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2008/07/14

『小説 圓朝』正岡容

あつい。パソコンの前に座っているだけで暑い。我が家のリビングはTVにスカパーのチューナーにDVDデッキに夫と私のパソコンが2台動いているので、電気でむんむん。あまりの暑さに何もする気がしない。お天気がよかったので、出かけようかとも思ったのだけれど(見ておきたい展覧会がいっぱいあるのだ)外の様子を見ているだけで体が動かなくなってしまった。うへー。

暑い暑いといいつつゴロゴロしながら、正岡容『小説 圓朝』(河出文庫)読了。三遊亭圓朝は幕末から明治の始めにかけて活躍した落語家で『芝浜』『文七元結』『牡丹灯籠』『真景累ヶ淵』などなど、今も高座にかけられる噺を創作した大名人らしいです(聴いたことないのでわからん)。雑誌の落語家列伝みたいなコーナーではまず最初に挙げられる人であります。
正岡容の『小説 圓朝』は、散々な回り道の末、やっと落語家への第一歩を踏み出した圓朝が、厳しい世界の中でもがき苦しみながら、やがて人気の噺家になるまでを描いたもの。圓朝の青春期って感じ。
正岡容は圓朝が好きで好きでたまらないんでしょう。その気持ちが文章の中に溢れていて、それがテンポよく語られていくので面白くて一気に読んでしまいました。このテンポのよさは、流れ流れて上方で落語家にもなったという正岡容の経験が反映しているのかも。読んでいるうちに私も小説の中の圓朝のファンになりました。
別の本の桂米朝と藤山寛美の対談で、寛美が、正岡容の小説は今でも芝居に出来る。なぜなら人間を書いてあるからで、今の小説は時代を書いてあるから時代が変わったらやれないと言っていて、なるほどなーと思いました。正岡容の小説はいま読んでもじゅうぶんに面白いです。
この本の解説は正岡容の弟子であった桂米朝が書いています。そこにあった「辞世のような歌」。

 打ち出しの 太鼓聞こえぬ真打は まだ二三席やりたけれども

うーん。いいなぁ。

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