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2006/09/23

『陸軍中野学校』@市川雷蔵

20060923_
夫は朝から義妹と去年亡くなったおばさんの一周忌。私は休養日(^^)。

ごろごろしながら『陸軍中野学校』を2本見ました。これで届いたDVD-BOXの中身は全部見ました。面白かったー。

『陸軍中野学校』は市川雷蔵主演のスパイ映画で、1966年から68年にかけて、全部で5本作られました。第一作は増村保造監督で、大映の東京撮影所で撮られ、第二作目からは、雷蔵の本拠地である大映京都撮影所で撮られました。監督も、森一生→田中徳三→井上昭(2本)と、おなじみの面々。脇役、スタッフの皆様方もおなじみの方々。

第一作目は、陸軍少尉の三好次郎(雷蔵)が、否応なしに『陸軍中野学校』第一期生となり、名前も椎名次郎と変え、立派なスパイ(というのも変だけど)になるお話しです。行方不明となった次郎の消息を追っていた婚約者の雪子(小川真由美)は、やがて英国のスパイとなり、それを知った次郎は雪子を殺すために彼女の前に姿を現すのでした・・・。

雷蔵がもうはまり役!人間くささを感じない雷蔵の演技が任務第一のスパイにぴったり。またシリーズ全編を通じての、雷蔵の抑揚のないナレーションが雰囲気を盛り上げるし、話の組み立て、メリハリのある画面など、とーっても面白い映画です。よくできた娯楽映画。
5作品を通して出ているのは次郎の上官、草薙中佐を演じる加東大介のみ。この加東大介がいいんだわ。このシリーズが破綻しないのは、加東大介の存在にあるんじゃないかと思えるくらい。

第二作からは、陸軍中野学校を卒業した椎名次郎が、与えられた任務を遂行していくはなし。妖しい中国人にもなるし、有閑マダムを色仕掛けで籠絡もします。まぁ雷蔵だから激しいシーンはありませんけど(^^)。映画は前作の続きになっていて、前作の最後のシーンが次作の最初のシーンにつながります。で、シリーズは昭和16年12月8日、開戦のニュースで終わります。これから次郎たちを待ち受けているであろう過酷な運命に向かって消えていく椎名次郎。
くー。いいなぁ。雷蔵のスーツ姿もしびれますー。

海外ロケなしで、上海や北京、中国辺境の地を、それらしく見せるのも面白いです。
第一作は別格として、私は第4作の『陸軍中野学校 密命』が好きだなー。

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コメント

今日は。たまたま昨日フィルムセンターで『筑豊のこどもたち』を鑑賞。加東大介が閉山で失業する甲斐性なしの父親役を好演していました。実際の炭住でロケされ、貧しさの描写が半端でなく、キレイゴトに陥らず感銘させられた映画でした。伊藤雄之助が友情出演的に、児童相談所の所長という珍しくマトモな人の役で出ていました。
加東氏は歌舞伎の出なので、愛嬌、風格、品格は、その出自にあるように思います。著書『南の島に雪がふる』は俳優の著述ベスト10に入れたい名著です。

『中野学校』シリーズの雷蔵は、現代劇では『ある殺し屋』と並ぶ彼の個性が活きた作品ですね。あのキャラあればこそのリアリティといいますか・・・。『若親分』シリーズあたりだと物語の設定がアナクロ的なところが感じられるもので。
雷蔵といえば、個人的には、『破戒』で部落出身者であることを教え子の前で打ち明けるシーンの演技が好きですね。

投稿: Ryo | 2006/09/24 12:19

Ryoさん、こんにちは。

加東大介は先日みた『河内山宗俊』にも出てました。
クレジットには出ていないけど、あまりにも似ている俳優だなぁ・・・と思って調べてみたら、市川莚司という芸名で出演していました。この名前だと、歌舞伎出身の役者だなーって思いますね。
決して二枚目ではないけれど印象に強く残る役者。そういえば伊藤雄之助も歌舞伎界出身だ。

『中野学校』シリーズはB級映画だと思いますけど、一級の娯楽映画。雷蔵でないと出来ない映画です。『ある殺し屋』ともども、これからは時代劇だけじゃなくて現代劇でも活躍できたのになぁ・・・と本当に残念。30代後半で晩年っていうのは、あまりにもあまりですよねぇ。

『破戒』は未見なんです。近々CSで放送するので、それを楽しみに待つつもり。

投稿: あやこ | 2006/09/25 03:49

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