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2006/05/13

ふたたび『瞼の母』

20060512_
昨日は午後から有給をとって渋谷のシネマヴェーラへ。『瞼の母』を見に行く(笑)。GWが終わってからポカンと仕事が空いてしまって、後回しにしておいた仕事もいっぱいあるんだけど何だかやる気がおきなくてさー。平日の午後の渋谷なんて初めてだ。町中に「こいつら学校に行ってるのかー!」と問い質したくなるような青少年多数。まぁ、私も学校さっぼって映画を見に行ってる不良少女(失礼!)みたいな気分でしたが。

今回は大川橋蔵主演の『風の武士』との二本立て(監督は加藤泰)。ある程度予想はしていたけれど、ご年輩のご婦人方が大勢いて、幕間に聞こえてくる話し声で、大川橋蔵ファンの皆様方なのがわかる。そうかぁ。今まで私が見てきた映画は、追っかけの人がいるような映画ではなかったので、「スター俳優が出てくる映画ってこういう事なのだ」と何だか新鮮。
『風の武士』は司馬遼太郎の伝奇小説が原作(私は未読)。これが加藤泰らしく一大メロドラマになっていました。ラスト近く、桜町弘子と結ばれるシーンなんて本当に美しいし、橋蔵の情女、久保菜穂子との別れのシーンなんていうのもジーンとしちゃう。橋蔵も声がいいよね。ぼやーっとした坊ちゃん風なのに、これがまたいざとなれば男気を出して、母性本能をくすぐるというのでしょうか。立ち回りもきれい。

『瞼の母』を見に行ったのは、もう一度復習しておきたかったから。次、いつ大画面で見られるかわからないし。母子の対面の場面で会場はすすり泣きいっぱい。斜め前に座っていた青年なぞは、映画の途中からズルズル状態でした。単に「かわいそう」っていうだけの映画ではないんだよねー。母親は今の自分の生活が壊れることが怖くて「お前なんて知らない」と突っぱねてしまい、思い直して追いかけてきた母と妹が目の前にいるのに、今度は息子が「こんな血の臭いの染みついたヤクザな人間が、名のって出ちゃいけないんだ」と物影で震えながら我慢をする(この直前に、忠太郎は自分を追いかけてきたヤクザ者を大勢たたき斬っているのだ)。同じ泣くなら、こういう映画で泣かされたい。
加藤泰って監督は、男じゃなく「女」を描きたい人なんだろうなって思いました。『瞼の母』にも、たくさんの女が出てくる。金町の半次郎(松方弘樹)の母親と妹。乞食の三味線弾き、夜鷹、忠太郎の母に妹。男はあくまで「女」の添え物ってことで。

映画が終わって、近くのブックファーストで幸せな気分に浸りながらうろうろしていたら夫からメール。「今夜は早く帰れるのでどっかで食事をしよう。ついては誰か誘ってよ」という内容。夫婦二人で外食しても面白くもなんともないしなー。で、I氏を誘って3人で原宿の『千』。あぁおいしかった。食べ過ぎた。
写真は「千草ゼリー」の大盛り。

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コメント

はじめまして。
コメント&TB失礼します。
平日の午後の渋谷、しかも劇場近くはラブホテル街にクラブも多々あって、
若人が何をしとるんだと思いつつ、
しかし学割のきくシネマヴェーラに加藤泰作品を見に来る若者は、
なんだか少し尊敬したりしてました。
母子対面のシーンは僕も泣き濡れてました。
悲恋より親子もののほうが涙が出やすいです…w

投稿: 現象 | 2006/05/15 00:32

金曜はお声かけいただきありがとうございました。
食べ過ぎたー。
デザートは「仙草ゼリー」かと思います。

投稿: I氏 | 2006/05/15 11:43

現象さん、はじめまして。TBありがとうございました。
シネマヴェーラの加藤泰特集は本当によかったですねー。場所が場所ですが(^^)。できれば「緋牡丹博徒」シリーズも大画面で見たかったな。二本立て、入れ替えなしっていうのもうれしいです。気に入った映画は二度三度見たいもん。この映画館は今後に大いに期待です。

Iさん、どーも。金曜日はお付き合いありがとうございました。食べ過ぎでまた体重が増えてしまいました(泣)。

投稿: あやこ | 2006/05/17 01:53

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