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2009/09/19

食満南北『芝居随想 作者部屋から』@ウエッジ文庫

20090919_
ウェッジ文庫の新刊は毎回要チェック。今回も楽しい随筆が出てました。でも会社近くの書店には並んでいなくて、池袋の旭屋書店でやっと買えました。

食満南北(けまなんぼく1880-1957)の食満(けま)という名字は本名だそうです。大阪は堺の造り酒屋のぼんぼんとして生まれ育ち、様々な職業を点々とした後に東京の歌舞伎座、そして大阪で劇作家として活躍した・・・そうな。
前半は芝居の世界に入るまでと、楽屋からみた芝居の世界のあれこれ。芝居(歌舞伎)の幕があくまでの段取りは興味深かったです。興行主がいて、プロデューサーのような人がいて、演出家がいて、様々な役割の人たちが、それこそ日本的な念の入ったやり方で、わがままな役者をおだてなだめて顔を立てて、すったもんだの末にやっと初日の幕があく。それで「芝居なんてもうこりごり」と思わない(思っているのかもしれないけれど、懲りない)人たちが面白い。芝居の稽古の様子も面白く読みました。

後半は、自分が知る役者さんの素顔というか魅力について。フツーの会社員になんて絶対になれないというような強情で自分勝手でわがままな人たち。でも芸には一生懸命で時にひどく人情深くなったりもする、上司にいたらとんでもないけど、外野から見ている分には魅力的な人たちです。團十郎(九代目)、菊五郎(五代目)、左団次(初代)、梅幸、雁治郎(初代)、仁左衛門(十一代目)。今活躍している役者さんたちの、先々代ってところですね。どの役者さんも著者の愛情あふれる文章でとても魅力的に思えてきます。特に食満南北が恩人だという梅幸の章は、読んでいてジーンとしました。

役者さんも裏方さんも、楽屋は人間同士のぶつかりあいで、イヤな事も多々あるのに、それでもお芝居の世界から抜け出せない。お芝居への愛情にあふれた本でありました。
やっぱりお芝居はいいなぁ。

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