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2006/09/15

座頭市物語

1962年・大映。
これから延々と作られてTVシリーズにまでなった座頭市の第一作目。でも最初からシリーズ化しようという気があったのかなぁ。「下心」が感じられないんだよね。
やっと当たり役をつかんだ若かりし勝新の気迫のこもった演技に、脇を固めるのは毎度おなじみの大映京都撮影所の俳優とスタッフのみなさま。
座頭市と心を通わせながら最後は斬り合うことになる平手造酒に天知茂。この天知茂が最高によくて、名代の剣の使い手ながらやくざの用心棒になり労咳を病む自身のやるせなさを、その痩躯に漂わせています。本当に労咳なんじゃないかー?
勝新の殺陣もすばらしい。仕込み杖で居合い斬り。それをロングのワンカットで撮るのですから、今どきのカットでつなげてCGも使っちゃう殺陣とは迫力が違いますですよ。
座頭市と平手造酒が、ため池の釣り場で出会い、並んで釣り糸をたれる場面のすばらしさ。静けさ。殺伐とした渡世の中でふと訪れる静かな時間。でもそれは長くは続かないことをお互いわかっているのです。

映画は、飯岡助五郎一家と笹川繁蔵一家との「大利根河原の血闘」(ほんとうにあったはなし)に、助五郎親分にわらじをぬいだ座頭市と、笹川繁蔵の用心棒だった平手造酒(ほんとうにいた人)の友情をからめたおはなし。

飯岡助五郎役の柳永次郎がいいです。一筋縄ではいかないやくざの親分。この人、東映の時代劇にもよく顔をみるし、雷蔵主演の「歌行燈」で、雷蔵の父親役をやってたような。
座頭市を慕う、おたね役の万里昌代も、なんかいい雰囲気。
「大利根河原の血闘」シーンは、やくざのめちゃくちゃさかげんがよく出てて、名場面ではないでしょーか。

子母澤寛の同名の随筆を犬塚稔が脚本。監督は三隅研次。カメラはコンビの牧浦地志。
セットがまたすばらしくて、ちょっとした小物にも気を配っているのが映画館の大画面で見るとよくわかります。他の撮影所からきた監督や俳優がまずびっくりするのは、大映京都撮影所のセットの美しさだった・・・っていうのもわかるなぁ。美術は内藤昭です。

ストーリーも無駄なく、きゅっとしまった感じ。こういう「映画」が当たり前に作られていた・・・・って事のすごさを感じました。名作であります。でもこれ、最初に大画面でみちゃうと、もう二度とおうちのTV画面で見られないかも。

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