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2007/12/15

社会人のための文楽鑑賞教室『伊賀越道中双六 沼津』

20071215_
昨夜は文楽を見に、またまた国立劇場へ。T嬢と一緒に行ってきました。
平日の夜に開催されるこの鑑賞教室、7日と14日の二日あったのですが、チケット発売日の昼過ぎに電話をしたら、なんと7日は売り切れ。14日のそれも後ろの席をなんとか取る事ができました。東京で文楽のチケットは取りにくいと聞いてはいたのですが、これほどとは。
小劇場での公演なので客席数が少ないせいもあるのでしょうけれどちょっと不思議。だって、まわりで文楽のはなし、あまり聞かないもの。隠れファンが多いってことか。
なにはともあれ盛況なのはいい事であります。

文楽を見るのは20年ぶりぐらい。一番最初に見たのは、いまはなき道頓堀の朝日座で、通し狂言「奥州安達ヶ原」でした。雑誌(たぶん『ぶがじゃ』)のプレゼントで当たったのだ。前の方の結構いい席でした。立ち回りでポカッとやられた敵役の頭がパカッと割れて目玉がぎょろぎょろするのがおかしかった。始まる前の口上も雰囲気があっていいですね。いろいろ思い出しました。

演目は以下の通り。
  寿柱立万歳
  解説(義太夫節について、人形の遣い方、「伊賀越道中双六」の簡単な紹介)
  伊賀越道中双六(沼津の段)

本日のメインイベントは『伊賀越道中双六 沼津の段』であります。「伊賀越道中双六」は決闘鍵屋の辻を題材にしたもの。

沼津の宿で雲助・平作と出会った呉服屋十兵衛は、平作の家に泊まります。そこで平作が幼い頃に別れた実の父、娘・お米は妹であることを知ります。が、お米は十兵衛がかくまう沢井股五郎を仇とねらう、和田志津馬の妻でありました。自分が息子であり兄であることを告げず、お金だけを置いて去る十兵衛。彼が我が息子であり、股五郎をかくまっていることを知った平作は、まだ薄暗い中を飛び出していきます。そして千本松原で十兵衛においつき、どうしても股五郎の居場所を知りたいと、ある行動に出ます・・・

最後の10分のために、このお芝居はあったのね。
十兵衛の刀で自分の腹を突き抜けば、十兵衛は股五郎への義理がたつ、親子の情で十兵衛が股五郎の居場所を教えてくれれば、お米の夫は本懐を遂げられる。それが平作が考えられる父としてできる精一杯のことであり、それに気が付いた十兵衛は義理も何もかも放りだして父親を抱きしめます。ここで初めて父と息子は親子の情を交わすのです。最後の最後に泣かせてもらいました。くそー。

押さえつけて押さえつけてきたものが、最後の最後に一気にあふれ出してしまう。そこに作者の言いたいことが隠されているように思えるし、お芝居って、その一瞬のためにあるものなのかなーとも思いました。もちろん、最後にいたる道筋が、きちんとできていなければ感動も薄くなるわけで。今でも人気のある演目っていうのはホント、よく出来てる。
昔々に書かれたものが、現代でもこうして生きているというのが不思議。昔の人も泣いたであろう同じような所で現代人も涙するのも不思議。
文楽も面白いものであります。

で、この「沼津」、歌舞伎にもなっておりますね。見ている途中で気が付いた。そちらは見た事がありませんが、来年から見てみようかと思っているスカパーの歌舞伎チャンネルで、放送されるんですなー。十七世勘三郎と二世鴈治郎。昭和48年の歌舞伎座公演。やっぱ来月から契約しよ。

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