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2008/07/20

宮脇俊三と鉄道紀行展@世田谷文学館

早めに行っておかないと行きそびれちゃうーってわけで、世田谷文学館で開催中の『宮脇俊三と鉄道紀行展』に行ってきました。ここ。亡くなってもう5年が過ぎたんですね。

私は編集者時代の宮脇さんに興味津々。有能な編集者というのは何となく知っていましたが、中公新書の『宦官』『アーロン捕虜収容所』、確かうちにもあったよなー(全巻ではないですが)と記憶の底に残る『日本の歴史』などなど、私の身近に宮脇さんの存在があったんだと気が付いたのは発見でした。『婦人公論』の編集長時代の写真で見る宮脇さんは本当にいい男で(^^)、作家になってからの少し枯れた印象とは全然ちがう、敏腕編集者の姿でした。また北杜夫の著作から、二人の付き合いの深さは知っていましたが、マブセ共和国の紙幣やら賞状やらの本物が見られたのは、北杜夫ファンとして思わぬ収穫。

作家になったのは50歳を過ぎてからなんですね。乗りつぶし、片道切符の旅、廃線跡探訪など、それまで趣味として楽しんでいた人はいたのでしょうけれど、それを一つのジャンルとして確立させた功績は大きいなぁと改めて感じました。
原稿や取材メモから、宮脇さんの几帳面な性格をうかがうことができました。白地図に乗車した路線を引き、その余白にきっちりとした細かい文字で何やらびっしり書き込んであるのを見ていたら、何となく伊能忠敬の伊能図を思い出しました。全線完乗の地図と伊能図。共通するところがあるのかも。最長片道切符の自作の地図もよかったです。

夫が宮脇さんのファンなので、我が家にはあれこれと宮脇さんの本がたくさんあります。それを適当につまみ読みしているので、いつの間にかほとんどの著作は読んでいたような。ただし海外物は除きますが。
で、やっぱり私の中でこれは!と思う本は『時刻表昭和史』だなーと再認識。乱暴にまとめれば「鉄道少年だった宮脇さんの自分史」ってとこですが、単に「自分の」事を書いているのではないのがスゴイところ。昭和初期の中流家庭の生活、そして世相が見事に描かれています。で、クライマックスは昭和20年8月15日正午の出来事を書いた一編。文学史に残る文章だと思うがなー。

見応えがある展覧会でした。宮脇ファンは必見です。入り口でもらえるチラシ(というよりはパンフレット?)には「時刻表2万キロ」の完乗地図が見開きで載っています。もらって帰るのをお忘れなく。

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コメント

 内容のある展覧会だったようですね。 私も会期中に一度京王線に乗って芦花公園へ行こうと思っています。 「時刻表2万キロ」は今でも卓越した秀作だと思っています。

投稿: しみず | 2008/07/20 19:44

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