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2007/11/05

「劇場の迷子」@戸板康二

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戸板康二って何となく難しそうで敬遠していました。初めて読んだのは『歌舞伎への招待』。お芝居を見に行くようになって勉強のつもりで読んだのですが、面白かった。洒落た文章なのです。一気にファンになってしまった。

今年になって、創元推理文庫で、中村雅楽なる老歌舞伎役者が活躍する探偵小説の刊行が始まりました。試しに第一巻の『團十郎切腹事件』を読んでみました。劇場で発生した事件、役者がからむ事件を、名探偵中村雅楽が解決する短編推理小説です。江戸川乱歩にすすめられて『宝石』に書いたのが始まりだそうな。肩肘張らずにさらっと読めるお話しばかりで一気に読んでしまいました。
以後、発表の年代順にまとめたれた短編集が4冊出ています。その4冊目が『劇場の迷子』。

1977年から1991年まで。晩年に発表された短編が28編おさめられています。
探偵小説ですが、血は一滴も流れません。誰も死にません。雅楽や、雅楽と長いつきあいになる新聞社の文化部記者・竹野のまわりでおこった、ちょっとしたトラブル、小さな謎を、雅楽が一つずつ解決していきます。作者である戸板康二の、深い教養に裏打ちされたお話しが、簡潔な文章でつづらていくのです。読んでいて気持ちがいい。大人の読み物って、こういう本の事をいうんじゃないかな。おすすめです。
お芝居の世界が舞台になっているものが多いので、歌舞伎を少しでも知っている人は、より一層楽しめると思います。で、本物の舞台を見に行きたくなる。

読んでいるあいだじゅう、中村雅楽に中村又五郎が重なってしかたがありませんでした。だってピッタリなんだもん。

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