« 『雲助月極十番』@日本橋劇場 | トップページ | 湘南地ビール »

2011/05/23

『皐月恒例市馬落語集』@日本橋劇場

恒例となった三日連続の独演会。ゲストも楽しみです。今回は『子別れ』の上・中・下を三日に分けて口演するという趣向。市馬師匠の高座は結構聴いてるつもりだけれど、『子別れ』は初めて。

18日
  市也 『金明竹』
  市馬 『子別れ(上)』
 (仲入り)
  ゲスト 三増紋也・三増紋之助・三増れ紋
  市馬 『茶の湯』

19日
  市助 『道具屋』
  市楽 『看板のピン』
  市馬 『子別れ(中)』
 (仲入り)
  ゲスト 内海桂子・あした順子
  市馬 『お化け長屋』

20日
  市江 『寄合酒』
  市馬 『青菜』
  ゲスト 澤孝子 『大新河岸の親子河童 』
 (仲入り)
  市馬 『子別れ(下)』

4人のお弟子さんたちも登場。少しずつ噺家さんらしくなっていく様子を見るのが楽しい。ゲストは超ベテランの方々で、江戸曲独楽、漫才、浪曲でした。浪曲はいいねー。機会があればこれから少し聴きに行こうと思っています。

三日続けて聴いた感想は、全て丁寧な高座だったこと。そのせいか、ゆったりとした時間が流れて行きます。特に三日目は印象に残りました。

市馬師匠の『青菜』は何度か聴いているけれど、こんな噺だったっけ?と今までとは違う感覚。のんびりというのでもないんだなぁ。聴いているほうに緊張感を強いない。何なんだろ。素敵な一席でした。

『子別れ』を全部通しで聴いたのは初めてです。よく出来た話しだと感心しました。
腕はいいのに酒癖が悪い大工の熊。吉原で居続けたあげく、何かとよく出来たおかみさんと子供を追い出して吉原の女を家に入れますが所詮うまくいくはずはありません。その後、すっぱりとお酒をやめて仕事に精を出し、今では若い者を数人使うほどの親方になりますが、いまだ独り身。後悔先に立たず。そんなある日、道でばったり息子の亀ちゃんに出会います…。

最終日には目頭を押さえる年輩の男性多数。でも市馬師匠は強いて涙を誘うような演出はしません。他の噺家さんで聴いた『子別れ』よりは、ずっとあっさり、さらっとしていると思うけれど、だからかえってジーンとするところがあります。亀ちゃんが小生意気な事をいうたびにグッとくるのよね。笑い泣きしちゃうような。それに何だか妙におかみさんが色っぽい。
お酒さえ飲まなければ、根っこは悪いひとじゃない亭主、その亭主の事を思って、追い出されても苦しい生活をしても一人で背筋を伸ばして生きていこうとするおかみさん、素直な亀ちゃん。一度壊れた家族の再生という、舞台は昔でもとても現代的な噺でありました。(雲助師匠の『夜鷹蕎麦屋』が血の繋がらない人との新しい家族の出発なら、この噺は血のつながりが結ぶ縁だね)

三日間、バタバタと仕事を終えたので慌ただしかったけれど、そのぶんいい時間にひたれてシアワセでした。

|

« 『雲助月極十番』@日本橋劇場 | トップページ | 湘南地ビール »

コメント

私も19日に行ってました。
いらっしゃっているだろうと思って終演後探したのですが、お会いできなくて残念!

「桂子順子」いいもの見ちゃったなー
米寿の奴さん、素敵でした。

投稿: きょうこ | 2011/05/23 08:27

まー。いらしていたんですか。わたくしは真ん中の下手側にいました。
この会は毎回ゲストが楽しみです。
「桂子順子」はよかったねー。私もパワーをもらいました。戦争を乗りこえてきた人はつよい。

投稿: あやこ | 2011/05/31 01:58

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 『雲助月極十番』@日本橋劇場 | トップページ | 湘南地ビール »