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2008/03/12

『赤西蠣太』@神保町シアター

さっさと仕事を終わらせて古くさい映画を見てきました。神保町シアターで『時代劇罷通る!』なる古くさい時代劇映画の特集をしているのだ。ここ。全部見たいくらいなんですけどねー。そうもいかず。
今夜は昭和11年制作の千恵蔵プロの『赤西蠣太(かきた)』でございます。監督は伊丹万作。見たかったんだー。伊丹万作の映画を見るのは初めてかも・・・って、現存しているのは何本くらいなんだろ。

伊達騒動を背景に、原田甲斐一派の動向をさぐるべく間者となった赤西蠣太(片岡千恵蔵)が主人公。ゲジゲジ眉毛のさえない男で、これが千恵蔵かー?とびっくり。腸捻転をおこして、あまりの苦しさに切腹して自分でねじれを直しちゃうなんつーエピソードを入れながら、中身はしっかり時代劇。

登場人物に魚介類や海に関する名前がついているのも楽しい。赤西蠣太と同じ間者の青鮫鱒次郎とか入船屋鯖右衛門、角又鱈之進(脇役の志村喬!)。按摩の安甲(アンコウ)があんこう鍋を食べてベロベロに酔っぱらうシーンもありました。この安甲が上山草人!味ありすぎ。

原田甲斐は千恵蔵の二役であります。こちらはグッと男前。最後はお芝居の「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の『刃傷』の段となって、千恵蔵は仁木弾正の姿で柴田外記に斬りかかります。この千恵蔵が抜群にかっこいい。型の美しさで魅せます。
このあたりは、説明らしい事が何もなく話しがすすんでいきます。いちいち説明しなくても、当時の観客には、わかったって事ですね。

主人公の我らが(?)赤西蠣太は、間が抜けているんだか抜けていないんだか、とにかく無事に騒動を切り抜け、最後はお屋敷でカワイイと評判だった奥女中の小波(さざなみ)嬢とめでたしめでたし。

映画全体にただよう何ともいえない「間」がたまりません。のほほんとした雰囲気があるのです。黒沢明の『椿三十郎』につながるような。見終わった後も気持ちがいいのだ。映画自体が持っている若さが、いい勢いになっています。
こういう映画を見ると、映画の進歩というのは何なんだろうといつも思います。70年以上たって、技術は進歩したかもしれないけれど、「映画的」なものは進歩したんだろーか。

来週は山中貞雄の『人情紙風船』をやるんだよねー。映画で見てみたいなぁ。阪妻の『月の出の決闘』も見たいし。最終週の中村錦之助の『沓掛時次郎』は必見でございます。加藤泰の名作。

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コメント

えっ!
昨日、いらしたんですか?

私も、昼の『歌ふ狸御殿』にいってたんです。
そのときに、夜の『赤西蠣太』もみたいなー、とか思いつつ
時間がなくて断念。
レポートを拝見すると、無理しても見ればよかったと・・・

『歌ふ狸御殿』は、その昔母が観て、
宮城千賀子さんが素敵だったといっていたので、
一度見てみたいなと。

当時の美男美女の基準がわかって面白かったです。

投稿: じゅぴたー | 2008/03/12 09:43

まー。じゅぴたーさんも神保町シアターに行ってらしたんですか。時間差ニアミスでしたねー。
この映画館は会社から行きやすいので、仕事帰りに行くにはぴったり。あと、2,3本は見に行きたいなぁと思っています。
『赤西蠣太』はおすすめです。映画全体にただよう、何とも言えない「間」が楽しいです。原作は志賀直哉とか。読んでみたいです。(図書館で探したけど、見つけられなかった)

>>宮城千賀子さんが素敵だったといっていたので、

ちょっと調べてみたら、晩年は「独占!女の60分」に出演していらしたようですね。この番組、ばーちゃんが見ていたけど、当時の私はそれを横目で見ているだけでした。どんな方だったのか思い出せず。

投稿: あやこ | 2008/03/15 19:33

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