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2008/12/18

『雲助冬模様』七日目『鰍沢』

17日。演目は『鰍沢』。これだけは最初から見に行く予定でした。鈴本演芸場についたのは、これまでの二日間と同じ時間でしたが、すでにお客さんは結構入っていて、雰囲気も少し違っていました。最終的には後ろの席まで八割方うまっていました。

  落語 正蔵 『読書の時間』
  落語 市馬 『掛け取り美智也』(狂歌、喧嘩、三橋の旦那)
  (仲入り)
  漫才 ロケット団
  落語 馬石 『時そば』
  民謡漫談 柳月三郎
  落語 雲助 『鰍沢』

市馬師匠が出てくると声がかかります。そういえば、昨夜はお芝居のところで「播磨屋!」と声もかかったなー。今夜は最初っから『掛け取り』って感じ。でてくる時からお客さんが期待しているっていう雰囲気がいい。三橋の旦那が出てきて『掛け取り美智也』へ。楽しいのなんのって。扇子をマイクに見立てて「♪チャーンチャン」と前奏が始まると客席からは手拍子が。「私はそんな手にはのりませんよ。なんですか、ご近所のみなさんも手拍子なんかして」と言いつつ、扇子のマイクを渡されると歌い始めてしまう三橋の旦那。そのタイミングが絶品。いつまでも聴いていたかったです。
やっと聴けた師匠の『掛け取り美智也』。これで心おきなく年を越せます(笑)。

休憩時間にお手洗いへ行って席へ戻ったら、なんと隣りに夫が座っています。夫も雲助師匠の『鰍沢』が聴きたかったらしい。

馬石師匠の『時そば』も楽しく聴きました。すっきりとした印象の噺家さんです。

雲助師匠の『鰍沢』。身延線にこの名の駅がありますね。この落語の舞台もそのあたりで、身延山参りの帰り、吹雪で道に迷った旅人が一軒の小屋に助けを求めるところからお話しは始まります・・・。
雲助師匠が登場すると客席が一瞬、緊張しました。お芝居なら「ドンドンドンドン」と低い太鼓の音(雪の音)がずーっと響いているような舞台の中、雲助師匠は独特の調子を崩さず、寒くて白い冬の雪山へ私たちを誘っていきます。
旅人がたどり着いた小屋にいたのは、昔、吉原の花魁だったお熊。この女、絶対何かたくらんでると思わせる不気味さがありました。元は心の優しい娘だったのに今では表情を変えずに人殺しでも何でもしそうな、一筋縄ではいかない悪女になってしまった・・・といろいろ想像してしまうような。このお熊が、旅人を殺そうとして失敗、逃げ出した旅人を鉄砲を持って追いかけて行きます。その時のお熊は般若のような顔になって、昔話に出てくる鬼婆のよう。追いつめられた旅人の背後には猛烈な勢いで流れている鰍沢。なむさん!

びっくりしたのは、サゲが今まで聴いた(CDですが)『鰍沢』とは違っていて、座布団をはずしたかと思うと三味線と柝が入って、いきなり芝居仕立てになったこと。これがとてもよかったのです。『鰍沢』は好きな噺なのですが、サゲがどうもしっくりこなかった。そこまで雰囲気たっぷりに演じてきたのに、その一言でガラガラと崩れちゃうような感じで。でもこれなら、遠い国の、遠い昔のお話しで・・・と客席を噺の世界に引き込んだまま終われます。ほーんと、お芝居を見ているようでした。
マクラで雲助師匠が、『鰍沢』は圓朝作と言われているけれど、河竹黙阿弥という説もあって、自分はそっちの方が正しいような気がすると言った意味が最後にわかりました。

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