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2008/10/23

『師匠噺』浜美雪

20081023_
ふにー。お仕事忙しくお疲れでございます。最近読んだ本のはなし。

・『師匠噺』浜美雪

市馬師匠は時々マクラで、師匠・小さんの話しをすることがあります。それは内弟子だった前座時代のことがほとんどで、怒られたこと、うれしかったこと、旅先での思い出などなど。穏やかな言葉の端々に、師匠に対する深い愛情が感じられて、ぼやぼや聴いていると、何となく暖かい気持ちになります。と同時に、一般的に思い浮かべる師弟関係よりもっと濃厚で、とてもじゃないけど外部の人間が立ち入るなんて事ができない不思議な世界が思い浮かびます。
『師匠噺』は、そんな落語家の師弟関係を「弟子が語る師匠」という視点から読み説く聞き書き本であります。鶴瓶→松鶴、喬太郎→さん喬、白鳥→圓丈、市馬→小さんと、全部で12組。

そもそもは、会社帰りにふらりと寄った書店で見つけて、市馬師匠が出てたから、そこだけ立ち読みしよっと読み始めたら、うるっとしてしまって、こりゃイカンとはずみで買ってしまったのです。きちんと読んでみたら面白かった。

どの噺家も入門する時点から結構ドラマ。入門してからもこれまた大変で・・・というのは外からの視点で、当の本人は一生懸命。あの時は・・・とふり返って思うものなんでしょ。鯉昇師匠がアル中の小柳枝師の面倒をみてえらい苦労をしたなんて全然知らなかった。

そして皆に共通しているのは「師匠にはかなわない」という気持ち(でもその師匠だって以前は弟子だったわけで、弟子としてはやはり「師匠にはかなわない」と思っていたのだろうし。なんだか無限地獄だなー)。師匠に対する愛情と尊敬がない交ぜになったような師弟関係そのものが噺家になる修行なんだとしみじみ。

この本を読んでいたら、関容子さんが書いた『虹の脇役』という本の事を思い出しました。こちらは歌舞伎の脇役さんのはなし。
落語は本人次第で出世して、将来は大看板に・・・って道があるけれど、歌舞伎の場合は脇役は脇役。それでも芝居が好きで師匠が好きで好きでたまらない人たちが、これまた「愛」としかいいようのない思いで日々舞台に立っているのだと思うと、スタイルは違うけれど、落語とお芝居とどっか通じる部分があるような。

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