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2006/08/01

吉村昭さん、亡くなる。

作家の吉村昭さんが亡くなりました。さほど熱心な読者ではなかったけれど、新作が出れば注目していました。次は何をテーマにするのかに興味があったのだ。
読んだ事があるのは『高熱隧道』『闇を裂く道』『東京の戦争』『天狗争乱』『彰義隊』ってところかな。『東京の戦争』だったか、日暮里で空襲にあい、命からがら谷中の墓地に避難して、崖下の日暮里から向こうは一面の火の海で、生きた心地もせず一晩すごして気が付くとゴトゴト音がするので下をのぞいてみると、まだ火が残る中を一両の電車が走っていったという話がすごく好き。

一番印象に残る本は最初に読んだ『高熱隧道』。昭和の初め、黒部第三発電所の建設に携わる人たちと、彼らの前に立ちはだかる圧倒的な自然の力のおはなし。あまりにリアルなので、この人は本当にこの現場にいたんじゃなかろうか、当事者なんじゃないかと思ったくらい。現場の様子、人々のざわめき、怒鳴り声、機械の音、風の音・・・読んでいるうちに自分もその中にいるような気持ちになりました。それに文章がくどくないので読みやすい。
『天狗争乱』も『彰義隊』も、逃げる場面の臨場感がすごい。雪の中、大砲を押して引いて峠を越えて行く場面、雨の中を腰まで水につかりながら上野の山から三ノ輪に落ちて行く場面。また読みたくなりました。

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コメント

 こんばんは。お久し振りです。

* 作家の吉村昭さんが亡くなりました。

 10年ほど前に、職場の研修で講演を聞いたことがあります。

 作品はほとんど読んだことがありませんが、吉村氏はかなり綿密に取材されていたようです。現実にそこにいるかのような感じがするのも、その綿密な取材から来るものではないでしょうか?

投稿: たべちゃん | 2006/08/08 20:50

たべちゃん、こんばんは。

吉村昭さんの取材はかなり徹底したものだったと何かで読んだ事があります。
時代小説を書いていると、自分もその時代にいるような気持ちになってしまって、「もう子の刻か・・・」なんて行ったりしちゃうのだとか。
また新聞の連載小説は始める前に全部書き上げてしまって、金庫にしまってある原稿を一回ずつ編集者に渡していたなんていう話しも。←ホントかなー。

吉村昭さんの小説は面白いですよ。丹那トンネルが舞台の「闇を裂く道」なんていいかもー。

投稿: あやこ | 2006/08/12 00:09

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