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2010/09/18

9月文楽公演@国立劇場小劇場

Bunraku_
17日。お仕事お休みー。昼夜通しで文楽を見に行きました。お目当ては夜の部の『桂川連理柵』ですが、東京で文楽はなかなか見られないので、せっかくだからと通しにしました。疲れたー。

 第一部(11時開演)
  『良弁杉由来』(ろうべんすぎのゆらい)
  『鰯売恋曳網』(いわしうりこいのひきあみ)

 第二部(16時開演)
  『勢州阿漕浦』(せいしゅうあこぎがうら)
  『桂川連理柵』(かつらがわれんりのしがらみ)

東京の文楽のチケットはとりにくくて、あぜくら会の先行発売日初日の昼過ぎに電話して残席わずか。人形浄瑠璃は人形の表情がよくわかる前の方の席で、できれば上手、床に近いほうがいいなーというのが私の感覚。
第一部では前から二列目の上手一番端っこ、つまり床の真下の席でした。大夫さんの見台が目の前。紺や白の房をたらして、蒔絵や螺鈿を施した漆塗りの見台は近くで見ると本当にきれい。大夫さん5人、三味線5人の『良弁杉由来・桜宮物狂いの段』では三味線の鶴澤清治さんが目の前でした。指使いとか、ばちさばきとか、見惚れちゃったよ。ハッと気合いをいれると、こちらの背筋がピンとします。大夫さんの声がダイレクトにぶつかってくるので迫力満点。同じ義太夫でも太棹三味線でも、歌舞伎で聴くのと人形浄瑠璃で聴くのとは全然違います。主役だからねー。

今回の公演では、三島由紀夫が六代目中村歌右衛門のために書いた新作歌舞伎『鰯売恋曳網』を人形浄瑠璃に仕立て直したものがかけられます。若き鰯売りが美しい傾城に恋をして、彼女に会うために大名になりすますという落語の『幾代餅』を思わせるもの。途中で同じく落語の『粗忽の使者』を連想する場面があったりと、全編を通して楽しく見ました。もっと練れてくるといいかも。切り場は咲大夫さんの義太夫に燕三さんの三味線。その燕三さんが昼夜入れ替え中のロビーに背広姿でいらして、ちょっとびっくりしました。

今回の公演ではなぜかお人形が印象に残りました。『良弁杉由来』の行方不明になった子供を捜し求めて放浪する老婆の弱々しさ。東大寺の大僧正になっている息子の凛とした姿。その他ちょっとした登場人物にいたるまで。シャボン玉売りが竹筒を吹いてシャボン玉を飛ばす場面にはびっくりしました。なんでー。

お目当ての『桂川連理柵』は面白かったー。別名「お半長右衛門(お半長)」。上方落語の『胴乱の幸助』に出てくる浄瑠璃で一度見てみたかったのだ。

四十前の京都は帯屋の主人・長右衛門が旅先で、隣家の娘お半ちゃん(14歳)と、ややこしい事になってしまいます。長右衛門の継母は自分の息子に帯屋を継がせたいと長右衛門や嫁のお絹につらく当たります。お半ちゃんとの事も含めて他にいろいろ面倒くさいことがあって、長右衛門は、お半ちゃんとはきっぱり別れて自ら命を絶つことを決心します。ところが・・・。たった一回の過ちなのに、お半ちゃんには子供が出来てしまい・・。今なら犯罪、スキャンダルの塊のようなお話しでした。それを情感たっぷりの面白い人形浄瑠璃にするのがスゴイ。同じスキャンダルでも押尾守のような事件は浄瑠璃にはなりませんねー。情がないもの。

切り場の「帯屋の段」は嶋大夫さんの熱演もあって、めちゃくちゃ面白かったです。これ一幕でいいからまた見たいなぁ。それにもう、蓑助さん操るお半ちゃんがかわいい。かわいすぎ。長右衛門が迷うのも仕方がないと思う。誰もいないかなと、あたりを伺いながら暖簾越しに顔を出す場面の色っぽさ。椅子からずり落ちそうになりました。駒下駄をカラカラ鳴らしながら歩く姿。もう全部かわいい。このお半ちゃんを見るだけでも値打ちありです。蓑助さんの娘には毎回参ってしまう。

次回の文楽本公演は12月。

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