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2006/11/03

マタンゴ

20061103_
橋本治に『マタンゴを喰ったな』『更にマタンゴを喰ったな』という短編があって、これがめちゃくちゃ気持ち悪い。別に血がドロドロとかそういうのではないのだけれど。
マタンゴとは、食べた人はみんなマタンゴになってしまうという世にも恐ろしいキノコなのだ。無人島で漂流してきた人をマタンゴにしてマタンゴを増やしていたマタンゴは、新天地を求めて海上自衛隊だかの船を占拠し船をマタンゴの菌糸だらけにして日本にやってくる・・・という話だったと思う。たぶん。リビングのどこかを探せば本が出てくるんだけど。河出文庫の『流水桃花抄』という短編集に載っているので興味のある人はどうぞ(今は品切れで本屋にないと思いますが)。
で、何が一番気持ちが悪いかっていうと、マタンゴが「もっと気持ち悪くなろう」と思って

 またんご

って、カタカナからひらがなに変態してしまうところなのだ。うひゃー。ひらがなになると、ますます気持ち悪い。この気持ち悪さは日本人にしかわからんだろうなぁ。私の大好きなお話しであります。

この短編を読んだころ(15年くらい前)、私は同名の映画があるとは知りませんでした。見たのは数年前にスカパーで。いやぁ、これもスゴイ映画です。昨夜、またスカパーで放送があったので久々に見ました。改めて感心しました。

7人の男女が乗っていたヨットが遭難して無人島に漂着。ボロボロの難破船を発見した彼らはそこに寝泊まりします。人の姿はみえませんが残された航海日誌には島にいっぱい生えているキノコに何か原因があるらしい。残り少なくなった食料、救いのない状況に7人はだんだんエゴと欲望を剥き出しにしていきます。そして禁断のキノコ、マタンゴに手を出してしまうのです・・・

無人島で極限状態にあるハズなのに、毎日洋服を変えて(それもスカーフをたなびかせるようなオシャレな格好)化粧バッチリの水野久美や、ラスト近くのマタンゴ人間がいっぱい出てくる場面など、つっこみどころ満載。あぁコワイ(笑)。
それより、以前見た記憶では、マタンゴになってしまったマタンゴ人がいっぱいでてきて、もっとマタンゴの登場場面があったように思うのですが、あらためてしっかり見てみたら、マタンゴより、人間のエゴに重点がおかれておりました。水野久美のお色気も相まって、これは大人の映画です。ガキんちょに見せるのはもったいない!・・・というか、子供にこんな映画を見せたら一生キノコが食べられなくなりますぜ。
無人島に漂着して、食べるものがマタンゴしかなかったら・・・・あなたならどうする♪♪

原作は外国の作家のようですが、映画には原案として、星新一、福島正実の名前があります。星新一はもちろん(中学生時代、夢中になって読んだ)、福島正実の名前も懐かしい。高校生の頃、私が読んでいたSF小説のほとんどは、福島正実が翻訳か解説を書いていました。

蛇足ですが、見ている途中で夫が帰ってきて、一緒に少しだけ見ました。

夫:今、マタンゴを作ったらスポンサーは「ホクト」かな。
私:いいねー。で、試写会には、ホクトのキノコがお土産につくの。
夫:・・・・

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コメント

子供の頃見に行ったのですが、マタンゴと言う単語とキノコのイメージだけ強烈にあって、あんまり怖いという印象もなかったですね。やはり子供向けではないのかもしれませんね。
あれ以来、評判は聞きますが見たことは無く、いずれDVDを入手しようと思っています。
橋本治の本もおもしろそうですね。探します。

投稿: せんめい | 2006/11/04 09:19

マイミク各位も、先夜、けっこうこの作品を観ているようで日記にアップされていました♪

昭和46年頃、はじめてテレビでオンエアされたのを見て、怪獣図鑑などで「マタンゴ」なる怪生物の情報のみ知っていた当時の子供たちは、映画そのものに<引いた>ものでした。
当時は立派なホラーなのでした(それにしても、夜7時半からのゴールデンタイムに放送していましたので当時の放送事情がしのばれます)。

この種の作品を厭わずに出演する俳優各位、不思議に個性も実人生の履歴もインテリが多いですね(黒沢映画の常連でもある土屋嘉男氏を除いては、芝居があまり達者でないにもかかわらず、作品にも恵まれ、息の長い俳優歴であるのも奇妙に共通してます)。
小泉博氏は慶大経済からNHKアナ、佐原健二氏は中央大法科から雑誌「平凡」のミスター平凡、変身中途のマタンゴ役の天本英世氏は東大、土屋氏は旧制山梨医専を卒業しているという履歴だったかと・・・・。

投稿: Ryo | 2006/11/04 13:26

せんめいさん、Ryoさん、コメントありがとうございます。
「マタンゴ」は、大人の映画ですね。エゴと欲望が剥き出しになっていく人間の受け皿が、あの無人島ではマタンゴだったのです。怖い映画でした。
この映画は題名がいいです。「マタンゴ」って題名をつけた時点で、この映画はカルト映画への道を進んでいったような。
大人になったいま、ぜひ見てくださいね>せんめいさん
(橋本治の短編もカルトです。面白いですよー)

>>この種の作品を厭わずに出演する俳優各位、不思議に個性も実人生の履歴もインテリが多いですね

ですねー。天本英世はクレジットに出ていたので、どこに出ているのかなーと楽しみに見ていたのですがわからず。なんと、途中で出てくるマタンゴ人間が天本英世だったそうです。そんなのわかんないよー。

投稿: あやこ | 2006/11/04 22:24

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