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2007/02/15

最近見た映画。

今日は仕事帰りにフィルムセンターに寄って『六人の暗殺者』を見るつもりだったのだけれど、体調イマイチなので定時にあがってさっさと帰宅。久しぶりに早く帰ると、いつもしまっているパン屋さん(けっこうおいしい)で買い物ができてうれしい。

・・・てなわけで、映画を見に行けなかった腹いせに最近TVで見た映画のことをいくつか。

・十三人の刺客(1963年・東映)
工藤栄一監督の名作。将軍の弟というだけで近々老中になることになっている明石藩十万石の藩主。これがとんでもない大バカ者で、こんなのを老中にするとえらいことになると、筆頭老中(丹波哲郎。片岡知恵蔵に対して偉そうな態度がステキ)が旗本島田新左衛門(片岡千恵蔵)に藩主の暗殺を命じます。狙うは参勤交代で国元に戻る道中。映画は、刺客を集める→策をめぐらし藩主たちをおびきよせる→大ちゃんばらシーンとすすんでいきます。
主役の片岡千恵蔵はもちろん、刺客のアラカン、西村晃、里見浩太朗、明石藩士内田良平と脇役もいいんだけれど、この映画で私が一番目を奪われたのが、大バカ藩主に息子夫婦を殺された尾張家藩士役の月形龍之介!
藩主をおびき寄せるため、片岡千恵蔵の依頼で、尾張藩の領土に入ることならじと参勤交代の列を追い返すシーンがあるのですが、毅然とした態度で大バカ藩主に立ち向かう月形龍之介の立ち姿の美しいこと!ぐっとかみ殺した表情だけで、この老人の悔しさ、無念さが伝わってきます。言葉なんて追いつかない。すごいぞ、月形龍之介!この人の当たり役、水戸黄門を見たいですー。

・丹下左膳 乾雲坤竜の巻(1962年・東映)
加藤泰監督による丹下左膳。左膳は大友柳太朗です。それまでの大友左膳の明るいめちゃくちゃぶりとはうって変わって重い雰囲気の映画。左膳がなぜ片目片腕になったのかというのが筋です。左膳に同情して、彼を助ける東千代之介、久保菜穂子もいいけれど、印象的なのは貧乏旗本役の山茶花究。
興行的にはあたらなかったらしいですが、左膳の苦しみ、悔しさがつたわってきて、私は好きです。ラストシーンがさわやかでいいんだな。
この映画をみていたら、加藤泰監督による雷蔵の「眠狂四郎」が猛烈に見たくなってきました。モノクロ画面で、今までにはない凄惨な狂四郎になったと思います。

・丹下左膳余話 百万両の壺(1935年・日活京都)
何度みてもいつみても、面白い。日本映画、最高の1本。脚本、構成、カットのつなぎ方。映画の全てがこの一本の中に詰め込まれています。今から70年前に、すでに映画は完成されていたのでありますね。
最近、いろんな人がものすごく簡単に映画監督になる気がするのだけれど、単にカメラをまわせば映画はできるってものじゃないと思います。「映画監督」の肩書きを持つのなら、せめてこの映画くらいは見て・・・いるはずだよねぇ。

・雷蔵の眠狂四郎3本
同僚の彼氏が最近、時代劇に興味があるときいたので、雷蔵映画のDVDを数本押しつけました。それが弾みになって狂四郎のDVDを買っちゃいました。『勝負』『無頼剣』『女地獄』の3本。『勝負』は文句なしに面白いし、『無頼剣』は天知茂がいいし、雷蔵もイヤんなるくらい美しいし(屋根の上の立ち回りシーンのすばらしいこと)、『女地獄』は共演の田村高廣、伊藤雄之助が楽しく、雪の中のラストシーンも時代劇らしくて大好きなのだ。次は『円月斬り』と『魔性の肌』を買おうかなー。

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コメント

貴方の映画批評は素晴らしい、私は昔昭和30年代に法政大学映画研究会に入っていましたので昔は良く映画を見ました。市川雷蔵も大好きな役者です。
立ち回りと声が好きでした。
最近の映画は余り馴染めません。

投稿: 黒ちゃん | 2007/02/23 15:41

黒ちゃんさま。おほめいいただきありがとうございます(^^)。励みになります。

昭和30年代というと、日本映画の全盛期。最近、その頃の映画ばかりを見ていますが、当時の映画は今のテレビドラマと同じようなものだったのかなぁと思いつつ、俳優やスタッフ、撮影所の質に大きな違いがあるように感じています。
とにかく昔の映画はおもしろい。
私も今の映画にはなじめなくて、まわりの話に完全についていけなくなっています。
若尾文子の話とかならできるんだけどなぁ。

これからもよろしくお願いいたします。

投稿: あやこ | 2007/02/24 17:57

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