« 「傾城反魂香」@歌舞伎座 | トップページ | 今夜は玉椿 »

2007/11/26

書を持って旅にでよう。

20071126_
朝晩の通勤タイムは私の読書タイムであります。読む本がなくなってしまったので、食卓の上に放りだしてあった百鬼園先生の『立腹帖』を持って家をでました。
2002年の秋から2年かけてちくま文庫から出た内田百けん集成の第2巻。百鬼園先生の鉄道に関する随筆を集めた一冊です。
このシリーズはほとんど持っているけど、中でも一番のお気に入りがこの本かも。どれも好きな随筆ばかり。

子供の頃、二里の道のりを自転車をこいで田舎の小さな駅まで行き、通過する優等列車を見て帰ったという、ただそれだけの話し『通過列車』、食堂車での出会いを書いた『車窓の稲光り』、「ノラや」の後日談でもある『千丁の柳』、そして鉄道80周年の記念日に一日東京駅長となった百鬼園先生が駅員に訓示をし(これがケッサク)駅長として「はと」を出発させるという仕事を放りだして自分が「はと」に乗って熱海まで行ってしまうという『時は変改す』などなど。

先生は言います。

「第三列車「はと」は、私の一番好きな汽車である。不思議な御縁で名誉駅長を拝命し、そのみずみずしい発車を私が相図する事になった。汽車好きの私としては、誠に本懐の至りであるが、そうして初めに、一寸微かに動き、見る見る速くなって、あのいきな編成の最後の展望車が、歩廊の縁をすっ、すっとすべる様に遠のいて行くのを、歩廊の端に靴の爪先を揃えて、便便と見送っていられるものだろうか」

・・・・そんな事できないよねぇ(笑)。

「夏初めの晩に(略)神戸行きの一二等急行に乗った。自分の座席に落ち着いて、その儘汽車が走り出したのでは物足りない。一たん掛けた席から又起きあがり、車外に出てどんな格好の機関車が引っ張るのかを見て来る。機関車の所から、見送りの人人で混雑する歩廊を伝って幾台もつながった列車の横腹を見ながら最後尾まで行ってみないと気が済まない」(先年の急行列車)

「汽車の旅で一番楽しいのは、ホームの長い大きな駅を、自分の乗っている列車が音もなく動き出して段段に速くなって行く瞬間である」(千丁の柳)

どれをよんでいても、楽しく、うれしくなっちゃう。
あぁ、列車に乗ってどっか行きたいなー。

|

« 「傾城反魂香」@歌舞伎座 | トップページ | 今夜は玉椿 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「傾城反魂香」@歌舞伎座 | トップページ | 今夜は玉椿 »