小菊ねぇさんの三味線でスッと涼しくなったところで、市馬師匠は『笠碁』。わー。何度も聴いてるけど、いつ聴いてもよろしいねぇ。今の市馬師匠の『笠碁』は本当にいいです。

幼なじみで碁仲間のご隠居二人がケンカして、また元通り仲良くなるっていうだけの話し。
シトシト雨が降っていて、道を歩く人はなく、当然お店もヒマヒマで、聞こえてくるのはサラサラ雨の音ばかり。ご隠居二人の仲違いを、家族も店の人も気にしちゃいないけど、本人たちにとっては大問題。ゆったりと流れる時のなか、「退屈だなぁ。つまんない事でケンカしちゃったなぁ。また二人で碁を打ちたいなぁ。でも自分から謝るのはシャクだ」って思っている二人が、碁盤を間に少しずつ距離を縮めていくところが何ともいえずいいのです。そして最後は一気に仲直り。その瞬間、緊張がとけて、客席もほわっと明るくなるようでした。拍手がおきたもんなぁ。私も手をたたいちゃったよ。二人が元通りになって、みんな「よかったぁ」と思ったんだよ。
一緒にいった夫は「これぞ柳家だねぇ」と言っていました。市馬師匠の高座、作り物の角がとれて、だんだん渋くなっていってる気がする。

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2011/07/03

志の輔らくごを見に行った

2日。夫の同僚が行けなくなったというチケットを譲ってもらって初めて「志の輔らくご」を見に行きました。初志の輔。チケットをとりずらいと聞いていたので、いい機会。

会場のル テアトル銀座は、今年の1月2月とお芝居を見に来た劇場。座りやすく見やすく居心地のいい劇場で私は好きです。内容は今年の1月に渋谷パルコ劇場でやったという「『大河への道』~伊能忠敬物語~」であります。

広い舞台に高座と釈台がひとつ。前座さんもなく、ぴったり2時間、志の輔師匠が出ずっぱりで口演します(よく足がしびれないもんだ)。落語というよりは「志の輔らくご」という別の芸能だと思いました。感覚でいうとお芝居を見に行くような。
自分がなぜ伊能忠敬を主人公にした落語を作ったのか、そのきっかけを延々と語るところがマクラといえばマクラ。そこも面白くてフムフムを聴いているうちに、完全なフィクションの『大河への道』が始まります。

とても面白かったです。満席のお客さんを飽きさせることなく、途中でだれることなく、2時間引きつけておく力量は大したものだし、『大河への道』も構成がしっかりとしていて、感心しました。途中ではさまれる劇中劇(落語中落語か)の部分は完全に人情噺になってるし。これを聴いたら、長崎のシーボルト記念館や、佐原の伊能忠敬記念館に行きたくなるよねぇ。
伊能忠敬で大河って、案外イケルと思うんですが・・・。

志の輔師匠で本寸法の古典なぞを聴いてみたいと思うわたくしであります。

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