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2008/05/27

女系家族@神保町シアター

今夜は映画。いつもの時間に行くと人がいっぱい。若い女性の姿もちらほら。席は7,8割方うまっていました。なんで?

1963年・大映。スカパーで何度か見ていますが、映画館で見ると迫力が違います。
船場の大店の主人が亡くなり、残された遺産をめぐって姉妹3人が欲とエゴを剥き出しにします。中でも一番キリキリするのは出戻りの総領娘(京マチ子)。そこに父親が長年世話をしていたという女性(若尾文子)が出てくるわ、遺言の執行人である大番頭(中村雁治郎)も何やら陰でコソコソやっているわ、長女に取り入って遺産の分け前をもらおうとする踊りの若師匠(田宮二郎)、末っ子の後見人になり遺産を狙う叔母(浪花千栄子)と、筋だけでも滅法面白いのに、出てくる役者がこれまた一癖も二癖もある人ばかりで、画面からうける迫力がTVとは段違い。画面が狭い狭い。そして怖い。浪花千栄子と中村雁治郎のすっとぼけぶりも並みの役者じゃ無理だわねー。そして若尾文子の美しさといったら。

原作は山崎豊子。監督:三隅研次。脚本:依田義賢、撮影:宮川一夫、美術:内藤昭、照明:中岡源権という大映京都のスタッフが脇を固めています。監督の三隅研次は、私の好きな映画監督の一人。撮影所でプログラムピクチャーを撮りまくった映画職人であります。プログラムピクチャーとバカにするなかれ。『女系家族』もそうだけれど、面白くていい映画がいっぱいあるんだよねー。
三隅研次と宮川一夫はウマが合わなかったというような話をどっかで読んだ記憶があります。本当かどうかわからないけれど確かにコンビを組んだ映画は少ないかも。三隅研次は、どこか泥臭いところを感じるので、そこが合わなかったのかなーと勝手に想像しています。私はこの映画のカメラは品があっていいと思いました。昭和30年代の大阪の下町の風景も、今となっては貴重です。

映画の最後で総領娘がフッと我に返るシーンがとてもよかったです。次女には夫がいる、末っ子には後見人の叔母がいる、お妾には子供がいる、で、私には? 家柄や格式や財産の分け前や、そういうものに頼らざるを得ない事へのむなしさに気が付いた総領娘の姿がいいのだ。京マチ子が実にうまい。彼女のような、なにわ言葉も聞けなくなりました。
いい気分で映画館を出ました。

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コメント

見た、見た、見ました!一年前のユーロスペースにて。
山崎豊子の船場もの、好きなんです。小説も(^^)

田宮さんの踊りの師匠がうさんくさくて、雰囲気出ている。
二人がともに過ごす部屋、倒れこんだ足元には
なつかしい電気ストーブがあったのが、思い出されます。

投稿: みうめ | 2008/05/28 18:22

みうめさま:
山崎豊子って息の長い作家ですよねぇ。

>>田宮さんの踊りの師匠がうさんくさくて、雰囲気出ている。

そうそう!ストーブも気がつきましたよ。我が家にも同じのがありました。
登場する役者さんが一人一人個性的で、しっかりしていて、話の筋はドロドロなのに、妙にカラッとしていて、本当に面白い映画でした。

投稿: あやこ | 2008/05/31 10:40

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