『私が選んだ映画たち』
来月、新文芸坐では『野上照代が選んだ映画たち』なる特集上映があるそーな。もし私が好きなプログラムを作るとしたら・・・退屈しのぎに考えてみました(^^)。1日二本立て月曜日から土曜日までってことで。
『人情紙風船』1937年 P.C.L. 監督:山中貞雄
『風車』1938年 東宝映画 監督:岸松雄
『洲崎パラダイス赤信号』1956年 日活 監督:川島雄三
『大阪の宿』1954年 新東宝 監督:五所平之助
『黄色地帯』1960年 新東宝 監督:石井輝男
『たそがれ酒場』1955年 新東宝 監督:内田吐夢
『淑女は何を忘れたか』1937年 松竹 監督:小津安二郎
『秋たちぬ』1960年 東宝 監督:成瀬巳喜男
『瞼の母』1962年 東映 監督:加藤泰
『なみだ川』1967年 大映 監督:三隅研次
『ある殺し屋』1967年 大映 監督:森一生
『ひとり狼』1968年 大映 監督:池広一夫
監督一人から一作というのを約束事にしました。
『人情紙風船』は、これを見なきゃ始まらないってことで。戦前、20代の監督がここまで完成度の高い映画を作っていたという驚き。河原崎長十郎が雨の中、呆然と佇むシーンは映画史に残る名シーンだと思います。翫右衛門がまたいいんだなー。
『風車』は、のほほーんとした味のある映画。参勤交代の列からはぐれてしまったお侍と旅の踊り子との恋模様。黒川弥太郎が人のいいお侍にぴったりだし、踊り子役の明日待子(新宿のムーラン・ルージュ出身)がかわいいんだわ。
『洲崎パラダイス赤信号』。洲崎(赤線)の入り口で営業している一杯飲み屋を舞台にダメダメの男と女のダメダメなおはなし。こういうのが「ドラマ」なんだと私は思いますです。新珠三千代のきれいなこと。
『大阪の宿』は東京から大阪に左遷されてきた男が下宿している宿を舞台にしたお話し。余計な説明はいっさいせず、でも見ているうちに登場人物に何があったのか、心の動きがわかってしまうのが、監督のうまさ。音羽信子がいい。
『黄色地帯(イエローライン)』。今から50年近く前に、こんなにシャープでおしゃれな映画があったってことを知ってほしーです。神戸のカスバのセットが見事。
『たそがれ酒場』。繁華街にある(新宿か渋谷か)大衆酒場の開店前から閉店まで。そこで繰り広げられる様々なドラマ。出演者はもちろん、演出がうますぎ。
『淑女は何を忘れたか』。桑野通子が出てるんで(^^)。
『秋たちぬ』。『あにいもうと』、『稲妻』とどれにするか迷いました。つまんないハッピーエンドじゃないところがよろしい。
『瞼の母』。これも沓掛時次郎とどっちにするか迷いました。でもなー。日本人ならやっぱりコレでしょー。「泣ける映画」が見たいならこの映画。オールセットでの長回し、ローアングルと、加藤泰の映像の魅力が堪能できます。特に浪花千栄子と錦之助のシーンは名場面です。
『なみだ川』は地味な映画だけれど、三隅研次監督の、そして主演の藤村志保の代表作だと思います。ダメダメの兄役の戸浦六宏がまたよくて。別に泣かそうっていう映画じゃないのですが、ラストで藤村志保が「兄さん!」と叫ぶシーンで見ている方も感情が一気にでちゃう。映画館で見たときは、年輩の男性が残らず泣いていました。
最後は市川雷蔵主演の映画で。すごく悩んだ(^^)。
『ある殺し屋』は時代劇俳優と思われている雷蔵が、実はスーツが似合ってサングラスも似合って、おまけにいい男でかっこよくてクールでインテリっていうのがよくわかる映画。余計なものを削ぎ落とした森一生の演出はかっこいいし、映像もきれいです。さすが宮川一夫。
最後の一本は、私の中では雷蔵の遺作である『ひとり狼』。
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