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2009/07/23

『江戸暦女男九種』@鈴本演芸場

鈴本演芸場の7月下席夜の部のトリは五街道雲助師匠。『江戸暦女男九種(えどごよみいろのここいろ)』と題してネタだしの九席。初日、二日目と行ってきました。

 21日
   落語  歌奴 『豆屋』
   落語  扇遊 『蜘蛛駕籠』
  (仲入り)
   漫才  ロケット団
   紙切り 正楽
   落語  雲助 『品川心中』

 22日
   落語  百栄 『浮世床』
   落語  伯楽 『たがや』
  (仲入り)
   漫才  ロケット団
   紙切り 正楽
   落語  雲助 『お初徳兵衛』

初日は空席が目立ったけれど、二日目は半分くらいはうまっていたのかな。雲助師匠は、ほんとーにクセになります。合わない人はダメだと思うけど。

『品川心中』はどーしても映画の「幕末太陽傳」の印象が強くて(・・・というよりは、金ちゃんは小沢昭一以外に考えられない・笑)、雲助師匠の噺を聴きながら、頭の中では小沢昭一が動き回っていました。あー、うるさい!で、お染は左幸子だよなー。噺全体に漂う軽い感じが好き。

『お初徳兵衛』は初めて聴きました。この噺の前半、一部分を抜き出して別の噺に仕立てたのが『船徳』。なるほどー。
道楽が高じて勘当された大店の若旦那、徳兵衛。実家は夫婦養子をとったので徳兵衛が帰る家はもはやなく、居候していた船宿の親方に頼んで船頭になります。ある日、柳橋の売れっ子芸者、お初を舟に乗せて柳橋まで送っていく事になりました。そこへ夕立。岸へ舟をつけて雨宿りをしていると、お初は徳兵衛を中に呼び入れ、子供の頃から若旦那が好きだったと自分の気持ちを切々と訴えます・・・

いやー、参った。何が参ったって、雨宿りの情景の艶めかしい事といったら。これが最初で最後の機会と捨て身になっているお初。戸惑う徳兵衛。そこへ落雷。お初をぐっと抱き寄せる徳兵衛。うわー。そんじゃそこらのメロドラマより、よっぽど色っぽい。熱い空気が雨で一気に冷やされていくのも、川面を渡る湿っぽい風も、雨音も感じられて、一気にその場所に引きずられていきました。
こここ、これからこの二人はどうなるのだ!というところでおしまい。ずるい(^^)。これは、ながい噺の出会いの場面で、この後は心中ものになっていくらしい。

『お初徳兵衛』で印象に残った一節。もう帰る所もないし、いつまでもぶらぶらしているわけにはいかないから、船頭になりたいと熱心に頼む徳兵衛に、最初は断っていた親方も、最後は「ようがす。お店の帳場で銭勘定をするのも、船頭をしてわずかなお足を持って居酒屋で酒を呑むのも、生きる楽しみには変わりはござんせん」と言い切ります。こういう感覚が好きだなー。じゃないと、生きていくのが息苦しくなるもの。

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