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2011/06/18

宮脇俊三『ローカルバスの終点へ』@洋泉社新書y

Bus_
私が以前読んだのは文庫本。新書になって復刊しました。久しぶりに再読。

鉄道ブームという昨今。雑誌の特集なぞには「ローカル線に乗って(鈍行列車に乗って)のんびり旅」なんつーフレーズをよく目にしますが、いま、ローカル線や鈍行に乗って旅をするなんていうのは、本当に大変。本数が少ない、接続が悪いで、出発前にきちんと行程をたてていかないと途中で身動きがとれなくなります。食事の準備もしておかないと、夕食抜きで朝まで・・・なんつーことにもなりかねません。「気ままにのんびり旅」とは対極にあるのが、今のローカル線の旅であります。

30年ほど前、私が友人達と長崎や北海道へ行った時は、鈍行の夜行も走っていたし(門司港発長崎・佐世保行とか、札幌発釧路行きとか)、鈍行を乗り継いでどこへでも行けました(仙台発青森行きにも乗ったなー)。ちょっとした駅には立ち食い蕎麦や駅弁があり、長い停車時間にはホームに出て、蒸気機関車時代のなごりの洗面所で顔を洗ったり。鉄道が走っていないところには、路線バスが走っているのでだいじょうぶ。
今思うと不便なようでいて実は行動範囲が広かったように思えます。目的もなく行きたい所へ行けたのだ。

この本はそんな時代、昭和の終わりに宮脇さんが駅から出ているローカルバスに乗ってその終点にまで行く紀行文。乗車時間が1時間以上で、目的地がさほど有名でない所というルールがあるので、沿線の風景も目的地にも変わりばえはしませんが、そこに書かれる旅は魅力的です。どういう所なのか、ネットでいろいろ調べたりして(^^)。見た物、出会った人、そこでの自分の気持ちが短い文章の中にきちんと書かれているからだと思います。
文章の最後には、乗ったローカルバスの現状が記されています。その多くは廃止となり、自治体の運営するコミュニティバスや乗り合いタクシーとなっていました。
私が若い頃にしたような旅はもう過去のものになりつつあるのでしょう。もちろん、今には今の旅のスタイルがあるわけですけどね。

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