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2007/05/17

『ひとり狼』

もう体力勝負になってきました。昨夜は『中山七里』『ひとり狼』の二本立て。池広一夫監督による、股旅ものです。
昨日は休息日にするつもりだったのですが、思い切って行きました。休息日・・・っていうのはウソだな。『ひとり狼』は雷蔵晩年の(というにはあまりに早すぎる)代表作の一本で、それはとてもいい映画なんだけれど、つらくて見ていられないのだ。私は内容においてはこれが遺作だと思っているので、ラストシーンなんて今思い出しただけでも泣けてくる。でも行きました。前日一緒に行った同僚も見に行くと言っていたし。

でも行ってよかった。見るのは1年ほど前にDVDを買ったとき以来。1年の間に私も大人になったのでしょうか。脚本もしっかりしているし、構成もよくできているし、でもなんと言っても「人斬り伊三蔵」の雷蔵の魅力!無宿渡世の道に入らざるを得なかった、そこで生きていくしかなかった伊三蔵の苦しみが、ただそこにいるだけでにじみ出てくるのです。途中で挿入される堅気だったころの伊三蔵の、少し気の弱そうな青年姿が、またよろしい(とても同じ役者とは思えない)。あの姿があるからこそ、今の伊三蔵の渡世人ぶりがきわだつわけで。

最後の立ち回りのシーンで、伊三蔵は自分が父親だと名乗れない子供の前で「坊主、しっかり見ろ!これが人間のクズのすることだ!」と叫びます。伊三蔵が父親として子供に残してやれるのは、自分の精一杯の姿しかなかった。いかにののしられようとも、自分はここでしか生きていけない、その姿をしっかりと子供の目に焼き付けて伊三蔵は去っていくのです。あれで、自分が父親だと名乗った事になるよなぁ。子供は(たぶん立派に)成人したとき、「あれが父上だったのだ」と気がつくのでしょう。

狂言回し役の長門勇、小川真由美もよかった。

いい映画です。あまりによかったので、帰ってからDVDで復習してしまいました。寝たのは2時です。眠いです・・・

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