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2006/05/07

『瞼の母』@加藤泰

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やっと見たぞ!中村錦之助版『瞼の母』。渋谷のシネマヴェーラで『沓掛時次郎 遊侠一匹』との二本立て。ハンカチ2枚持って出かけました。
監督は共に加藤泰。わたし、この監督の映画が好きなのかどうなのか、いまだによくわからんのだ。ついでにいうと、中村錦之助もよくわからないのだ。わからないけれど、加藤泰はスゴイ映画を撮る監督だと思うし、中村錦之助はいい役者だと思うし、『瞼の母』は濃い映画でした。

おはなしは、幼い頃生き別れた母親を捜して江戸へ出てきた渡世人、番場の忠太郎(中村錦之助)が、やっと探し当てた瞼の母に、自分が息子だと名のるけれど・・・というお馴染み長谷川伸の股旅物。

加藤泰の視線は相変わらずねちっこくて、見ていて顎が痛くなるようなローアングルに、頭の芯がキリキリしてくる超長回し。乞食の三味線弾きの盲目の老婆(浪花千栄子)の出てくるシーンなど圧巻。酒屋の隅で夜鷹の年増女(沢村貞子)と錦之助のシーンもよかったし(ここもワンカット)、今は大きな料理屋の女主人におさまっている実の母(木暮実千代)との対面シーンもさすが。忠太郎をすげなく追い返したあと、後を追おうと立ち上がった瞬間に、着物の裾で倒してしまった湯飲み茶碗と、こぼれたお茶を指でなぞる木暮実千代の姿を俯瞰で撮った場面なぞは、悲しくて切なくて、もう最高のシーンだと思う。
どの場面もシネスコの画面をめいいっぱい使ってます。

若かりし中村錦之助は立ち姿の美しい人です。背筋をのばし腕を組んでスッと佇む姿にはほれぼれ。雷蔵もそうだけれど、歌舞伎役者出身の役者はとにかく立ち姿が見事。

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