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2008/10/30

『忠次旅日記』@フィルムセンター

23日。フィルムセンターでは「大河内傳次郎と伊藤大輔」という特集上映の最中で、23日はサイレント映画『忠次旅日記』(1927年・日活大将軍)を弁士とピアノの伴奏付きで上映するというので、定時で仕事をほっぽり出して行きました。
雨が降っていたのでそんなに混んでいないだろうと思っていた私が甘かった。6時半でエントランスはすでに長蛇の列で、開演の7時を待たずして満員御礼となったようです。
入場を待つ列に並んでいたら「よぉ!」と声をかけられました。なんと夫の同僚の皆さん3人と遭遇。こういう事もあるのねー。何とか4人かたまって席をとることができました。

『忠次旅日記』は国定忠次を主人公にした三部からなる長い映画で、完全なフィルムは現存せず。1991年に第二部の一部、第三部の大部分が発見されて、今回はその上映となります。不完全とはいえど、欠落した部分は修復時に字幕でうまくおぎなってあるし、映画の完成度も高いので違和感はありません。また弁士の澤登翠さんもすばらしく、ピアノの伴奏もほどよくて、とてもいい上映会でした。終わったあとで拍手がわき起こりました。

さて『忠次旅日記』。傑作中の傑作と言われていて、でもフィルムがないので封切時に見た人しか知らないというまぼろし中のまぼろしの映画であります。落語だと「文楽が・・・」「志ん生が・・・」というような、お芝居だと「六代目が・・・」「九代目が・・・」というようなもんか。いくらスゴイと言われても、亡くなった人の事を言われても見られないでしょーがっ!というような。でも映画はフィルムさえあれば80年前の人と同じ思いを味わう事ができるもんね。

大河内傳次郎がいい男。顎の形がよくて、刀を手にした時の姿がいい。殺気があります。伊藤大輔の演出は時代劇なんだけれど現代的。ドイツやフランス映画を見ているような気持ちになりました。カメラワークもシャープで冴えわたっています。それに御用提灯が出てくるところは、やっぱり伊藤大輔(^^)。
お話しは、今や公儀から追われる身となった忠次の破滅への逃避行。エピソードの積み重ねですが、その一つ一つに見どころがあります。一度は捕らわれるも、子分の力で救い出され、中風ですでに寝たきり状態の忠次を子分たちが戸板に乗せて国定村へ帰るシーンなどはもう涙。最後は仲間の裏切りにあい捕り方に追いつめられていきます。必死に抵抗する子分たち。愛刀「小松五郎義兼」を手にした忠次はもはや動く事ができず、愛妾、お品と共に縛につきます。かっこよく動き回る忠次ではなく、病み衰え、苦しむ人間忠次を描いていました。この第三部を見ると、立ち回りがすさまじく、もっと元気な忠次を描いているという第一部や、第二部も見たくなりました。どっかから出てこないかな。

見終わったあと、食事をしようと、4人でフィルムセンター裏の『きむら』なる小料理屋へ。「とりあえずここでいいかー」と入った店で、それが大当たり。少し敷居が高そうな店ですが、お値段手頃でお食事はどれもおいしく良心的。特にロールキャベツは絶品。
古くさい映画の話しをしているうちに夜は更けていきました。

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コメント

フィルムセンターは毎年無声映画のイベントがあって楽しいですよね。ここで伴奏する方は柳下美恵さんをはじめみなさんピアニストとしてもトップレベルな方なので、その場の雰囲気に応じて臨機応変に演奏しちゃうんです。来年はまた私の師匠も出てくれないかな、と思ってます。

投稿: えり | 2008/10/30 09:58

そうそう。以前、えりちゃんの師匠がフィルムセンターに出るってはなし、聞いたなぁ。

弁士&伴奏付きの映画鑑賞は初めてでした。映画の伴奏は出すぎてもダメだし、雰囲気を作るくらいに聞こえないといけないし、弁士との間合いもあるだろうし、映画の内容とズレちゃいけないし、ホント、難しいでしょうね。
今回の会が結構よかったので、また機会があったら行ってみようと思ってます。
えりちゃんの師匠が出演される時は教えてねん。

投稿: あやこ | 2008/10/30 23:48

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