2009/12/08

柳亭市馬独演会@横浜にぎわい座

  市楽 『道灌』
  市馬 『禁酒番屋』
  川柳 『大ガーコン』
  おたのしみ:市馬 『俵星玄蕃』
  (仲入り)
  市馬 『淀五郎』

7日。満席。2階も開いて補助席も出ていました。
やっぱり市馬師匠はいいなぁと、しみじみしてしまった一夜でした。市馬師匠を聴いたことがない人も、今夜の独演会を聴いたら、いっぺんで参っちゃうんじゃなかろーか(^^)。
『禁酒番屋』なんて一歩間違えば汚い後味の悪い噺になるところを、きれいにまとめて呑気な楽しい噺にしてしまうところが師匠のうまさ。
いつになくノリノリで元気な川柳師匠はたっぷりと『大ガーコン』。そういえば翌日は12月8日ではないですか。『ガーコン』は立派な反戦落語でもあると思っているので、感慨深く聴いておりました。
仲入り前はお楽しみ。袴をつけて登場したので、もしや・・・と思っていたら十八番の『俵星玄蕃』!絶品ですね。帰宅後夫に「私が死んだら葬式の余興で市馬師匠を呼んで『俵星玄蕃』をやってもらって」と言ったら「葬式で余興やんの?」と言われました。やっぱマズイかなぁ。それより自分が聴けないからつまらんか。

今夜のお目当てはネタだしされていた『淀五郎』。お芝居の「仮名手本忠臣蔵」四段目、判官切腹の段を舞台にした芝居噺です。
主役の塩冶判官役に大抜擢された淀五郎。張り切って臨みますがうまくいかず、初日、二日目と自分を抜擢してくれた座頭の團蔵に舞台上で無視され続けます。團蔵の忠告も耳に入らない淀五郎は思いあまって團蔵を刺し殺し、自分も死のうと思い詰め、最後に自分をかわいがってくれた仲蔵に挨拶にいきます。淀五郎の様子がおかしいのに気が付いた仲蔵は、かれをさとし、演技のポイントをアドバイスします・・・

一度お芝居の四段目を見ておくと、場面の一つ一つが盛り上がるように甦ってくるけれど、知らなくても十分楽しめるのは市馬師匠の力量なんでしょうね。それには噺がうまいだけじゃなくて、実際にお芝居を見ていて、なおかつ好きじゃないと出来ないと思いました。私が見た四段目は判官が菊五郎で由良之助が幸四郎だったなー。この段だけは一旦始まると客席への出入りができなくなります。開演前にその案内があって、客席は緊張した厳粛な雰囲気になるし、太棹の「べーんべーん」という響きでますますドキドキするし、一度劇場で見るといいお芝居であります。そういう緊張感も市馬師匠の噺からは感じることができました。
淀五郎をさとす仲蔵がしみじみよかった。登場人物は、淀五郎、團蔵、仲蔵の3人ですが、その3人の表情やしぐさで、お芝居の様子や場面、気持ちを表すところが秀逸でした。

今夜は国立小劇場で文楽を見ます。演目が「仮名手本忠臣蔵」で判官切腹の段もかかるので、観劇がすっごーく楽しみになりました。

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2009/12/06

第5回三田落語会夜の部@三田仏教伝道センターホール

 (開口一番)市也 『真田小僧』
  市馬  『時そば』
  喜多八 『棒鱈』
 (仲入り)
  喜多八 『いかけ屋』
  市馬  『掛取萬歳』(狂歌→義太夫→喧嘩→芝居→三河萬歳)

チケットぴあで買ったせいか、席は後ろの方でしたが、そのぶん少し離れてのんびり聴けたかも。

喜多八師匠は、なかなか聴く機会がないのですが、『棒鱈』なぞを聴いていると、この師匠でじっくり廓噺を聴いてみたくなりました。

市馬師匠の『時そば』。誰でも知っているポピュラーな噺を、奇をてらうことなく当たり前にやってクスッと面白い。大爆笑ってわけではないけど、このニヤニヤかげんがいいのだ。冷たい雨の降る夜にぴったり。

最後に登場した市馬師匠。「そろそろお聴き疲れでございましょう」なぁんて言いながら年末の挨拶。そして待ってましたの『掛け取り』なれど、今回は義太夫が入って、三河万歳で下げる『掛取萬歳』。TVで圓生がやっていたのを見たことがあるけど市馬師匠では初めて聴きました。古風で地味だけどいいもんですなー。どこかで「市馬の三河万歳でさげる『掛取萬歳』が好きだ」と書いていたのを読んだ記憶があるけれど全くその通り。これまた年末らしくてよろしゅうございました。
義太夫節の文句が、同じく『掛け取り』でやる相撲甚句の文句と同じでありました。節が変われば印象も変わります。
一度市馬師匠で『豊竹屋』、聴きたいです。

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2009/12/03

東京マンスリー@ブディストホール


菊志ん師匠の勉強会。久しぶりに行けた。平日の夜にしては珍しく早く仕事が終わったという夫と途中で合流。

  (開口一番)小んぶ 『家見舞』
  菊志ん 『まんじゅうこわい』
  菊志ん 『宮戸川』
  (仲入り)
  菊志ん 『三枚起請』

一時、古典を自分なりにアレンジしてやっていた事があったそうで、そういう工夫が所々に感じられた三席。特に宮戸川は、菊志ん師匠がいつも寄席でやっているのとは違って演出が漫画的と申しましょうか、お花ちゃんが、くっきりはっきり描かれていて楽しく聴きました。こういうコ、いるよねぇ(たぶん)って感じ。
『三枚起請』も花魁にだまされた男3人の描きわけが菊志ん師匠らしく面白かったです。
一つ一つの噺に対する師匠の奮闘ぶりがかいま見られました。

銀座まで夫とぶらぶらしながら帰りました。途中、歌舞伎座の前を通りました。櫓が揚がっているのねぇ。
毎年11月の顔見世興行の時しか揚がらない櫓ですが、今回は来年4月まで上がっているそうです。

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2009/11/22

市馬・文左衛門二人会@浜松町かもめ亭

19日。冷たい雨。かもめ亭は久しぶりに行きますが、行くときはいつも雨が降ってる気がする。

 (開口一番)やえ馬 『初天神』
  文左衛門 『天災』
  市馬   『粗忽の釘』
 (仲入り)
  文左衛門 『ちりとてちん』
  市馬   『味噌蔵』

文左衛門師匠の高座を見ていると、いい人なんだろうなぁと何となく感じます。見た目はコワイですけど。楽屋の人数が足りないのか、二番太鼓は文左衛門師匠が叩いていたようす。
文左衛門師匠が散々に高座を荒らした(?)後を、市馬師匠がサササッとお掃除するような会でした。市馬師匠の『粗忽の釘』はおかしくて安心して聴いていられます。先日聴いた『抜け雀』の時も感じたけれど、市馬師匠の演じるおかみさんが、最近少し強烈になってきたよーに思うのは気のせいでありましょうか(^^)。

ケッサクは文左衛門師匠の『ちりとてちん』で、「いやだー」と言いつつ両手で顔を覆いながら指の隙間からこっそり見ちゃうような、「怖い物見たさ」満載の一席でした。
市馬師匠は最後に何をやるのかなーとワクワク。そろそろ冬の噺がかかるだろうし。
で、久しぶりに『味噌蔵』を聴けました。好きなのよん。宴会の場面では炭坑節。おいしそうなお料理がいろいろ出てきて空きっ腹にはこたえました。

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2009/11/19

富くじ

大阪は箕面の瀧安寺で146年ぶりに富くじが行われたそーです。→ここ
瀧安寺は富くじ発祥の地なんだとか。→ここ
わーん。いいなー。東京でもやんないかなー。谷中の感応寺(天王寺)あたりでねー。そうなりゃ買いますよ、富くじ。もちろん鶴之千五百番。

富くじは昔の宝くじみたいなもの。落語の中にも出てきます。「宿屋の富」とか「富久」とか。これから年末にかけて聴く機会が増える落語であります。「富久」、好きなんだよねー。

年末の噺というと「芝浜」って感じなんでしょーか。私はこの噺はあんまり好きではありませぬ。去年の暮れに、さん喬師匠の、それはすばらしい「芝浜」を聴いたけれど、それはそれ。やっぱり「そんなにありがたがる噺なのかな~」と思ってしまう不遜なわたくし。すいません。
「文七元結」や「富久」の方が、(私は)ずーっと好きな噺なのであります。

・・・てなわけで、この冬の目標は、市馬師匠で「富久」を聴く。
聴けるのかなぁ。

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2009/11/17

小島貞二の世界@市川市文学プラザ

鈴本にチラシがありました。
市川市文学プラザで「小島貞二の世界」が開催中であります。→ここ
菊之丞師匠の落語会もあります。こちらは申し込み制。行くつもり。

脚本家の水木洋子も市川市民だったのね。東山魁夷もだし、正岡容も一時住んでいたような。文化の薫り高い市川であります。

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2009/11/16

サントリー美術館で喬太郎師匠の落語。

18日からサントリー美術館で始まる『鏑木清方展』。→ここ。楽しみ楽しみ、いつ見に行こうかなーと思っていたところ、「落語会もあるよ」と友人が教えてくれました。

『清方と圓朝』というテーマで、出演は喬太郎師匠。くわしくはここ
学芸員との対談と、『文七元結』を口演するそーです。

それにしても・・・「講師: 柳家喬太郎氏/柳家喬之助氏」って(笑)。
「それでは先生、どうぞ!」

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市馬落語集@鈴本演芸場

13日。年に一度の鈴本演芸場での市馬師匠の会。6時開演なんだもん。いつもより早く出社して、まだみんなが仕事している中をこっそり抜けてきたけど、鈴本についたらすでに前座さんが始まっていました。

 (開口一番)市也  『真田小僧』
  市江  『不精床』→踊り「夕暮れ」
  市馬  『試し酒』
 (仲入り)
  漫談  寒空はだか
  市馬  『抜け雀』

満席。客席は市馬師匠のご贔屓さんが大勢集まって、和やかな中にもワクワクするような華やいだ雰囲気。
二つ目になってそろそろ半年の市江さんは羽織姿も板に付いてきたって感じ。不思議な雰囲気の噺家さんであります。がんばってね。
市馬師匠で『試し酒』は初めて。主人のお供についてきた下男の久蔵が大杯でひたすらお酒を飲むだけの話しです。寄席だと15分で終わる噺をたっぷりきかせてくれました。高座にお酒の香りが充満しておりました。

ゲストの寒空はだかさんは、夏のにぎわい座の会以来二度目。テンポよく話しが続いて最後は名曲(^^)「東京タワーのうた」が聴けたのでまんぞく。

『抜け雀』は小田原宿のオンボロ旅籠が舞台。ここに泊まった一文無しが、宿代の代わりに屏風に描いた雀の絵。この雀が不思議や朝日を浴びると絵から抜け出すことから始まる騒動です。
なぜか一文無しばかりを引き入れてしまう旅籠の主人。ガミガミうるさいおかみさん。鷹揚にかまえる一文無し。登場人物みんなが生き生きとしていて、ただでさえお目出度い噺がますますお目出度くなっちゃう。おかみさんが妙によかったなー。楽しかった。
市馬師匠の会らしく気持ちよく過ごせたヒトトキでした。

※鈴本演芸場の「めくり」は寄席文字を勉強した社長さんの手書きだそうで、寄席文字で「はだか」と描いたのは初めてだとおっしゃっていたとか(^^)。

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2009/11/05

(古い)映画の中の寄席。

ふるーい邦画を見てると時々寄席が舞台になっている映画に出会うことがあります。
『或る女』(1942年・松竹)で主演の田中絹代が世話になっているのが、当時あちこちにあったであろう町中の寄席。最初のシーンにその寄席の看板が出ます。ビデオを一時停止してみると、『馬風 圓生 橘之助 歌吉 王楽 馬生 小若 扇八 談志 しん生』とありました。10年ほど前の回想シーンに出る寄席の番組表には『むらく 小さん 文治 正蔵 可楽 柳桜』。

成瀬巳喜男監督の『鶴八鶴次郎』(1938年・東宝)は新内語り(鶴次郎・長谷川一夫)と三味線(鶴八・山田五十鈴)の二人の物語なので、最初から寄席のシーンがバンバン出てきます。でも噺家さんは出ていなくて、娘義太夫とか猿回しとかなので、色物専門の寄席なのかなー。二人で寄席を買おうという相談をしたり、人気の出てきた鶴八鶴次郎を名人会(落語研究会みたいなもんか)に出そうというパトロンが出てきたり、鶴八と別れた鶴次郎がドサまわりで地方の場末の寄席に出たり、昔の芸人さんのようすがなんとなーくわかります。寄席の出し物に新内があって、それを楽しむ人たちが大勢いたって事に時代を感じました。
いい映画ですよん。脇役の藤原釜足がいいんだなー。こういう役者さん、今はいないですね。

山田五十鈴主演の『化粧雪』(1940年・東宝)もいい映画でした。病気の父親の面倒をみながら父親が経営していた寄席を切り盛りしている娘(山田五十鈴)が主人公なので生活の場が寄席。昔は流行っていたのに、今はすっかりさびれてしまったその寄席を、何とか1日だけでも昔の姿に甦らせようと下足番の藤原釜足が奔走する・・・てな話しだったと思う。借金、婚約破棄、お金の無心にくる行方不明だった兄、勉強したいのに働きに出ている弟としんどいことばかりなのに、凛と生きていく山田五十鈴は美しく、相変わらず藤原釜足はいい味出してる。オープニングにエンタツ・アチャコの漫才がラジオから聞こえていたよーな。
また見たいなー。

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2009/11/04

第8回ひぐらし寄席@日暮里サニーホール

1日。「馬石と仲間たち」と題された落語会。以前から行きたいと思っていたのだけれど、いつも都合がつかず。休日なので夫も誘ってやっと行けました。

 (開口一番)市也 『転失気』
  馬石  『浮世床』
  白酒  『松曳き』
 (仲入り)
  馬石  『文七元結』

前座の市也さんは市馬師匠の三番弟子。市馬師匠がらみの落語会で見ることが多いので、こういう関係ない会で出くわすと新鮮・・・というかちょっとびっくりする(^^)。

『浮世床』は夢の話し。さらっときれいに。

ゲストの白酒師匠は馬石師匠の兄弟子。さっそく会のタイトル『仲間たち』に一言、二言(^^)。そして円楽師匠が亡くなった日に訃報が出た立川文都師匠の話しになりました。
文都師匠の思い出話、そして50代を目前に亡くなった本人がどれほど無念だったかと。高座が最も充実するのが50代。それに向かって自分がどこまでやれるのか(どの程度の噺家になれるのか)自分自身でそれを見てみたい気持ちがどの噺家にもあると思う。それを見ずして死ななければならなかったのがどんなに無念かと。あぁ、そんな事も思いながらの修行の毎日なのかと、噺家さんの本音がチラッと見えた気がしました。
少ししんみりした客席の空気を打ち破るように『松曳き』はお殿様もお付きの田中三太夫も壊れまくり。大爆笑の一席でした。いやー、すごい。帰り道に夫と話したのだけれど、白酒師匠の落語はどことなく映画的で、夫はバスター・キートンだと言い、私はマルクスブラザーズだと言いました。グルーチョとハーポを足したような。

仲入り後は、ぐっと静かに『文七元結』。とてもきちんとした『文七元結』でした。聴きほれました。どの場面も際だっていて場面転換が印象的。舞台を見ているようでした。
主人公の長兵衛の娘、お久は先妻の子。お兼とは義理の親子。実の親子の時もありますが、私は義理の親子の方がしっくりするように思いました。なさぬ仲だからこそお互い気を遣っていて、噺に説得力も出るんじゃないかなー。

馬石師匠はいいですねー。雲助師匠のお弟子はみんな将来有望でございます。
次回のひぐらし寄席は1月27日。ゲストは立川談修さんです。

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