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2010/02/20

2月文楽公演第三部『曾根崎心中』@国立劇場小劇場

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18日。18時半開演で仕事帰りに行けるとチケットをとりました。あぜくら会先行発売日の初日にして残席わずか。今回の文楽公演は「吉田蓑助文化功労者顕彰記念」と銘打ってあるけれど、蓑助さんが出るのはこの『曾根崎心中』だけなんですな。そのせいもあるのかしらん。
席は下手側の端っこの一番前(そこか一番後ろしか残っていなかった)。どうかなーと思ったけれど、人形の表情(本当に表情が出るのよー)や仕草がよくわかるし、天満屋の段では格子戸越しに見ることになって、それがまた盗み見をしているような雰囲気でかえってよかったです。

近松門左衛門作の遊女お初と醤油問屋の手代・徳兵衛の心中もの。長い間絶えていたものを、昭和30年に復活させたのだそうです。新作でもあるのですね。
筋が単純で上演時間も1時間半ほどだから新参者の私も大いに楽しむ事ができました。

なんといっても蓑助さんが操る主人公のお初がすばらしい。舞台に出てきた瞬間に視線を一気に引き寄せてしまう存在感が圧倒的です。徳さん恋しやの気持ちがあふれるお初。時々ふっと子供らしい表情も見せます。頼みの金をだまし取られて肩を落としてトボトボと、お初がいる天満屋にやってくる徳兵衛に、ひっしと抱きつき、笠に隠れた顔を見せてくれとすがるお初のいじらしさ。いやぁ、もう何だかお初ちゃんばっかり見ていたですよ。

それにやっぱり文楽は、浄瑠璃を語る大夫さんのものであるとも感じました。
歌舞伎でも浄瑠璃は語られますが、主役はあくまで舞台にいる役者さん。それが文楽だとガツンと表に出てくる面白さ。最後の天神森の段では、大夫5人に三味線5人。五挺の三味線の音色だけでゾクゾクいたします(^^)。
帰宅後、録画したまま見ていなかった歌舞伎の『曽根崎心中』を見ました。こちらは宇野信夫脚色で昭和28年に復活。登場人物が多く、筋も少し付け足してふくらみを持たせています。そこが大夫が語る文楽と、役者が演じる歌舞伎の違いでしょうね。

次回の文楽公演は5月。祇園祭礼信仰記(ぎおんさいれいしんこうき)と新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)です。うひゃー。『金閣寺』と『野崎村』かぁ。見たい見たい。

※独身時代に通っていたスポーツクラブが梅田新道(うめだしんみち)にあって、梅田から行くその道すがらにあったお初天神の前を、毎日のように通っていました。また生玉社前の段の舞台、生玉神社は当時祖母と住んでいたアパートのすぐ近くと、この狂言の舞台になった場所もなじみ深いのであります。

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コメント

わたしも見に行きたかったです。
はじめて文楽を観るには、ちょうどいいし。
残念なことをしました。

ところでフィルムセンターで20日から「篠田正浩」特集をやっております。
吉右衛門×岩下志麻の「心中天網島」や「はなれ瞽女おりん」、そしてスコセッシがリメイクするという「沈黙」など全作品が上映されています。

新しい職場から目と鼻の先なので、機会を見つけていってみようと思います。

投稿: ハッピートラちゃん | 2010/02/21 08:42

文楽に馴染むと『寝床』の世界が身近に感じられますよ(^^)。
何でも同じだと思いますが最初に何を選ぶのか悩むところですよね。それで印象が決まっちゃう事もあるし。

>>吉右衛門×岩下志麻の「心中天網島」

いい映画です。文楽の様式を借りた演出もいいです。この狂言も文楽で見たいなぁ。

投稿: あやこ | 2010/02/24 05:44

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