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2007/01/01

『鴛鴦歌合戦』

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お正月らしく今年始めてみる映画は『鴛鴦歌合戦』(1939年・日活京都)にしました。マキノ雅弘監督がわずか一週間で撮ったという時代劇オペレッタであります。
主演は片岡千恵蔵になってますが、事実上の主役は志村喬とディック・ミネだと思う。特に若(バカ)殿役ディック・ミネがスゴイ(笑)。ちょんまげ姿で♪ぼくはおしゃれな殿様ぁ♪とスウィング。志村喬は歌うますぎ。

貧乏浪人の片岡千恵蔵と隣りに住む傘張り浪人の娘(市川春代)はお互い気になる間柄。そこに、千恵蔵に横恋慕する大店のわがまま娘(服部富子)や許嫁(深水藤子)、市川春代を妾にしようとする若殿(ディック・ミネ)が現れて・・・というストレートで単純なお話しと登場人物たち。服部富子を追いかけ回す男の子たち、若殿の家来たちも楽しい。もちろん最後はハッピーエンド。

たぶん、ものすごくあわてて撮った映画なんだと思う。役名は芸名をもじったものだし(例えば志村喬の役名は「志村狂斎」)、歌だってなんつーか、何のひねりもなくセリフをそのまま歌にしちゃいましたって感じで、「とりあえずそれでええわ。これでいこ」っていう現場の声が聞こえてきそう。でも手抜きって印象は全然ない・・・・っていうのは、当時の撮影所の(映画の)若さの現れなんじゃないかな。それとレベルの高さ。いつも思うことだけれど、映画は時代が下れば下るほど面白さが増すわけじゃない。新しくなるわけじゃない。ならば映画の進歩っていうのは何なんだろう。技術の進歩は映画の面白さに比例するわけじゃない。

とにかくこの映画は、見ていて心底楽しくシアワセになれる映画です。出てくる人に悪者は一人もいないし、それにみんながとてもチャーミング。70年前も今も、喜怒哀楽、人が心で受けとめるものは何も変わっていないのね。

映画の中に出てくる傘の意匠が恐ろしくモダンなのに目を奪われました。志村喬はずーっと老け役だったんだなぁとしみじみ。片岡千恵蔵はいい男ですが、どうも東映時代劇のお顔が目に浮かんできて妙な違和感。
この映画のカメラは宮川一夫で助撮影が牧浦地志。牧浦地志は後に大映京都で三隅研次とのコンビで雷蔵のいい映画をたくさん撮りました。そんな事もうれしいです。

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コメント

お正月に相応しい1本ですね。
この作品、フィルムセンターのミュージカル映画特集にもかかりますが、以前に三百人劇場のマキノ特集ではネガプリントが劣化していたためニュープリントでも(>_<)だったのですが、センター収蔵版はいかがかな・・・・。
その後の「日本の撮影監督」では、『初春狸御殿』がプログラムされていたかと思いますが、「狸御殿」もののリメイクでは最も賑やかで、雷蔵、勝新、水谷良重(現八重子)らに加え先代鴈治郎、菅井一郎らがバカバカしい話を大マジメに演じていて楽しいです(雷蔵の歌は吹替えと思しいですが)。国宝クラスの名優・鴈治郎が狸のメークをしていたり、河童役の女優(怪女優・毛利郁子ら)がトップレス状態の扮装だったりする大騒ぎ映画であります(・_・)。

投稿: Ryo | 2007/01/03 14:52

Ryoさん、今年もよろしくお願いします。

そうそう、フィルムセンターではもうすぐ『鴛鴦歌合戦』がかかるのでした。楽しみだー。都合があえば見に行くつもりです。『初春狸御殿』は未見なので、これも楽しみ。
先代鴈治郎はどんな役でも、きちんと演じるところがエライと常々思っております。

お正月はやっぱ、楽しい映画でスタートしたいですよね。


投稿: あやこ | 2007/01/03 16:03

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