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2006/09/16

そしてまた映画(笑)。必見!山中貞雄!

20060915_
今日は新文芸坐で山中貞雄二本立て!『丹下左膳餘話 百万両の壷』(1935・日活)と『河内山宗俊』(1936年・日活)。
山中貞雄は戦前に活躍した映画監督で、5年間の監督生活の中で26本の映画を残し、昭和13年、29歳で戦病死しました。そのどれもが傑作といわれていますが、現在見られるのは上記の2本と『人情紙風船』の3本だけ。
日本映画を語る上では必ずといっていいほど出てくる名前で、見ておかないとお話しにならないなーと半分お勉強のつもりで行ったのですが・・・

これが面白かった!

特に『丹下左膳餘話 百万両の壷』の面白さといったらありません。こんな映画、初めて見た。
百万両を埋めた地図を塗り込めたという汚い壺をめぐる喜劇。とにかくお話しがおもしろくて、テンポがよくて、演出が絶妙で、登場人物が魅力的で、ウィットに富んでいて、時代劇の体裁ながら本当に洒落たモダンな映画です。終わり方も楽しい。日本版フランク・キャプラってところでしょーか。この映画を撮ったとき、山中貞雄は26歳。すごい・・・

『河内山宗俊』もよかった。河内山宗俊と素浪人・金子市之丞が三百両の借金を抱えた姉弟のために一肌脱ぐというおはなし。当時16歳の原節子が可憐で可憐で・・・。見ているだけで胸がキュンとしますです。長屋と長屋の裏に流れるどぶ川での立ち回りは『第三の男』の下水道のシーンと双璧だと思います。

共に70年前の映画ですが・・・。映画というのは時代が下がれば下がるほど、よくなっていくものではないのだなーとしみじみ。確かに技術はものすごく進歩して、それは悪い事ではないけれど、だからといって映画が新しくなっていくわけではない。今、映画がやっていることは、70年前にすでにやっていたわけで(だから今見ても新しい)。じゃ、映画の面白さっていうのは何かというと、結局「おはなし」「テンポ」「センス」に尽きるんじゃないかと、古くさい映画ばかり見ていて思います。だ・か・ら。センスのない人が映画監督やってもダメなのだ。

こうなると、かなわぬ事ながら、山中貞雄の他の映画も見てみたいです。『盤嶽の一生』も撮ってたんだー。みたいみたい。
DVD買っちゃおうかなー。

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コメント

またお邪魔しました。このプログラムは私も朝一番で観ていたのでした(^_^)v。
山中作品では『人情紙風船』の無常感と人間観も素晴らしく、特に中村翫右衛門が絶品です。
今日は、迷いましたが『武士道残酷物語』『幕末残酷物語』鑑賞。観てよかったです! 
実は、現代は、明治維新、第二次大戦後にも匹敵する変化が起こったと観ているのですが、「滅私奉公」「お家大事」という価値観や、武士の美学で人間性を喪失していく様を描いた今日の二作を観て、「特定の価値観に全託しつづける」ことが、どれだけ人を苦しめもするかということを改めて実感したのでした(^_^)v

投稿: Ryo | 2006/09/18 22:52

Ryoさん、こんばんは。
私は午後3時からの丹下左膳から見ていたのです。すれ違いでしたね(^^)。
日曜日の『人情紙風船』は所用があっていかれず。機能も1日出かけていたので『幕末残酷物語』も見られず。

『幕末残酷物語』は5月だったか、シネマヴェーラの加藤泰特集でみました。実はあまり期待していなかったんですが・・・いい映画ですよね。
とにかく暑苦しい映画だと思いました。出てくる俳優も暑苦しい人ばかりだし、狭い画面に人がいっぱいいて暑苦しい。加藤泰独特の長回しも暑苦しい(笑)。そして狭い屯所の中でやっている事も暑苦しい。

>>「特定の価値観に全託しつづける」ことが、どれだけ人を苦しめもするかということを改めて実感したのでした(^_^)v

なるほど。考えなくてすむのは楽ちんです。でも結局それが自分の首を絞める事にもなるんですよね。

投稿: あやこ | 2006/09/20 00:27

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