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2007/12/11

『幕末太陽傳』@新文芸坐

昨日はサッサと仕事をすませて、脱兎の如く会社を抜け出し池袋の新文芸坐へ。『幕末太陽傳』を見てきました(1957年・日活)。川島雄三監督の代表作であります。

TV画面では何度も見ているけれど、映画館で見るのは初めて。やっぱり映画は映画館で見るのに限りますね(当たり前だけど)。TV画面ではわからない細かなところがよく見えます。品川宿や「土蔵相模」のセットがすばらしいし、画面に奥行きがあるし、陰翳もあるし、当時の風俗を演出にうまく生かしているし、「こんなにいい映画やったんかー」と再認識いたしました。それに配役のいいこと。
主人公のフランキー堺はもとより、左幸子、南田洋子、山岡久乃、金子信雄、西村晃、熊倉一雄、殿山泰司、菅井きん、岡田真澄、石原裕次郎・・・。役の性格がはっきりしているので、会話や動きにテンポがあって、みていて気持ちがいいです。そして何と言っても金ちゃん役の小沢昭一が最高!川島映画の小沢昭一って、どの役もすごーくいいね。大好き。

落語の「居残り佐平次」がお話しの下敷きになっています。品川遊郭の「土蔵相模」に居残りを決め込んだ佐平次が持ち前の世渡り上手を生かして、やがてなくてはならない存在になっていくのですが・・・ってはなし。そこに「品川心中」など落語のネタをエピソードに交え、時には芝居っけたっぷりにお話しがすすんでいきます。板頭を張り合う二人の遊女、吝嗇家の主夫婦、英国公使館の焼き討ちを計画する長州藩士たち。いろんな糸がからみあって、最後は佐平次が逃げ出しておしまい。

猥雑で騒々しくて(うるさいぐらい)露悪趣味があって、そして悲しい。人前では調子よくふるまう佐平次が一人になったときに見せる表情の陰惨なこと。労咳の自分自身をわざと見ないようにしている佐平次が一番恐れているのが自分自身の死であって、それから逃げるように走り去るラストシーンの佐平次は、実は川島雄三自身ではないかしらん。犬や猫の死骸、墓場など「死」を思い起こさせるシーンの中で感じる生への執着。

何はともあれ鬼才・川島雄三。

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