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2009/10/28

桂文我独演会@紀伊国屋サザンシアター

噺家生活三十周年記念の会。本来は談志師匠がゲストのところ病気療養のためキャンセルとなり、代演で市馬師匠、志らく師匠が出演することになりました。文我師匠は初めて。一度聴いてみたかった噺家さんだったのよねー。

  まん我  『狸賽』
  志らく  『鉄拐』
  文我   『箒屋娘』
 (仲入り)
  市馬   『掛け取り美智也』(狂歌→芝居→三橋の旦那)
  文我   『狸賽(上方バージョン)』『田舎芝居』

志らく師匠は、来られなくなった談志師匠の話しから「談志の得意ネタ」ということで『鉄拐』。噺の中で歌う歌う(笑)。さだまさしの「防人の歌」のメロディーで落語の「芝浜」をやるというのがケッサクでした。
市馬師匠もまた歌う(^^)。お芝居のところでは下座さんもしっかり入っていつもよりねっとりした感じでよかったです。三橋の旦那も調子よく、ゲストのお二人で高座を盛り上げました。

文我師匠は知的で端正な噺家さんだと思いました。きれいな噺をされる方で、嫌みがないってところでは市馬師匠と通じるところがあるような。今日のこの会は「お客さまに少しでも思い出に残る会にしたい」ということで、あえて今ではほとんど高座にかからない珍しい噺をすることにしたそうです。かといって面倒くさい噺ではなくて、どれも楽しく聴きました。

『箒屋娘』は世間知らずのお店の若旦那が主人公の単純な噺。この若旦那が難しいんだろうなぁ。うまくやらないと嫌みなだけの噺になっちゃう。聴きながらなんとなーく『井戸の茶碗』を思い出しました。

『狸賽』は最初にお弟子のまん我さんが先にやった噺。よく聴く噺ですが、実は米朝師匠が東京から持ってきて上方に広げた噺だそうで、これとは別に上方バージョンの『狸賽』があるので聴き比べてほしいと。上方バージョンは米朝師匠もほとんど高座にかけたことはないんじゃないかとおっしゃってました。最初と最後はいつもの『狸賽』ですが、真ん中がちと違う。上方らしいといえばそうだし、笑いはこっちの方が多いかも。子供には上方バージョンの方が面白いんじゃないかしらん。いやー珍しいものを聴かせてもらいました。帰宅後夫に自慢した。
『狸賽』だけじゃ少し物足りないので、市馬師匠が『掛け取り』の中でやったお芝居の場面に刺激をうけて最後は『田舎芝居』。

私は大阪生まれの大阪育ちですが、さほど落語は聴いていたわけではないので、上方落語もいろいろあって面白いなーと新鮮な気持ちになりました。一つの噺に違ったやり方もあるわけで。落語は「これだ」という決定版がないんですね。かといって好き勝手に崩しちゃ落語にはならない。
決定版がないから、自分でいろいろ聴いてお気に入りを探す楽しみがあるんだと思います。

関係ないけど、松井今朝子さんのブログに小朝師匠と対談したという記事がありました。→ここ
「オール読物」に連載された「圓朝の女」が単行本になるので(連載中からちょこちょこ読んでいたので、単行本化が楽しみなのだ)それにちなんでの対談だそう。興味津々であります。

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