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2006/03/19

『巨人と玩具』&『赤線地帯』

午後から台風なみの強風。東京では最大瞬間風速33.4メートルを記録したそうな。その中、自宅近くの床屋へ顔剃りに行く。うなじや顔のうぶ毛をきれいにしてもらってマッサージにパックで1時間半。月に一度のお楽しみなれど、しばらく行けなくて今年に入って初めての顔剃りとなった。気持ちいー。これは子供の頃からの習慣なんだけれど、私のまわりでは顔剃りしてもらってるって話をあまりきかない。さっぱりきれいになるんだけどなー。

昨日、今日とまたぐうたらしてしまいました(笑)。TVで映画を見てすごす。いくつか見た中で印象に残ったもの2本。

★巨人と玩具(1958年)監督:増村保造 出演:川口浩、野添ひとみ、高松英郎、伊藤雄之助
し烈な宣伝競争に明け暮れるキャンデー会社とその宣伝部のはなし。とにかく速い。場面転換もセリフも俳優の動きもみんな速い。増村保造監督初期の傑作といわれていて、このスピードが当時の増村監督の特色らしいんだけど、あまりの速さに圧倒されました。
高度成長の中で人間性を失っていく人たち、社会を風刺した作品で、当時は批評家受けはしても一般受けはしなかったそうな。50年後の今見てもかなり新しい。日本映画っていうのは、この頃から進歩してるんでしょーか。
なかなかつかないライターのカチカチという音に増産されるキャンデーの映像を重ねる場面など秀逸。高松英郎、伊藤雄之助がいい。宣伝課長の高松英郎は、あまりの猛烈ぶりに覚醒剤と脳神経安定剤をちゃんぽんで飲んでたりする。時代ですねー。


★赤線地帯(1956年)
溝口健二の遺作。「赤線」とか「アプレ」とか、今の人には理解できない言葉かも。
吉原の特飲店「夢の里」で働く女たちの人間模様。溝口健二って人の視線は辛辣だなぁと思うのは、ベテランの木暮実千代、三益愛子に、若くてピチピチしてる若尾文子や京マチ子を対比させるとこ。男をだまし、仲間にお金を融通しては利息をかせぎ、しっかり貯めている若尾文子、神戸の資産家の娘なのに、父親に反抗して体を売るようになった京マチ子。はじけるような二人に対して、例えば、失業中で病気持ちの夫と赤ん坊を養うために吉原で働く木暮実千代は、眼鏡姿の冴えない格好で、子供を抱き足を広げてドカリと椅子に座る。木暮実千代をここまでするかぁっって思うくらい。溝口健二の演出は役者をいじめてるようにも見える。それがリアリティにつながるんだろうけど。見ていて、ビリー・ワイルダーの『サンセット大通り』を思い出しました。あれも怖い映画だった。
『赤線地帯』の中で一番スゴイと思ったシーンは、神戸から娘の京マチ子を迎えにきた父親に対して、京マチ子が「せっかくここまで来たんやから、遊んでいき。ショートで1500円や」と父親を誘う場面。その言葉の中には、道楽者の父親に泣かされ続けて亡くなった母親への深い愛情と、父親を許せない自分に対する悲しみがあるわけで、あぁいうシーンは並みの監督では撮れないよねぇ。

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