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2006/02/10

『大殺陣 雄呂血』@市川雷蔵

20060210_
ごめんなさいごめんなさい。今度はDVD買っちゃいました。会社帰りに秋葉原のヨドバシカメラへ寄って『大殺陣 雄呂血』と『ある殺し屋』の2本、買っちゃいました。本当は『薄桜記』とか『切られ与三郎』とか『斬る』『花くらべ狸道中』とか欲しかったんですけどねー。夫に見つかったら「いいかげんにしろー」と怒られそーなので我慢しました。

雷蔵の『雄呂血』は1925年、阪妻主演で作られた映画のリメイク。ストーリーはいたって簡単。他流試合にきた他藩士を背中から斬って殺した家老の息子の身代わりとなって出奔するのが雷蔵扮する小布施拓馬。1年後には帰参がかなう約束だったのに、それが許されず拓馬は逃走。裏切られ陥れられ拓馬は追いつめられていく。挙げ句の果てにヤクザの用心棒となった拓馬の前に現れたのは、彼を追って女郎にまで身を落としてしまった婚約者(八千草薫)だった。手に手をとってそこから出ようとする二人。しかしその時にはすでに数百人の追っ手が彼を取り囲んでいたのであった・・と、まぁ、この映画の見どころはラストシーンの15分間にわたる大チャンバラ。本編87分のうちの15分間。撮影所の役者、全員連れてきたんじゃないかっていう派手さです。この15分に頂点をもっていくための映画なので、流れに身をまかせて見ていると実に気持ちがよろしい。斬って斬って斬って、一体何人斬ったのかわからないくらい斬って、見ているこっちも肩で息をしちゃいつつ、見終わったあとは深いため息。

どんなに落ちていっても雷蔵はお行儀よく、彼を見つめる八千草薫の目は美しい。どこかざらついたような白黒の画面は荒涼としていて、ジム・ジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』を思い出しましたわよ。
大チャンバラシーンは、無声映画を見ているような感じ。様式美というのか、歌舞伎の一場面のようでもあります。監督の田中徳三はインタビューでこう言ってる。

『ただラストの、あのチャンバラだけはオーソドックスに、照れたらあかんと、サイレント映画そのままにやろうと、最初からそのつもりだった。あの大立ち回り、撮影に三日ぐらいかかったですかね。サイレント時代の、チャンバラ映画華やかなりし頃のことをよく知ってる殺陣師がおって、熊手とか梯子とかサス叉とか、昔からのいろんな手を使って、あんなに人を斬ったらもう刀から指がはなれへんと、そういうところまで撮った』(「市川雷蔵とその時代・巨匠とプログラム・ピクチャー監督」)

雷蔵の姿は相変わらず美しくて、脇差を口にくわえる一瞬とかゾッとしますです。どんなに着物が乱れていても、帯だけはきちんと決まっているところもキレイ。こんなの見てると、やっぱ雷蔵は時代劇スタアだなーって思っちゃいますね。

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