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2007/12/30

今年読んだ本。

私は読むのが遅いし、読書タイムは通勤時間が主なので、読書ペースは月に4,5冊ってところ。

今年見始めたお芝居をきっかけに、戸板康二の本を何冊か読みました。最初は『歌舞伎への招待』。歌舞伎独特の「約束事」を説明しつつ、間にいろんなエピソードをまぶしてあって面白く読みました。またタイミングよく創元推理文庫から中村雅楽の探偵小説集が出たので、これも勢いで読み始めたら面白くて。お芝居の世界が舞台になっているので、「あのお芝居」「この役者」とわかってくると楽しみも倍増。深い教養に裏付けされた文章は説明くさくなく、とても読みやすいです。

昭和30年代がもてはやされておりますが、当時の時代の息づかいを感じさせるルポルタージュが開高健の『ずばり東京』。見下ろすでもなく、見上げるでもなく、自分の視線で語る文章は熱く、開高健の世界についつい引き込まれてしまいました。
最近の光文社文庫は興味深い本がいろいろ出ていて注目。鮎川哲也も初めて読みました。『早春に死す』なる鉄道がらみの推理小説集。

『八代目 坂東三津五郎の食い放題』。食通で知られた人なので、どんなお店のどんな料理が出てくるのかと思いきや、ここに書かれているのは「旬の素材をつかって心を込めて作る」料理の大切さと、おもしろさ。それこそ一番の贅沢だといいます。ま、それには幼い頃から一流のものを口に入れていたっていう下地があるわけですが。これを読んでいるとお料理がしたくなります。八代目が生きていたら、ついこの間の日本版ミシュランの騒動など、どう感じるのでありましょう。

時代小説は主に図書館で借りて読みました。山本周五郎、池波正太郎の短編をいくつか。その池波正太郎の短編の中に、新陰流の開祖、上泉伊勢守を書いたものがありまして、それがきっかけて群馬県の古城をネットで調べている中で見つけたのが遠藤周作の『埋もれた古城』なる本。古城好きの遠藤周作が『旅』に連載した紀行文を一冊にしたもので、今は『切支丹の里』と一緒になって『日本紀行』なる題名となり、知恵の森文庫から出ています。
で、『日本紀行』がものすごくよかった。今年読んだ本の中ではベストかも。
わかりやすい文章もさることながら、著者の根っこにある思想がにじみ出ていて、読んだ後に静かな感動が残ります。

人とのおつきあい同様、本にも出会いがありますね。本が本を呼ぶっていうのか。書店でみかけて「ビビビッ」と何かを感じる事も多々(そういう本や作者は、長い付き合いになること多し)。来年もいろんな出会いができればいいなーと思うのでした。

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