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2008/03/17

今月のお芝居@歌舞伎座

どう考えても平日は休めない。16日はどうかと聞いてみたら席がとれたので、そそくさと行ってきました。歌舞伎座夜の部です。
演目は以下の通り。

  御存 鈴ヶ森(すずがもり)
  京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)
  江戸育お祭佐七(えどそだちおまつりさしちり)

お楽しみは『鈴ヶ森』。去年、談春の落語で『鈴ヶ森』を聴いて以来(これがよかった!)お芝居にかかったらぜひ見てみたいと思っていたのです。
お尋ね者の白井権八を捕まえて報奨金を手に入れようと大勢の雲助が通りかかった白井権八に挑みますが、バッタバッタと斬り倒される。それを見ていた江戸の名高い侠客・幡随院長兵衛(ばんずいいんちょうべい)が感心し、彼の後ろ盾となる事を申し出て別れるという、それだけのお話しなんですが、立ち回りや、白井権八と幡随院長兵衛とのやりとりなど、見ていてとても楽しいお芝居でした。

今回は前髪立ちの若侍(歳の頃なら17,8)という白井権八を80歳の芝翫、幡随院長兵衛を78歳の富十郎という配役。どんな風になるのかなーと思っていましたが、これまた歌舞伎らしいというか、こってり・じっくり・たっぷりとしか言いようのない大きなお芝居でした。アンコたっぷりの豆大福を食べたような感じ。白井権八と幡随院長兵衛が出会う場面の緊張感はすばらしかったです。三味線の音色が実に効果的に使われていて、この感覚の鋭さには感心してしまいました。雲助役に左團次、段四郎、彦三郎といった役者がちょこっと出ているのもお楽しみです(歌舞伎ではこういうのを「ごちそう」というそうです)。

坂田藤十郎喜寿記念と銘打たれた『京鹿子娘道成寺』は「押し戻し」までの完全上演。実はわたくし、舞台で道成寺を見るのは初めてでございます。TVで見たことはありますが、なんでこれが人気があるのか全然わかりませんでした(すいません)。でも今夜みて前言撤回。こんなに面白い舞台はないと思いました。

安珍清姫の後日談です。道成寺に新しく出来た釣り鐘を見せてくれとやってきた白拍子の花子(籐十郎)。小坊主たちは女人禁制の寺なれど舞を奉納してくれるのならと入山を許します。花子は鐘の前で舞を披露しますが、実は花子は清姫の亡霊だったのです。やがて蛇体となる花子。そこへ大館左馬五郎照剛(團十郎)がやってきて、花子を鎮めるのでした・・・というストーリーなのですが、これは大して必要な事ではなく(ストーリーは踊りのきっかけでしかないのだ)、純粋に目の前に繰り広げられる世界を楽しめばいいんだなーというのが舞台をみてわかった次第。

花子の踊りの合間合間にホッと息を抜けるようなシーンが挟み込まれているので(小坊主たちの滑稽な踊りとか)、かえって見ている方の緊張感が持続します。舞台はもちろん、花子の衣装もすばらしく、引き抜き(舞台上で一瞬にして着物がかわる場面)も楽しい。籐十郎はとても喜寿とは思えないかわいさです。1時間以上出ずっぱりなのに息も上がらず体もぶれず、最後まで迫力満点で見応えありすぎ。いつまでも見ていたいと思いました。最後に出てくる團十郎の大館左馬五郎照剛も、何もそこまで派手にせんでもよかろう・・・と思っちゃうほどの荒事らしい姿と芸で華を添えました。
こういう舞台を見ると、他の役者の道成寺も見てみたくなります。歌舞伎の面白いところは、同じ演目を違う役者がどう演じるか、同じ役者がどう成長していくかを見ていくところにあります。見る方も息の長い事であります。

最後の『お祭佐七』は世話物で軽く。見ている方も少し疲れているので。こちらも菊五郎が奮闘していました。菊五郎の相手役、芸者・小糸を演じた時蔵がきれいだったなー。時蔵って結構好きなんだよねー。

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コメント

昨日の夜の部を観てきました。道成寺は何回か観ていますが、藤十郎さんの花子は初めてでした。喜寿なのにお若くてかわいらしさもあって。素晴らしかったです。
そういえば玉三郎さんの道成寺、DVDで持ってます。菊之助さんとの二人道成寺もDVDにしてくれないかなぁなんて思っておりますが…。
お祭佐七を観て思ったんですけど、世話物ってやっぱり好きだなぁと。わりと好んで観る傾向があります。

来月は前売開始日にチケットを確保し、もう手元に届いております(笑)昼夜迷いましたが昼にしました。勧進帳もいいけれど、刺青奇偶に目が行ってしまいましたね。

投稿: 梓弓 | 2008/03/23 17:09

梓弓さん、こんばんは。

道成寺は本当によかったですねー。プリプリとはちきれんばかりのかわいらしさがあって、衣装もド派手の上に豪華で、いま思い出しても夢を見ているようなひとときでした。また見たいなぁ。

来月の歌舞伎座。行くなら私も昼の部かしらん。時蔵の八重垣姫を見てみたいのです。『勧進帳』も興味津々なんですけどねぇ。

投稿: あやこ | 2008/03/27 01:31

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