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2009/12/20

12月歌舞伎公演@国立劇場

20091220_
14日。新歌舞伎三本立て。今月の歌舞伎座の新作は賛否両論渦巻いているようですが(国立劇場でもその話しが聞こえてきました)、こちらは同じ新作でも評価が定まっている三本。ま、新作といっても明治から大正、昭和にかけて作られたお芝居で、半分古典みたいなものですか。

  真山青果作『頼朝の死』
  坪内逍遙作『一休禅師』
  岡本綺堂作『修善寺物語』

地味なれど、なかなか楽しい三本立てでした。源頼家にからむお芝居の間に舞踊が挟まる趣向。
新歌舞伎というのは、セリフでもって相手や自分自身を追いつめていくような心理劇であるなぁと思いました。それには役者の役への深い理解と、口跡の良さが問われます。

『頼朝の死』では、父・頼朝の死に不信を抱き、その謎に自分自身の境遇を重ね合わせて悩む頼家(吉右衛門)と、頼朝の死の真相をあくまで隠そうとする母・政子(富十郎)とのやりとりが秀逸。富十郎の存在感といったらありませぬ。自分は源氏の領袖ではないかと迫る頼家に「家は末代、人は一代」と、パーンと突き放すところといったらもう・・・。そりゃ、頼家の人生も狂いますわな。それから歌六が相変わらずよかった。大好きなのよー。歌昇も熱演。

『一休禅師』でのかむろを踊った少女、愛子ちゃんは富十郎の娘さん。実に愛らしくて舞台も客席も一気に明るく和やかになりました。「愛子ちゃん!」と大向こうから声もかかっていました。
彼女が一人で踊る姿を見る富十郎の目の優しさ。見ているこちらの気持ちも温かくなりました。二人で踊るところもよかった。素人目ですが、愛子ちゃん、とてもお上手だと思いました。末が楽しみ。

『修善寺物語』は3日前に鑑賞教室で見たばかりでしたが、桂役の芝雀が説得力じゅうぶんで、とてもよかったです。自分の意志を貫き通し、死に淵にあって「悔いはない」と言い切る娘・桂。その娘の断末魔の姿を、後の手本にしたいと描き写す父・夜叉王。この父にしてこの娘ありです。頼家役の錦之助も品のある立ち振る舞いに気性の激しいところも感じさせていました。

歌舞伎と新劇との違いは何なんだろう(何をもって歌舞伎というのだろう)ということを考えると、落語と一人芝居との違いに通じるところがあるよーに思える今日この頃。
歌舞伎の新作でいえば、染五郎がやった『竜馬が行く』が結構よかったので、あれをまとめて見せてくれないかしらん。

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