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2006/02/28

あぁ、世間が狭くなる(笑)。

小6の姪っ子はジャニーズの何とかっていうグループの何とかっていう男の子のファンだそーだ。義妹の家の台所に『明星』があったのでペラペラとページをめくってみた。出ている芸能人(・・・というか子供)の顔すら見たことがない。ほとんどが小学生、中学生、高校生ってところじゃなかろーか。この中だと二十歳越えるともうジジィだな。なんつーか、外国の雑誌をみているようだ。わかったのはスマップのメンバーだけ(笑)。

普段から市川雷蔵がかっこいいとか、若尾文子がかわいいとかゆーている生活なので、今、人気のある俳優すら知らないんだけどさ。義妹から「タケノウチユタカがさ・・・」と言われて無言になってしまった私なのである。顔が思い浮かばない(泣)。

ここしばらくブログにアップしたのを見ていると、介護と(雷蔵の)映画の事しか書いてないやん。義母が退院して今日でちょうど2週間だけれど、遊びに行くことも飲みに行くこともできないので今の唯一の楽しみは自宅で映画を見ることなのだ。あぁ、世間が狭くなる(笑)。
でも、こういう事がなければ一昔(二昔か)前の映画(それも邦画)なんて見ることはなかっただろう。こんな映画があったのかぁ、こんな監督いたのかぁ、こういう時代があったのかぁと新鮮な驚き。レベル高いもの。

映画の好みっていうのは個人的なもので、私が好きでも他の人には面白くもなんともないかもしれない。そこがまた楽しいところなんですが。「これいい!」っていう映画や俳優を見つけた時のうれしさっていったらない。

んで。本日は雷蔵の『薄桜記』を見たあと、CSで溝口健二の『祇園囃子』。これはよかった。デビュー間もない若尾文子の初々しさ、女の色香たっぷりの木暮実千代の美しさ、それになんといっても浪速千栄子のやり手ぶり!ついでに録画してあった勝新の『悪名 縄張り荒らし』も見ちゃう。キャストが豪華。杉村春子まで出てきた。

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本日休業

行けるときに行っておこうと、昨日は定時に仕事を終わらせて美容院へ行く。
夜になって少し様子がおかしいと義妹から呼び出しあり。結局2時頃までバタバタしていて、義妹は朝まで一睡もできず。今日は午後から長女の進学の事で出かけるというので、私が仕事を休んで義母のお守りをすることにした。義母は薬で寝ている。私も今日は6時起きで眠いぞー。
やっと落ち着いたので昼食をとりつつ雷蔵の『薄桜記』を見た。はぁぁ。いい映画。50年近く昔の映画だけど、ぜーんぜん古さを感じさせない。こういうかみしめるような映画を見ると心が安らぎまする。この映画の雷蔵は凄みがある。この時、雷蔵は28歳。今、主役でこれだけの重い演技ができる28歳の役者がいるかいな。

勤め始めて月末に休んだのは今日が初めて。明日は朝から会社に行くつもりだけれど、落ち着かない日々が続く。こうなると仕事とのかね合いが難しい。義妹も疲れているので、午前中は私が義母のお守りをして、午後から出勤することにしてもらおうかなー。

我が家は入院させずに最期まで自宅で看るつもりなのだ。血中の酸素濃度が低いので、今日は2台目の酸素吸入器がきた。業者の人を看護師さんは『酸素屋さん』と呼んでいた(笑)。私たちも、痰はガンガン取るし、点滴はつけ替えるし、座薬は入れるし、いやもうここまで出来るんだなぁと自分たちで自分たちのことを感心する毎日。

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2006/02/26

眠狂四郎無頼剣@市川雷蔵

監督:三隅研次、脚本:伊藤大輔・・・ってだけで、わくわくしますが。この映画の狂四郎は「いい人」なので、試写を見た原作者のシバレンは「これは狂四郎じゃない」怒って席をたったってエピソードがあるそうなんですが、それはともかく、シリーズの一本としてはもちろん、映画単体としても面白い、いい映画であります。
伊藤大輔の脚本は、眠狂四郎を見せるより前に、筋立てに重きをおいているので、雷蔵狂四郎の登場シーンは他のシリーズより少なくてファンとしてはちょっと消化不良気味(笑)。その分、敵役の天知茂がいっぱい出てきます。いいぞー、天知茂。顎がサクッと切れていて。
そして三隅研次のスタイリッシュでシャープな映像。夜のシーンの美しさはもちろん、影や手前にある障害物でワイド画面を大胆に切った構図(狂四郎が登場する居酒屋の場面など)、光と影の使い方など、なんでこの監督がもっと評価されないのか不思議だ。

この映画では狂四郎が女を手込めにしちゃうシーンなぞはありませんが、三隅監督は、雷蔵狂四郎の見せ方をよーく知っている監督だと思います。
月が照り映える橋の上で襲いかかる敵を円月殺法で斬る場面の美しさ、瓦屋根の上での天知茂との対決シーンのかっこよさ。少し乱れた髪がめちゃくちゃ色っぽい。見ているこちらの具合が悪くなる。あぁ、やっぱり雷蔵はいい男(笑)。他の場面でも、雷蔵が登場するところは細心の注意を払っているのがわかります。
珍しいところでは、ほっかむりをした狂四郎の夜釣りシーンなんてのがございます。

こういうレベルの映画が、量産される娯楽作品の一本として公開されていたんだから恐るべし。
眠狂四郎無頼剣はシリーズ8作目で、勝新の『兵隊やくざ大脱走』との2本立てでした。

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介護の日々。

義母の部屋には酸素吸入器、痰の吸引機に針金ハンガーにひっかけた点滴、紙おむつ、着替え、ヘルパーさんが使う新聞紙や電気ポット、タオル、ゴム手袋などが置いてあって、そこに元からある本箱や整理ダンスもあるから、もう乱雑というか何というか、野戦病院(笑)。
看ているこちらも、少しずつ慣れてきて少々の事では驚かなくなってしまった。優秀なヘルパーさんと(朝晩きてくれているヘルパーさんがベテランで、義母もすっかり頼りきっているのだ)、いい訪問看護師、お医者さまに出会えさえすれば、ここまで自宅で看られるんだなーっていうのが実感。入院しているのと同じだもん。自宅に病人がいると、家族の生活が制限されるってことはありますが。
病人を看るっていうのは、病人本人もだけれど、看ている家族もどう納得できるかっていうのが一番大事なことではないかなーって思う。今日もいろいろタイヘンな事がありましたが。

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2006/02/25

今日もお疲れ。

木曜日のドタバタのおかげで昨日はもうくたくた。仕事中も眠くて仕方がないけれど、やるべきことはてんこ盛りで結局残業。それでも全部は片づけられなかった。だって途中でもうイヤんなってきたんだもん。
いつ休まないといけなくなるのかわからないので、仕事は前倒しで、今日の仕事は今日中に仕上げてしまうことにしてるんですが。
それでも会社に行ってると、同僚と話をしたり気がまぎれるからいい。これが家でずーっと・・・ってなったら参っちゃうな。

義母は痰が出て苦しそう(自分で吐き出す力が弱っているんですな)。吸引機があるので、家族が取ることは可能なんですが、昨夜はそれで夜中に何度も起こされて「寝てないんだよ」と義妹。家族で介護するしんどさは、こういうところなんだよね。
で、今日は私が義母のお守り。

8時、2時、6時にヘルパーさん。12時に看護師さん。その間に食事に何かを飲ませたり、様子を見に行ったりと結構忙しい。食事はほんの少しだけれど、誤飲(肺炎の元になる)が怖いので何でも細かく砕いてとろみをつける。介護用とろみ粉末を売っているのだ。それが気に入らなくて、梅干し入りのおにぎりを作れだの、 ぶどうパンが食べたいだの、ブツブツいうのを言い含めるのがたいへん。食べさせるのもほんの少しずつなので、1時間くらいかかる。そんなあ事をしていたら、自分の食事なんてどうでもよくなっちゃうね。

合間にCSで藤純子の『緋牡丹博徒』シリーズを見た。今日は朝から全シリーズずーっとやっていて、他に見るのがないので、ボーっと見ていたんだけれど、これが面白いんですなー。

熊本は人吉の矢野一家二代目をはる緋牡丹のお竜が主人公。渡世の義理を果たすため、旅先で巻き込まれた騒動にお竜が命をはるっていうのが、いつものあらすじ。
緋牡丹お竜の藤純子がめちゃくちゃかっこいいのだ。絶対負けないし。それに、藤純子が歌う主題歌をバックに(これがまた、あまり上手ではないのだ)なぐりこみをかけに行くシーンなど、ドリフのコントのワンシーンみたいで何だか笑っちゃう。雪ふる中を番傘さして・・・って感じ。共演が、高倉健だったり、鶴田浩二だったり、菅原文太だったりで、もういかにも。これがまたいい役なんだ。

今日もお疲れじゃ。心を落ち着けるべく、あとで雷蔵の映画をゆっくり見ようっと。

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2006/02/23

午前中はお医者さまで、午後は刑事。

今日は会社を休んだ。私が義母の食事の用意などをして、疲れがみえる義妹は、たまった仕事を片づけたり昼寝をしたりするという。

朝食をすませて義母の部屋をのぞくと、なんだか様子がおかしい。呼びかけても反応がないし、口を半開きにしてグーグー寝ているのだ。
「なんだかヘンじゃない?」「いつもと様子が違うよね」「おかあさん、おかあさん!」

あわててW先生に電話をして往診をたのむ。待つ間、義妹と二人、義母のベットの脇に座って、涙にくれながら最初は・・・
「あやこちゃん、明日、仕事休める?」「会社にはもう言ってあるからさ」「子どもはどうしたらいいかな。明日から期末テストなんだよ。おにいちゃんは?」「まだ電車に乗ってると思うけど。電話だけしとくよ」
なんて話していたんだけど、そのうちなぜか佐藤愛子のオカルト話になってしまって、そしたらいきなり佐藤愛子好きの義母が目をさまして、「佐藤愛子の別荘は北海道にある」と言い出した。えっ?
いつのまにかすっかり意識を取り戻しているではないですか。それと同時に、看護師のIさんがやってきた。
「今の今まで意識がなかったんですっ!」と言っても説得力ないなぁ。
体温、血圧、血中酸素濃度、脈拍、血糖値。どれも正常。「じゃ、いったい何だったんでしょうか?」
要は、ここんとこ具合が悪くてあまり寝ていなかったのが原因らしい。つまり、熟睡していたって事なのだ。ぐわー。私たちは寝ている人の横で泣いてたわけ?明日は会社に行こう。
「つまんない事で大騒ぎしてすいません」と言ったら、「気にしないでいつでも連絡してください」とおっしゃってくださった。看護師さんは毎日様子を見にきてくれる事になっている。そのあと、W先生も来てくださる。「(今んとこ)心配することないですよー」の診断にホッ。
なんだか顔色もよくなってきたし、単に寝不足だっただけか。

疲れてしまったので、昼食はうな重をとった。義母の部屋で、3人で食事。ちょうど食べ終わった頃に、本日の第二の事件が・・・
1時半頃にかかってきた電話に出た義妹の様子がおかしい。長男の名前や、「おわび」とか「弁償」とかいう言葉が聞こえてきて、ただならぬ雰囲気。何ごと?と近づいたら、義妹が筆談で、「警察に電話」「中学校に電話して」と。甥っ子が原因で、誰かに脅されてるっていうのは気が付いたので、あわてて言われた通りにする。義妹はすっかり気が動転していて、私も焦ってしまった。・・・要はオレオレ詐欺なんですが、そんなこと、これっぽっちも気が付かなかった。
義妹は話をしている途中で「おかしい」とは思ったらしいんだけど、相手が言うには、子どもを預かっているので、現金を持ってこなかったら売り飛ばすと言われて、万が一にも本当に息子が拉致されていたら・・・と思ったら、わけがわからなくなってしまったそうな。私も余計な事をして、甥っ子の身に危険が・・・と、騒ぎ立てることもできない。

そうこうしているうちに、甥っ子は学校で授業を受けていると学校からの返事。私がその電話を受けていると、玄関からドカドカと、めちゃくちゃ目つきの悪い男性が3人入ってくるではないですか。げっ!ヤクザがどなりこんできたっ!とびっくりしたら、本物の刑事さんだった。
電話中の義妹の電話を受けて「○○署の刑事だけど、あんた名前は?」と言ってくれたらバチッと切れて一件落着。

興奮している義妹を刑事さんは「落ち着いて。心配することないから。よくあることなんだよ」と言いつついろいろ
話をしてくれるうちに、義妹も落ち着いてきた。
とにかく本当によくある事なんだそうな。オレオレ詐欺団は何人かの劇団みたいなもの。「泣きながら『おかあさん』と電話がかかってくると、子どもの名前で呼びかけるでしょ。あとはその子になりきるから」「でも声は息子の声でした」「そういう風に聞こえるんだよ」

「第一、本当のヤクザは子どもなんて相手にしないから」とはっきり言ったもんなー。そういう刑事さんが、日頃はヤクザ相手にやり合っていて、殺人現場も何度もみているような雰囲気の人だから説得力あり。
もし「おかしい」と思ったら、いったん電話を切って、警察を呼んでくださいとのことでした。←でもなかなかできないぞ。

あぁ、今日は、午前中はお医者さまで、午後は刑事だ。くたくたじゃ。

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2006/02/22

自宅で看るってこと。

義母のぐあいがあまりよくないので月曜日から1本分だけ点滴をしていたのだけれど、今日から24時間。痰の吸引機だとか酸素ボンベだとか、帰宅したら義母の部屋はスゴイことになっていた。自宅でここまでできるんだって事にびっくり。
我が家は別に自宅で病人をみようとか、そういう事はこれっぽっちも考えていなかった。なりゆきでこうなっちゃったのだ。病院から「退院してください」って言われたときは正直いって「困ったなー」って思ったもん。
病人を家で看るっていうのは、それぞれの環境もあるし、家族の負担も大きいし、まずは往診してくれるいいお医者さまと出会えるかどうかって問題があるので、「これが一番」とはとてもいえない。でも条件さえそろえば、こういう看護の仕方もあるってことで。
そろそろ義妹が参り始めているので、明日は会社を休むことにした。

義妹には中2の長男と小6の長女がいるんだけれど、この二人がよくやってくれている。自宅に病人がいるって事を嫌がらず、文句を言うでもなく、つきっきりってわけではないけれど、義母に薬を飲ませたりしているのだ。子どもの頃から義母が身近にいたって事もあるだろうけれど。
元気だった人が人生の終わりにむかって、こうして弱っていくんだってことを間近にみるっていうのは、甥っ子や姪っ子にとって、決して悪いことじゃないと思う。
大人の私も勉強になること、多いもんなー。

今夜は雷蔵の『ある殺し屋』を見た。雷蔵晩年の(36歳で晩年というのもどーかと思うが)現代劇。濃い時代劇ばかりを見ていたので、目が休まる(笑)。いい映画です。宮川一夫のカメラが冴えまくり。
こういう映画をみると、雷蔵が生きていたらなーって思いますですよ。存命ならまだ75歳。私たちにもっと映画を見せてくれたはずなのに。

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2006/02/21

ケータイで亡くなった人を撮る。

いとうせいこうさんのエッセイを読んでびっくり。ここ
お葬式での最期のお別れの時、携帯で亡くなった人の写真を撮る人がいるそうだ。それも増えているとか。

去年、駅のホームで人身事故に遭遇したことがある。台車に巻き込まれてしまったようで、連結部分から下にもぐった駅員さんが、被害者のカバンなどをホームに放りあげていた。
持っていたデジカメで写真でも撮ればニュースにもなるんだろうけれど、私はできませんでした。できるもんじゃないよ。

私が好きな宮嶋茂樹さんやアラーキーは死者の写真を撮っているけど、それはプロのカメラマンとして生きるために何かを捨てているんだと思う。シロートが携帯でヒョコっと撮るのとはわけが違う。

私は絶対にイヤだ。家族が撮られるのもイヤだ。
だもんで、私が死んだ時に、お棺の中の私を携帯でバチバチ撮ったりしないように。
待ち受け画面にでもされたら死ぬに死ねません。

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薄桜記@市川雷蔵

20060221_
脚本が伊藤大輔で監督が森一生(カズオ)で共演が勝新・・・というだけで、この映画についていろいろ話ができそうだけれど、私は雷蔵しか見ていないので(笑)。
27,8歳から30歳くらいまでの雷蔵って本当にきれいだ。若さの中に妙に老成したところがあって、すんごーく好き。

ものすごく乱暴に雷蔵中心にあらすじをいうと・・・

若き旗本、丹下典膳(雷蔵)が公用で京へ旅立った間に、新妻が5人の男に陵辱されてしまう。妻を愛するが故に彼女を離縁し、妻を辱めた男達への復讐を誓う典膳。妻の兄に片腕を切り落とされてしまった典膳は江戸から姿を消す。浪人となり再び江戸に戻ってきた典膳は、敵に片足を傷つけられ、片腕、片足の状態で、最期のたたかいをいどむ。
ラストシーンの雪の中での立ち回りは、悲壮ではあるけれど悲惨ではない。あくまできれいに。斬られて斬られて血で血でドロドロっていう見せ方もあるけれど、それじゃぁ雷蔵の映画になりませぬ。
若き勝新が演ずる堀部安兵衛(彼も重要な役割で、そもそも典膳と堀部安兵衛との出会いがお話しの発端なのだ)との心のつながり、最期まで愛し合う夫婦、そこに忠臣蔵の討ち入りがからんでいくという、なかなかおもしろい組み立てなのだ。

この映画で雷蔵は心正しき端正な若き旗本から、妻と片腕を奪われ心の葛藤に苦しむ浪人姿をきれいに演じわけていて、とくに片腕姿になってからですがね・・・いいんだわ。
運命に翻弄され、落ちていく男の姿を、これほど美しく魅せる役者が他におりましょうか。死に近づけば近づくほど透明になっていく。傷養生をしていた米沢の湯治場から駕籠に載って江戸へ戻るシーンの典膳の美しいこと。江戸に戻るということは死ににいくということ。迫り来る死の影を漂わせる横顔は神々しくもありまする。
正統派時代劇。ぜひご覧あれ。

当時の映画は隔週2本立て興行っていうのが基本だったそうで、そのために映画が量産されました。プログラムピクチャーってやつ。
雷蔵はプログラムピクチャーの映画俳優で、だから毎月のように映画に出ていたわけで、会社に言われて出演してるって映画がほとんどだろうし、はっきり言って雷蔵の出ている映画は娯楽作品、B級かB級の上ってところだと思う。私はそれでいいと思う。だってさー。80分間の夢をみせてもらっているようなもんなんだもん。それにゲージュツもいいけど、映画はやっぱり面白くなきゃ。
量産されたからこそ、当時の映画界には人が集まり、スゴイ映画が生まれたわけで、だって公開当時、この『薄桜記』は小津安の『浮草』との2本立てだったんですよー。このレベルの映画が平均、当たり前だったってこと。信じられん。

邦画の監督というと小津、クロサワ、溝口、最近話題の成瀬ってところばっかり注目されるけれど、例えばこの映画を撮った森一生とか、最近気になって仕方がない三隅研次なんつー、プログラムピクチャーの監督も、もっと注目されていいと思う。
増村保造なんかもいいしね。大映の監督ばっかりだけど(笑)。

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2006/02/20

月曜日の朝から・・

昨夜は寝る前に録画しておいた『女経(じょきょう)』なる映画を見たら明け方に夢の中に京マチ子が出てきた。
増村保造、市川崑、吉村公三郎の三監督によるオムニバス映画で、ヒロインがそれぞれ若尾文子、山本富士子、京マチ子というパンチのある女優ばかり続いて、一番最後が京マチ子だったのだ。三作品ともとても面白くて、特に最初の増村保造はテンポがあってシャープでおしゃれで「さすが」って感じだったんだけど、心の底では京マチ子の「むっちり」にヤラれてしまっていたようだ。朝から京マチ子はしんどいよぉ(笑)。一緒にバス旅行する夢だった。

で、フラフラになりつつ「あぁ、月曜日だ。起きなきゃ」とベットからのそのそはい出たら義妹から呼び出しあり。昨日の夕食の残りのちらし寿司を手みやげに何ごとぞと行くと、義妹がマシンガンのごとくしゃべりだす。昨夜は一晩中大変だったらしい。ここ2,3日ちょっとぐあいが悪かったし、病気が言わせるって事もわかってはいるけれど。義妹と二人、朝からキレました。退院してからまだ一週間たっていないのに。はぁ。
あんまりひどいようだったら入院させたら?というと、「それはかわいそうだ」と義妹は言う。やっぱそこが実の親子なんだなぁ。
自宅介護といっても、今は介護保険があるからおとなしくじっと寝ていてくれるぶんには困ることはない。でも精神的なところは家族が負わないといけないから、毎日顔を会わせているうちには「ちょっと堪忍してよ」ってところも出てくるのだ。入院中と違って、イヤだからと放りだしておくわけにもいかず。
とりあえず訪問看護師に電話して、W先生の往診をお願いした。ほとんど食べられなくなっているので、点滴もしてほしいと。

それで会社に行って、せっせとお仕事して帰宅したら、なんだ、結構機嫌良くしてるやん。壁にはハンガーにひっかけた輸液バックが。点滴をしてもらったそうな。顔色もよろし。あとは夜、静かに寝ていてくれたらなぁ。

今夜は雷蔵の『薄桜記』を見た。はぁぁ。←噛みしめているところ。

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2006/02/18

今日もまた昨日のつづき。

朝から義妹宅の台所で義妹の話をきく。「おかあさんの介護じゃなくて、私の話をきくのが貴方の仕事になるね」と義妹。文句をいいたくなる気持ちもわかるんだよなぁ。
何をしてほしいのかわからない。「こうしてくれ」と言うから言うとおりにしたら、しばらくたって「これじゃダメ」だという。じゃ、どうしたい?ときくと、しばらく黙って「これでいい」と言う。
「で、夜中になって『やっぱりこうして』って言うんだよ。まったく」
ついつい義妹の口調がきつくなると、今度は義母が私に「あの子はこんな事を言う」と。「みんなお義母さんの体を心配しての事なんだよ」としか返事できないしなぁ。

病気だからとわかってはいても、「ちょっといいかげんにしてよね」という気持ちにはなる。長男の嫁の私がいうのもナンですが、義母はもともと依頼心の高い人なので、自宅介護する事になったとき一番心配したのは「あの性格に私たちが我慢できるであろうか」って事であった。
看護師さんやヘルパーさんが「仕事でみる」っていうのと「家族がみる」っていうのとは違うんだよねぇ。いろいろ難しい。でもこういう事は考えても仕方がないので(現実として、もう義母が寝ているわけで)考えない事にして、私は市川雷蔵に逃げる(笑)。

hikaruさんがコメントくれたけれど、雷蔵の『切られ与三郎』は歌舞伎の『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』が題材となっていて、「いやさ、お富、久しぶりだなぁ」の源氏店の場面で有名で、映画の中にもちゃーんと出てきます。雷蔵は口跡のいい役者だから、本当に舞台をみているような感じ。そういうふうに撮っているんだけど。
他にもお富と出会う木更津の場面、ヤクザの女となった「かつら」と出会う湯治場の場面、与三郎を慕う義妹「お金(おきん)」を抱いて海に入る場面と、名場面いっぱいで、そのどれもが本当に美しい。役者に監督、その他のスタッフの充実ぶり。当時の撮影所がどれだけ力を持っていたのか実感できまする。

ちなみに「お金」役が、デビュー間もない富士真奈美。こんな役をやってたんだ。またDVDには公開当時の予告編や特報が収録されていて、その中に普段着の雷蔵がちょこっと映る。七三分けの髪型に眼鏡姿の普段着の雷蔵が見られて、これはちょっとお得。

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2006/02/17

介護&雷蔵映画日記

義母は今日、訪問入浴にきてもらって久しぶりのお風呂。組み立て式の湯船をベットの脇の二畳ほどのスペースにおき、外から水をとって車の中にある瞬間湯沸かし器でお湯をわかし、長いホースを使ってお風呂場に排水・・・だったそうな。私は会社で見られなかったけれど、顔まできれいに剃ってもらって義母はすっきりした顔をしていた。これから週に一度きてもらう。
明日は義妹がいないので、私が食事の用意をする。いつも「おいしい」と言って食べてくれたカボチャをたこう。

毎日少しずつ雷蔵のDVDが増えていくので、夫は諦め顔(笑)。昨日は『ひとり狼』を見て、今日は『切られ与三郎』を見た。

『切られ与三郎』は『弁天小僧』と同じく、歌舞伎を題材にした映画で監督も同じく伊藤大輔、カメラは宮川一夫。甍の波に御用提灯が揺れる場面をみていると『弁天小僧』と間違えちゃいそう。ほとんどがセットで撮られているんだけれど、そのセットが夢と現実の狭間にあるような感じで美しい。「作り物」の美しさっていうのかなぁ。今ならCGでやっちゃうんでしょーけれど、アナログなセットだからこそにじみ出てくるリアリティってあるんじゃないかしらん。この映画の雷蔵は立ち姿がきれい。なんつーか、かげろうのよう。

この映画が撮られた頃(1960年)、雷蔵は他に『薄桜記』『ぼんち』『好色一代男』『大菩薩峠』なんつー映画に出てる。『新春狸御殿』も主演だ。いい映画、いっぱい撮ってるんだよねぇ。なんといっても年間10本以上の映画にほとんど主役で出てるのだ。この頃は1本20日前後で撮ってたというから毎月1本。2時間ドラマを休みなく撮り続けているよーなもので、2時間ドラマの帝王、船越英一郎もびっくり(そういえば船越英一郎の父上、船越英二は雷蔵とちょくちょく共演してまする)。いくら大映の看板役者と言ってもなぁ・・・。

なんだか『介護&雷蔵映画日記』になってるなー。
他に何か話題は・・・と思うも、今読んでる本は眠狂四郎だし(笑)。

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2006/02/15

弁天小僧@市川雷蔵

20050215_
昨日休んだので今日は1日とーっても忙しかった。お疲れじゃ。
義母は機嫌良くしているようで安心。訪問入浴の手配も完了。組み立て式の湯船を持ってきて、部屋の中で入れちゃうらしい。今きてくれているヘルパーさんは、ご自分のお父さまの介護をした経験からヘルパーさんになったそう。当時は何でもかんでも自分一人でしないといけなかったから、お風呂に入れるのも大変だったという話をきいて、いい時に義母を看る事になったなーとしみじみ。

昨日はなんだかんだと忙しかったけれど、アマゾンから『弁天小僧』が届いたので、合間をみながら3回見て、3回とも泣いてしまった。今日は2回みて、また泣いた。自分でもバカだなーって思いますけどね。
この映画の雷蔵は本当にいい。すうっと消えてしまいそうな美しさ、平気で悪事を働く冷たさ、やんちゃな不良青年、そして心の底にいつもある寂しさ。そんなのがない交ぜになった実にフクザツな表情をするのだ。もはやこれまでと覚悟を決めたラストシーンの表情なんて、思い出しただけで涙が出てきちゃいますわよ。1958年の映画だから雷蔵はまだ27歳か。でも、時々ふと見せる表情は後年の眠狂四郎です。いやー、なんかスゴイ役者。

お楽しみは劇中劇で、有名な濱松屋の場面が演じられるところ。雷蔵の養父である市川寿海が舞台の袖につめて、つきっきりで指導したそうな。あぁ、歌舞伎役者時代の雷蔵はこんなふうだったんだと想像する楽しみがございます。

弁天小僧の仲間5人とは別に、悪いことばっかりしてる不良旗本グループに話をすすめさせる所がミソ。彼らの悪事に弁天小僧たちの仕事がからみあう。その他に、弁天小僧と心を通わせる娘、弁天小僧の出生の秘密、捕り物といろーんなエピソードを手際よくキュッとまとめて、最後の大捕物に集約させるという、さすが監督伊藤大輔。雰囲気のある映像だなーと思っていたら、カメラは宮川一夫でした。江戸の町を再現したセットがまたいいんだけど、特に甍の波に御用提灯が揺れるラストシーンは弁天小僧の最期と重なって美しく、悲しいです。「弁天小僧、召し取った!」の捕方衆の声がいつまでも耳に残るよ。
また遠山左衛門尉役でブレイク直前の勝新が出てます。目に力のある役者。
見終わったあと何だかいい気持ちになれる娯楽時代劇です。機会があったらぜひ見てくだされ。

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2006/02/14

本日退院。今日から介護。

本日義母退院。1時に介護タクシーに迎えにきてもらう。自力では寝返りもうてない状態なので、ストレッチャー付きの車を頼む。ストレッチャーというから救急車のベットみたいなのがくるのかと思っていたら、半分椅子みたいなの。ジャンボタクシーの後ろにベットがおさまるようになっている。ヘルパーの資格を持っている運転手さんが義母をベットに寝かせてくれておしまい。運賃の他はストレッチャー代2千円。2千円なら安いもんだよねー。
そのあとにケアマネージャーとヘルパーさん、訪問看護師が来てくれてうち合わせ。W先生の往診。どの人も明るくて楽しい人ばかりでよかった。こっちの気持ちが楽になる。質問には的確に答えてくれるし、こちらが不安に思っていることにもちゃーんと対応してくれる。なんか今まであれこれ考えていたのがウソみたいだ。

ヘルパーさんは1日3回きてくれる。さっそく今夜から開始。顔を拭いたりするのも今まで家族が我流でやってきたのとは手際が違うんだよねー。あたりまえだけど。興味津々で、私はもちろん義妹、甥っ子に姪っ子と、4人がヘルパーさんの後をついてまわる(笑)。
往診してくれるW先生は、年輩の方かと思っていたら意外やお若い先生なのでびっくり。訪問診療専門で、365日、24時間対応だそうだ。使命感がないとできない仕事だと思う。訪問専門の看護師さんがいるのも知らなかったのに、訪問専門のお医者さままでいるとはびっくり。最近は需要が多くて、訪問看護師はいくらいても手が足りない状態だとか。

そういうのもケアマネージャーが間に入って調整してくれる。病院の相談室で、ケアサービスを請け負う会社にもいろいろな所があるので(ピンキリってこと)、いろんな所をまわって話をきいてじっくり決めて下さいと言われた。要は経験がものをいう世界なのだ。そういう点では、たまたまだったけど、いいケアマネージャーに出会えて本当によかった。

義母も病院にいるときは息も絶え絶えで、義妹と「あと何日持つんだろう」って話していたのに、退院してからの半日で顔つきも顔色もよくなってびっくりした。義母の世話も、ヘルパーさんのおかげで病院よりずっーっとよくしてもらえそうだし、連れて帰ってきて本当によかった。
介護保険はありがたいですよー。義母のぶんだけで家族4人(夫、義弟、義妹、私)が払ってる介護保険分はじゅうぶんに元をとったよーな(笑)。
いや、これがついこのあいだまで、全部家族だけでやらなければならなかったのだと思うと、ゾッとします。絶対できない。ウンチの始末なんて絶対したくないもん。

・・・てなわけで、私は声を大にしていいたい。介護保険は皆さん、喜んで払いましょう。いずれ自分もお世話になるんだからね。

話は180度変わるけど、今日、アマゾンからDVDが一本届いた。雷蔵の『弁天小僧』。1958年の映画だから雷蔵、27歳か。「水も滴る」っていうのはこういう男の事をいうんですな。いやもう、こんなにいい男、私は後にも先にも知りませぬ。雷蔵のファンになってよかったよ(泣)。

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2006/02/13

いよいよ退院

義母は明日退院。今日、義妹の家に介護ベットが入った。意外とコンパクト。今まで家族4人が寝室に使っていた部屋を義母の部屋にして、義弟と甥っ子は今夜から別の部屋で寝ることに。「いよいよだねぇ」と義妹とあれこれ話し込む。まぁ、いろいろありますが(^^)、我が家の場合、兄弟がごく近くに住んでいるので(いずれそうなるだろうと考えての事だったのですが)多少なりとも協力しあえること、義妹が在宅ワークで昼間家にいることなどなど、条件がよかったよーに思う。これが私一人だったら絶対無理だもんなぁ。

ケアマネージャーもいい人が見つかってよかった。
このケアマネージャーにベットや車椅子など備品を揃えてもらったりヘルパーさんの予定を組んでもらったり、全面的にお願いするんだけれど、義母は状態がかなり悪いので、ヘルパーさんの他に訪問看護師、往診してくれるお医者さまも必要・・・てなわけで、最初頼んだケアマネージャーには二の足をふまれてしまった。どうしよう・・・と困っていたところに出会ったのが今のケアマネージャー。義母の介護認定をしにきてくれた人なのだ。お医者さまはターミナル医療に力を入れているこのあたりでは有名な女医さんを紹介してもらえた。なりゆき次第では自宅で看とる事になるかもしれんなー。

・・・てなわけで、わが夫婦は面倒くさいこといっぱいの世の中に背を向けて、逃避への道をひた走るのであった。夫は昨日の早稲田の試合を何度もみては感激にひたり、私は雷蔵の映画をみてはニコニコ。自分へのご褒美に(結局今年の冬は一枚も洋服を買わなかったし)アマゾンでDVDも買っちゃいました。控えめに4本。むふふ。早くこないかなー。

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亀有の両さ

亀有の両さん銅像は除幕式もすんで、駅前に立ってます。060213_094244_m.jpg

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2006/02/12

早稲田勝つ!

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いやはやいやはや。
今日はラグビー日本選手権の2回戦。早稲田大学対トヨタ自動車の試合を見に行った。日本選手権は大学、クラブチーム、社会人の上位チームが戦うトーナメント。社会人と大学ラグビーの差は大きく1988年のお正月以来、大学チームは社会人の上位チームに勝っていない。ところが!
今年の早稲田は史上最強ともいわれるチーム。トップリーグ4位のトヨタ自動車に「もしかしたら勝てるかも・・・」と少し前から一部ネットではめちゃくちゃ盛り上がっていたのだ。

今日は風が強くてとても寒い1日だったけれど、お天気には恵まれた。秩父宮ラグビー場はほぼ満員。そのほとんどが早稲田の応援という、トヨタ自動車からみると、アウェーで試合しているみたい。
手に汗握る試合内容で時間がアッという間に過ぎていく。後半10分は攻めるトヨタを早稲田が必死に止める。見ているこちらもわけがわからん。もう何度もダメだぁと思ったもん。ラグビーはロスタイムが過ぎてもゲームが切れるまで(ボールをラインの外に出すが、負けている方が反則するまで)試合が続く。ロスタイムに入った時点で早稲田は4点リード。トライ1回で5点入るから、トヨタはトライをねらって猛然と突っ込んでくるし、早稲田はそれを必死に止める。ただ止めるだけじゃなくて、少しでも隙があればそこを狙われるから油断もできない。
最後は「うわー。止めろっ!タックルしろぉぉ。よしっ!あーっダメだっ。抜かれるぅぅ。よし!よく止めた。外出せ外っ」と叫ぶだけであった。いやぁ、早稲田はとく止めたですよ。あそこまでいったら技術とか体力とかではなく精神力、集中力だけ。最後はトヨタの選手がノックオン(ボールを前に落とす)でノーサイド。歴史的な早稲田の勝利で終わったのでした。

泣きましたよ、もう。勝ったとかどうとかでなく、最後のあのすさまじいタックルの嵐をみたら感動しちゃって。
早稲田の清宮監督は今年でおしまい。来年度からはサントリーの監督となる。最後のシーズンにこういう試合をしちゃうっていうのが、ドラマ以上のドラマです。

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2006/02/10

『大殺陣 雄呂血』@市川雷蔵

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ごめんなさいごめんなさい。今度はDVD買っちゃいました。会社帰りに秋葉原のヨドバシカメラへ寄って『大殺陣 雄呂血』と『ある殺し屋』の2本、買っちゃいました。本当は『薄桜記』とか『切られ与三郎』とか『斬る』『花くらべ狸道中』とか欲しかったんですけどねー。夫に見つかったら「いいかげんにしろー」と怒られそーなので我慢しました。

雷蔵の『雄呂血』は1925年、阪妻主演で作られた映画のリメイク。ストーリーはいたって簡単。他流試合にきた他藩士を背中から斬って殺した家老の息子の身代わりとなって出奔するのが雷蔵扮する小布施拓馬。1年後には帰参がかなう約束だったのに、それが許されず拓馬は逃走。裏切られ陥れられ拓馬は追いつめられていく。挙げ句の果てにヤクザの用心棒となった拓馬の前に現れたのは、彼を追って女郎にまで身を落としてしまった婚約者(八千草薫)だった。手に手をとってそこから出ようとする二人。しかしその時にはすでに数百人の追っ手が彼を取り囲んでいたのであった・・と、まぁ、この映画の見どころはラストシーンの15分間にわたる大チャンバラ。本編87分のうちの15分間。撮影所の役者、全員連れてきたんじゃないかっていう派手さです。この15分に頂点をもっていくための映画なので、流れに身をまかせて見ていると実に気持ちがよろしい。斬って斬って斬って、一体何人斬ったのかわからないくらい斬って、見ているこっちも肩で息をしちゃいつつ、見終わったあとは深いため息。

どんなに落ちていっても雷蔵はお行儀よく、彼を見つめる八千草薫の目は美しい。どこかざらついたような白黒の画面は荒涼としていて、ジム・ジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』を思い出しましたわよ。
大チャンバラシーンは、無声映画を見ているような感じ。様式美というのか、歌舞伎の一場面のようでもあります。監督の田中徳三はインタビューでこう言ってる。

『ただラストの、あのチャンバラだけはオーソドックスに、照れたらあかんと、サイレント映画そのままにやろうと、最初からそのつもりだった。あの大立ち回り、撮影に三日ぐらいかかったですかね。サイレント時代の、チャンバラ映画華やかなりし頃のことをよく知ってる殺陣師がおって、熊手とか梯子とかサス叉とか、昔からのいろんな手を使って、あんなに人を斬ったらもう刀から指がはなれへんと、そういうところまで撮った』(「市川雷蔵とその時代・巨匠とプログラム・ピクチャー監督」)

雷蔵の姿は相変わらず美しくて、脇差を口にくわえる一瞬とかゾッとしますです。どんなに着物が乱れていても、帯だけはきちんと決まっているところもキレイ。こんなの見てると、やっぱ雷蔵は時代劇スタアだなーって思っちゃいますね。

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2006/02/09

フクザツなきもち。

義母は来週の火曜日に退院することになった。退院とはいっても、元気になって帰ってくるわけではないのでフクザツ。介護は主に義妹がやってくれるのだけれど、その義妹も「病院に行って顔を見るのがなんだかイヤでさぁ」と、ここんとこお見舞いに行っていないという。「わかるよぉ」と返事しながら、そこがやっぱり自分の母親か義理の母親かの違いかなぁと思う。なんつーか、私の場合、どっかに『半分仕事』みたいな気持ちがあるのですよ。いろいろ考えると面倒くさいので、わざと考えない。
義母とは10年以上同居してきたけど、やっぱり「夫の母親」だから自分との間にワンクッションあるよねぇ。
まぁ、誰もがいずれ通る道だし、順番だからね。

そんなこんなでちと気鬱になりつつあるので、図書館で『市川雷蔵とその時代』という本を借りてきた。雷蔵と縁のある監督や美術さんなどのスタッフ、雷蔵と大映の後期を支えた勝新などのインタビューをまとめた本で、力があった頃の大映京都撮影所の熱気が伝わってくる。時代と環境と人材、全てが揃って、ものすごい輝きを放つ一瞬というのが、どういう世界でもあると思うのだけれど、雷蔵がいた頃の大映京都っていうのが、そうだったのかなぁ。そういうのは過ぎ去って初めて気がつくものですけどね。

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2006/02/08

両さんの銅像

亀有駅前に『こち亀』の両さんの銅像が立つのですが、その設置現場に遭遇。毎日新聞のカメラマンが取材に来ていたので両さんの顔をチラリと見せてくれました。060208_100250_m.jpg

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2006/02/07

好色一代男@市川雷蔵

さむーい。会社からの帰り道でちらちら降り出した雪は夜中にはみぞれになり、朝起きるとうっすら白く積もっていた。天気予報では暖かくなるとかゆーていたのに、そんな事、全然ないやん。さむーい。吐く息の白さがいつもより濃い気がする。

録画したままだった雷蔵の『好色一代男』を見る。なんだか「雷蔵映画日記」になってきたな(笑)。
市川雷蔵が企画して、監督はこれが時代劇初の増村保造。いやぁぁ、面白かった。私が死んだら葬式のかわりにみんなでこの映画を見てください。

余計なものをそぎ落とした増村保造の演出はスピーディでテンポよく(時代劇を撮ってるつもりじゃないな、きっと)、それが、女人を楽しませる事のみに全てをかける世之介の生き方にぴったり。脚本もいいね。雷蔵が世之介を大熱演で、ポンポン飛び跳ねるように本当に楽しそうに演じてる。まったく、この市川雷蔵という役者は一体いくつの顔を持っているのやら。顔を持っているというよりは、自分を変えていくのやら。役を自分に合わせるんじゃなくて、自分を役に合わせていくのだ。
世之介と逃げる新発田の網元の妾が中村玉緒。その玉緒が棺桶の中でニッと笑うシーンが、この映画の全てを表しているよーな気がする。

とにかくアホらしくも楽しく気持ちのいい映画。古さも全然感じない。

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2006/02/06

久々に本屋さんへ行って・・・

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わはは。買っちゃいました。『完本 市川雷蔵』。4700円。仕事帰りに寄った書店で発見。こういうのは見つけた時に買わないとあとで後悔することになりますからねー。

雷蔵、全出演作品158本のデータと、お写真多数。1954年の映画デビューから1969年に亡くなるまでの15年間に158本。1年間に10本以上だよ。最後まで大映ひとすじ。テレビには1本も出なかった。
きちんと雷蔵の映画を見たのはまだ数本だけど、デビュー当時からの写真(スチルって言った方がいいか)を見てると、1958年の『炎上』を境に顔つきが変わってくるのがわかる。この人、時代劇スタアだと言われているけれど、現代劇にものすごい可能性を秘めていたんではなかろうか。
『ザ・商社』の上杉二郎なんて見てみたかあったなぁ。すっとぼけた役もいいので、三谷幸喜演出の雷蔵の映画ってのも見てみたい。

んで、久々にゆっくり書店の棚を見ていたら色川武大の『映画放浪記』なる新刊本を発見。ちょこっと立ち読みしたけど、これはなかなか面白そう。
柴田錬三郎の文庫本はなかなか見つからず。唯一、会社近くの書店でなぜか狂四郎モノが数冊並んでいるので、その左から順番に買っているのだ。どうせ私しか買う人いないし(笑)。
こういう小説、今はもう流行らないんですかねぇ。めちゃくちゃ面白いけど。ころびバテレンと武家の娘との間に生まれた混血児で、彫りの深い顔立ちに茶色の髪。素足に黒の着流し、腰には名刀・無想正宗。円月殺法の使い手で、剣は強く、市井無頼の徒と称し、女を抱いても安らぎは得られず、行く先々で何かが起こり、虚無の世界に生きる男って、ものすごいキャラクターですわよ。んで、時にはちゃんばら、時には陰謀、時にはしんみりとした話を週刊誌に連載してたっていうんだから、感心しちゃいます。

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2006/02/05

今の私はテレビっ子。(今月のCS放送)

「CSばっかり見てると時間なんてアッという間に過ぎてしまうなー」というのが、最近の我が家の会話。今夜も『蒲田行進曲』をやっていて、夕食を食べながら見る。角川春樹製作の松竹映画で中身は東映というヘンな映画。『蒲田行進曲』じゃなくて『太秦行進曲』だろうがっ!と夫婦でつっこみながら楽しく見る。映画らしいウソ満載。松坂慶子がイヤんなるくらい美しい。最後の階段落ちのシーンは火がぼうぼう燃えていて、いかにも東映って感じ。
そのあと『寅さん』みて、『名探偵ポアロ』を途中から見るともう夜中だ。

昼前には『シャーロック・ホームズの冒険』、12時からはTVの前にきちんと正座して(笑)『眠狂四郎炎情剣』。眠狂四郎は回を重ねるごとに馴染んでくるというか、狂四郎と雷蔵が重なってくる。今回は女あり、ちゃんばらあり、キザなセリフ満載で満足まんぞく。抵抗する女(中村玉緒)には「女を犯すことは慣れている男だと観念されるがいい」と言い、これから剣を交えようとする相手には「俺の顔に照り映える月の光が、お主、この世の見納めだぞ」と言う。他の人がいうとナルシストの色気じじぃになるところが、雷蔵だと、「はぁぁ。おっしゃる通りでございます」となっちゃうんだなぁ。
ちなみに雷蔵の部屋のカラスのふすま絵は、『大菩薩峠』に出てきた背景と同じ(なのか似ているのか。監督が同じ三隅研次だし)。あんな真っ黒カラスがバサバサうじゃうじゃしている部屋だと落ち着いて寝てもいられんぞ(笑)。狂四郎の部屋らしくていいなーと思いました。

今月は『溝口健二』の特集もある。
溝口健二って、小津安、黒沢明と同等の監督だと思うんだけれど、今ではもう忘れられつつある監督なのか・・・。夕方から『西鶴一代女』をやっていた。でもこれを見ちゃうと晩ごはんが作れなくなるのでがまん。今夜は明け方に『浪華悲歌』をやるのでこれは録画。私が初めて見た溝口健二はこの映画なのだ。筋とかはほとんど忘れてしまったけれど、山田五十鈴の顔だけは記憶に残っていますです。未見の『赤線地帯』が楽しみ。

今月は田宮二郎の『犬っシリーズ』の後編も放送中。先月、前編を見たけれど、主役の田宮二郎が最高にオシャレでかっこいいのはもちろん、まだ痩せていた天知茂がヨレヨレのコートに帽子を被った、ちょっと冴えない刑事役で(コロンボは、この天知茂を真似したんじゃないかと思うぞ)、いいんだなぁ。坂本スミ子をはじめ脇役が冴えてる映画です。

・・・てなわけで、最近はすっかりテレビっ子となってしまった。あぁ、もう寝る時間だぁ。

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沢渡温泉日帰り旅行

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3月になったら仕事が忙しくなって土日も休めないかも・・・という夫がいうので、今のうちにとお出かけ。お気に入りの沢渡温泉まるほん旅館に電話してみるも、週末は満室で×。しかたがないので日帰り旅行。友人もさそって4人で出かけた。
池袋から高崎行きの湘南新宿ライン、吾妻線の各駅停車に乗り換えて3時間で到着。近いよねー。汽車旅の気分も味わえるし手頃な温泉地だよ。
沢渡温泉のお湯は少し熱めだけれど、サラサラとくせのないいいお湯。まるほん旅館の浴場は木と石を組み合わせたモダンな感じがする。混浴だけどね(^^)。
しっかり温まって16時の路線バスで中之条駅へ向かう。これがなんと9人乗りのジャンボタクシーなのだ。以前乗った時は普通の大型バスだったんだけどなぁ。最初から最後まで乗客は私たちだけだったけど。乗客の減少に伴い2月から変更になったそうな。私たちのグループ4人と他のお客さんとで今日は満席。乗り切れなかったらどうするんだろ(笑)。
ジャンボタクシーに制服姿の運転手さんが乗っていて、料金箱があるっていうのが「何だか妙な気分ですね」と運転手さんに言ったら笑っていた。気分はタクシーなので、「あ、ここで止めて!って言ったら止めてくれるんですか?」ときいたら「それはちょっと・・・」だって(^^)。

中之条では駅近くの蕎麦屋『吾妻路』へ行く。今まで何度か来たことがあるんだけれど、昼間はじっくり飲めないので、夜に来てゆっくりしたいと思っていたのだ。だっていい日本酒が揃っているんだもん。ここがもう・・・スゴイ蕎麦屋であった。お蕎麦が日本酒の肴になっちゃうんだからなぁ。〆のつもりで注文した蕎麦でまた飲む。終わらないよぉ。(あとできちんと紹介します)

結局四合ほど飲んじゃって、ふらふら。中之条19:45発の高崎行きに乗って高崎で湘南新宿ラインに乗り換え。それでも日付が変わる前に帰宅できた。なかなかいい日帰り旅行コースかも。お蕎麦を食べにまた行きたい。

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2006/02/04

ジャンボタクシーの路線バス

義母の退院が延びたので群馬は沢渡温泉へ日帰り旅行。中之条駅から沢渡温泉の路線バスが今月からジャンボタクシーに変わっていました。利用客が少ないっていうのが理由らしいのですが・・ジャンボタクシーに制服姿の運転手さんがいて料金箱があるっていうのが妙なきぶん。
中之条駅ちかくの蕎麦屋でちょっと驚きの絶品の蕎麦を食べ、日本酒飲み過ぎでへろへろの状態でまだ高崎にいます。これから湘南新宿ラインで東京へ戻ります。060204_160502_m.jpg

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2006/02/02

黄門様も狂四郎もいないし。

いつの間にか2月です。相変わらず現実逃避(笑)。ニュースも見てないので、ますます世の中の出来事にうとくなる。

防衛施設庁で談合があったそーな。それが天下ったOBの待遇によって仕事を割り振っていたとゆー、まるで時代劇でもみているような話。事実は小説よりも奇なり。悪徳代官と、それにへつらう備前屋そのままやん。
こういう場合時代劇だと、代官のいう事をきかない老舗の大店がいじめられて商売ができなくなって困っているところに水戸黄門がやってきて印籠を見せて代官をこらしめるとか、眠狂四郎が出てきて否応なく斬られるとかするんだけれど、印籠もなければ狂四郎もいない世の中では、悪徳代官は悪徳代官のままだ。逮捕された人をTVでちょこっと見たけれど、それがしょぼくれた人で、これじゃ安物の時代劇にもならないよ。

ホリエモンのあれこれを見てると黒沢明の『悪い奴ほどよく眠る』を思い出す。映画のラストシーンで語られるのは、一番悪い奴は他にいて、最後まで姿を見せないってこと。ホリエモンじゃ役者としての器が小さい。いじめられたらすぐに泣いちゃいそうだし。『悪い奴ほどよく眠る』の森雅之と、森雅之がラストシーンで電話をかける相手がこの事件の影にもいるよーな気がする。なんか胡散臭いやん。

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土曜日に北茨城に行ったときに気が付いたこと。

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大甕(おおみか)駅の発車メロディが橋幸夫の『恋のメキシカンロック』だった。♪♪メキシカンロック、ゴーゴー、ゴーゴー♪♪ってやつ。なんでメキシカンロック?何で橋幸夫?と頭の中が「??」状態になってしまったので、さっそくJR東勤務の友人にメールで問い合わせるも「知らない」と愛想のない返事。その先の駅(日立だったか常陸多賀だったか忘れた)では『いつでも夢を』で、そこでハタと気が付いた。作曲家の吉田正さんの記念館が確か日立にできたんですよー。なるほどねー。

写真は大甕駅を過ぎてすぐ、左手の車窓に見つけたもの。去年、廃線になった日立電鉄の踏切たちが自分たちの将来について集会を開いているところ(・・・に見えない?)。

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2006/02/01

次は原作。

義母は今週の土曜日に退院の予定だったんだけれど、昨日からちょっとぐあいが悪くなって退院は延期。せっかく全粥までいったのにまた絶食となってしまった。「退院してきたら大変だなー」と思っていたけれど、いざ仕切直しとなると何だかかわいそうになってきた。

今夜も夫が早く帰宅したので雷蔵のDVDは見られなかった。「BGMにつけるだけ」と言っても「ウソだね。結局何もしないでじっと見ちゃうんじゃないか」とのたまう。その通りであるだけにくやしい(笑)。
かくいう夫も雷蔵の演技は認めていて、二人で『眠狂四郎』を見ている時なぞ「かっこいー」とつぶやいたりしているのだ。

今度は柴田錬三郎の原作を読んで見ようと、新潮文庫から出ている『眠狂四郎無頼控』を探して何軒か書店をまわるも柴田錬三郎の本自体、置いてないのでびっくりした。シバリョウはどこにもいっぱいあるのに、シバレンは皆無。そんなもんなのかなー。
やっとこさ第2巻を購入。短編読み切りなので、途中から読んでもだいじょうぶ。しっかし・・・おもしろいですね。簡潔で平易な文章、テンポいい場面転換。眠狂四郎というキャラクターの魅力。映画化したくなる気持ちもわかる。だけど狂四郎を誰が演ずるかっていうのが一番の難問で、女を犯してもいやらしくなく、キザなセリフが嫌みに聞こえず、姿が美しくて影があり、身分の上下に関係なく心のまっすぐな人には好かれる人物ってのは市川雷蔵しかあるまい。
読んでると、雷蔵主演の映画が勝手に頭の中で動き出す。

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