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2008/03/05

古い日記帳

義母の遺品の中に、ふるーい日記帳がありました。15年前に亡くなった義父のものをそのまま持っていたようで、義父の一番上のお兄さんの日記帳でした。表紙には1933年とあるので、75年前のものです。

義父は6人兄妹です(義父は末っ子)。長男のY伯父は家族から頼りにされていたそうですが、体を悪くして昭和16年、28歳で亡くなりました。「生きていてくれたら」といろんな人から聞くので、本当に立派な方だったんだと思います。

日記帳は伯父が二十歳の時のものでした。当時、実家からそんなに遠くない町中にある呉服屋に住み込みで働いていたようです。家庭の事情で上の学校には行けなかったときいていますが、それでも字はきれいだし、文章もしっかりしています。夫と少し読みながら、「まるで小説みたいだなぁ」とつぶやいてしまいました。

たぶん、お給金もそんなにもらっていなかったのでしょう、床屋にいったり具合が悪くて医者にかかるときは、旦那や若旦那からお金を借りて行ったようです。使った分は経費として認めてもらって、おつりを返していました。大晦日も明け方まで働いているし、お休みもそんなになかったようです。
「床屋に行きたい」と若旦那に言ったら「行ったばかりじゃないか」と床屋代をもらえなかったけれど、前回からもう一ヶ月もたっているのに!と文句が書いてあったり、床屋の事がよく出てきます。「床屋へ行く」というのが息抜きになっていたのかもしれません。
お盆に実家に帰るのが楽しみで、でも実際に帰ってみると、両親はぐあいが悪いと寝ているし、ご馳走が出るわけでもなく、家の中が陰気で気持ちがくさくさするので、ボロボロの自転車を出して旧友に会いに行き、町まで出てぐるりと一周して帰ってきた、なんて、このままで短編小説になりそうです。

義母の法事の精進落としの席で、義父のすぐ上の兄であるT伯父と、Y伯父の話になりました。T伯父も「Y兄さんは本当に尊敬する」と話していたので、夫と相談して、この日記帳をT伯父にもらってもらう事にしました。兄妹で存命なのはT伯父だけになってしまったし、何しろ戦前に亡くなっているので、実際にY伯父の事を知っているのも今ではT伯父だけなのです。知っている人に読んでもらって、持っていてもらった方がY伯父も喜ぶと思います。

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コメント

巻末に、ローマ字で記してあるページがあり、「なぜ俺だけ酷使するのだ。俺を恨んでいるのか・・」など、旦那様、若旦那に読まれたら困ると思われることを書いてありました。
昔は、優秀な人でも家が貧しければ小学校卒業後から奉公に行かなければならなかった。

1月1日から大晦日まで毎日書いてあることに感心する私とはレベルが違うようです。

投稿: スカユ | 2008/03/06 00:19

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