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2009/04/19

東京おぼえ帳@ウェッジ文庫

20090419_
最近読んだ本の中で一番面白かった。
著者の平山蘆江(ひらやまろこう)は、都新聞、讀賣新聞の花柳演芸欄を担当した記者だそう。この本がまとめられたのは終戦で、昔の芸能記者の思い出話ってところなんでしょうが、これがまた格調高く、かといって気取ってもいない、とにかく面白くて一気に読んでしまいました。
思い出話の舞台は明治の終わりから昭和の初め。当時の芸能界というのは、歌舞伎界と花柳界で、登場人物は菊五郎、羽左衛門、左団次、梅幸・・・。花柳界といえば、柳橋、新橋、新興勢力の赤坂。役者の色恋沙汰といえば芸者が決まりで、素人さんは相手にしなかったということですね。
ちょっと見栄えのいい芸者だとすぐに旦那がつくし、どこの誰それは誰にひかされたとか、どういう旦那がついてるとか、公然の秘密になっているところも面白い。どの時代でもスキャンダルは人の気持ちを惹きつけます。いい女には常に男の影がチラチラ。
演芸についても書いてあって、私は特に娘義太夫と桃中軒雲右衛門についての一文を興味深く読みました。娘義太夫は「たれぎだ」といって、落語を聴いてると時々出てきます。「どーするどーする!」ってヤツです。「寝床」です(^^)。
当時の生活にもふれていますが、物価など、お金について書かれているところも興味深いです。
芸能、演芸、花柳界、ゴシップに風俗、物価。すでに社会人だった著者が実際に見聞きしたこと、経験した事を冷静に書き留めているので、当時の風景が生き生きと目に浮かんできました。

またこの本、漢字は新字に改められていますが、旧仮名遣いなのがいいです。読みづらいことなんて全然ないし、逆に旧仮名遣いの方が、実際の言葉遣いに沿っているように思うんですよねー。百鬼園先生の本なんて、絶対旧仮名遣いにすべきだと私はいつも思っているのですが・・・。

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コメント

あー、これ、昨夜東海道新幹線のグリーン車で読んだウェッジに紹介されていてすっごく気になってたんです。やっぱり買おうかな。

投稿: えり | 2009/04/19 19:02

この本、おすすめですよん。
登場人物がみんな生き生きとしていて、著者の愛情溢れる視線を感じました。単なる懐古趣味になっていないところにも好感をもちました(^^)。

投稿: あやこ | 2009/04/20 00:41

わ~、これ、読みたい!本屋さんに行こう!

百鬼園先生は、絶対に旧かな・旧漢字がいいです。今は
中公文庫くらいでしょうか、これを実践してくれて
いるのは。
あとは、前にもお話したとおり、旺文社文庫、
カムバーック!です。百鬼園先生の著作も多かった。
森茉莉、鴨居羊子(名著「のらねこトラトラ」)なども
入っていたし。ね~(^^)v

投稿: みうめ | 2009/04/20 21:03

みうめさん、こんにちはー。
「東京おぼえ帳」はおすすめなのですが、ウェッジ文庫を置いている書店が少ないので、地道に探してみてくれさいまし。

百鬼園先生は旧仮名遣いに旧漢字じゃないと、文章の味わい(=ひねくれぶり)が半減しますよねぇ。
旺文社文庫カムバーック!ついでにサンリオ文庫もカムバーック!!

投稿: あやこ | 2009/04/25 15:54

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