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2008/12/30

年忘れ市馬落語集@なかのZERO小ホール

25日。

  (開口一番)市也 『道具屋』
  市馬 『のめる』
  市楽 『真田小僧』
  市馬 『黄金餅』
  (仲入り)
  市馬 『大喜利 昭和歌謡大全集』

中野駅で降りるのも、なかのZEROという所へ行くのも初めてで駅前で少しうろうろしてしまう。開演間際に入場。市馬師匠のCDや登場している雑誌などが売られていて、千円の手ぬぐいを1枚買いました。

『のめる』のマクラで今夜やる『黄金餅』についてお話し。
今年の冬、同じホールで行われた談志師匠の会にゲストとして呼ばれたときのこと。二席目の高座へ向かう談志師匠が「これから『黄金餅』をやるけど、それはおまえのためにやるからな」とおっしゃったそうです。市馬師匠はあわてて、後ろの座席を少し空けてもらい「あたしも稽古だと思ったので正座して聴きました」。談志師匠は体調が悪かったので全部できずに所々(!)やったそうです。「途中でやめるんじゃなくて、所々っていうのがいいでしょ?でもその後、ここはこうでと説明を始めて、結局全部やったんですけど」。
その後、談志師匠の体調が悪くなり、師匠も忙しくなりと、談志師匠のOKはもらえずに今日まできたとのこと。「本来は、かけられないんですけど、今夜はあたしの会ですし、お客さまには鷹揚に構えていただいて・・・」今夜は『黄金餅』をやると。でも次回、どこかで『黄金餅』をかけることがあったら、それは談志師匠のOKがもらえたってことだそーです(^^)。

この日の師匠は珍しく緊張していて、『のめる』もちょっと上の空って感じ。
続いて出てきた市楽さんはながいマクラで間を持たせ、そして市馬師匠へ。

上野・下谷の裏長屋に住む念仏僧、西念は病気で死にそうになっています。隣りに住む金兵衛は、西念が食べたいという、あんころ餅をいっぱい買ってきてやりますが、西念はそれを食べるところを見られたくないと言います。気になった金兵衛、長屋の壁の穴からのぞき見をすると、なんと西念は懐から、今まで貯めた小銭を取り出し、それを餅の中に入れて食べ始めたのです。驚く金兵衛。餅を食べ終えた西念は息を引き取ります。金兵衛は、西念の腹の中に収まった大金を、何とか取り出せないかと知恵をしぼります・・・・

文章にするとものすごいですなー。実際イヤな話しなんであります。これからもっとすごくなる。その分、噺家の力量が試される噺でもあると思います。

・・・市馬師匠でも緊張するんだ・・・。初っぱなにミスがあって聴いてるこちらも背中に冷や汗。中盤の山場は下谷から麻布の寺まで棺桶(実は菜漬けの樽)を担いで行くところ。その道順の言い立てが聴かせどころです。ここは間違えずにクリア、客席の緊張もこれでとれたようでした。師匠も思わず「あたしも安心した」。
あとは、がんがんエンジンがかかって、麻布の貧乏寺の生臭坊主のヘンテコなお経、西念を火葬にしたあと、その腹を割いて銭を取る場面、それを覗こうとする火葬場のジジィに骨を投げつけるところ(ほんと、文章にするとスゴイなぁ)、引き込まれてしまいました。終われば満場の拍手。

師匠としては中途半端な状態だったのかもしれないけれど、私は噺が出来上がっていく過程をかいま見たような気持ちになりました。これを何度も高座にかけて修正し練って、自分の噺にしていくってところ。いつかどこかで師匠の『黄金餅』を聴くことがあれば、たぶん、この日の噺とは違ったものになってるんだろーし、変わっていないところもあるかもしれないし、そういう楽しみもあるなーと思いました。
帰宅後、夫にこの話しをしたら「市馬でも最初からうまいってわけじゃないんだなー」と言っていました(^^)。

仲入り後はお歌のコーナー。たっぷり1時間、歌いまくり。これで今年も終わりかー。いい落語にいっぱい出会えてシアワセだったなぁ。
会場で会ったH氏、梅薫庵さんとベラベラおしゃべりしながら中野駅まで。
その前に、出口でお見送りの市馬師匠に握手もしてもらったよん。

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